1961年に公開された黒澤明監督の21作目の時代劇作品です。桑畑三十郎と名乗る旅の浪人が主人公。その主人公が、流れ着いた宿場町で対立する2つのヤクザ同士を欺き、退治してしまうものです。脚本が良くて、今の小説にも劣らない筋書きです。何度もどんでん返しがあります。三船敏郎さんが演じる、この主人公と敵役の仲代達也さんが格好良い。当時三船さんが41歳、仲代さんが39歳。渋いです。それに脇役陣が立派。ヤクザ . . . 本文を読む
小関智弘著、日本放送出版協会刊
小関さんの著作は何冊か読んだことがありますが、その主張は一環いていてぶれていません。また、繰り返すその主張が、常に力を持ち続けています。それは、現実の有り様を通しての主張だからだと思います。沢木耕太郎さんの作品は、あらゆる事象が沢木さんというフィルターを通して独特の表現になっているので、現実そのものの迫力ではなく、沢木さんの感性を味わう楽しみがあります。しかし、小関 . . . 本文を読む
東京映像社制作
お茶のお点前で一番目に付くのが茶筅です。竹の加工品であることは明らかながら、どの様に作るのかが不明でした。本作では、全国の9割のシュアを誇る奈良県の職人の取材記録です。茶筅の概要や製作方法は下記のURLにあらましが出ていますが、本当にびっくりするような手仕事でした。
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URL => http:// . . . 本文を読む
パソコンを長く使い続けていると、キーボードとマウスにこだわりを持つ人が結構いるのではないでしょうか。私もその一人で、今までに随分と買い求めてきました。マウスとキーボードは、いずれも有線と無線がありますが、やはり、無線の方が使いやすいので、無線系のものを結構前から使っています。マウスはかなり安定していますが、キーボードの無線は中々安定しないので困っていました。この半年程は、ブルートゥースが良いかな( . . . 本文を読む
川上弘美著、横浜録音図書発行
川上さんの作品を聞くのは、本作で2本目です。下記URLによれば、主な受賞歴として、
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パスカル短篇文学新人賞(1994年)
芥川龍之介賞(1996年)
紫式部文学賞(1999年)
伊藤整文学賞(2000年)
女流文学賞(2000年)
谷崎潤一郎賞(2001年)
芸術選奨(2007年)
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東京映像社制作
時代劇で見かける裃(かみしも)は、まるで、たった今プレスしたかのような緊張感のある張りを持っています。不思議に思っていました。本作で紹介されている「葛布(かずらふ)」は、正しくその裃の原料となっている布でした。縦糸は綿ですが、横糸はすべて葛のツタから取り出した葛の繊維なのでした。その糸の製法は、気が遠くなる程の手間暇を掛けなければなりません。そのあらましは以下の通りです。
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藤正巖、古川俊之共著、文藝春秋刊
人口減少によって日本の国や地方が衰亡する、という論がマスコミに流れており、私もそのように理解していました。しかし、必ずしもそうではない、という論を展開している著作です。著者は政策研究大学院大学の教授であった2000年に本著作を執筆しています。(現在の職は分かりません)元々は、医学系の研究員でありながら、実に幅広い視点から、人口減少社会の考察を進めています。例えば、 . . . 本文を読む
1989年のNHKが制作した番組です。
近年、スズメバチの被害が報道され、一説では地球温暖化の影響で増えているのでは、という意見もあるようです。本作が制作された20年程前にも被害が相次いだようです。また、下記URLによれば、鈴江蜂の被害は、野生の熊や毒蛇による被害を遙かに上回っているとのことです。
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林望著、日経プレミアシリーズ
節約について、総論と「食」、「お金の管理」、「交際費」、「衣食と車」、「旅行、趣味」、「教育」、「住まい」、「節約と人生」の具体的な場面毎に説いています。正に「説く」という言葉が相応しい程に、林さんならではの持論が展開されています。
こうした類の書籍は大概ノウハウに徹していますが、林さんは、「何故か?」ということを常に付け加えています。結局「節約」は人生を高める為の手 . . . 本文を読む
トマス・ハリス原作の同名小説の映画です。話の内容から見ると、ハンニバル・レクターシリーズの第一作目ですが、映画では三作目です。相変わらずハンニバル役のアンソニー・ホプキンスの演技が素晴らしいのですが、脇役陣も素晴らしかった。犯人役は無論ですが、その恋人役も素晴らしかった。で、ネットで調べたら、犯人役のレイフ・ファインズは、「シンドラーのリスト」や「イングリッシュ・ペイシェント」で出演していた男優で . . . 本文を読む
灰谷健次郎著、横浜録音図書発行
私は灰谷さんに作品を読んだことがありませんでした。本作は、氏の童話9編を収録したものです。巧みな朗読もありますが、子供の行動や思考がリアルに描かれており、その子供達の言動を通して人の世の姿を浮かび上がらせています。子供の持つ純粋さが様々に現れる様が多面的です。下記URLによれば、氏の経歴は、誠に苦難の連続であったようです。生きて行くことに一々つまずきながら、そして悩 . . . 本文を読む
E.S.ファーガソン著、平凡社刊
一般教養課程で取った授業で製図の基本となる、平面図、側面図、立面図の原理に触れた時、本当にびっくりしました。それらの図を示されて、元の立体図形を思い浮かべる訓練と、逆に立体図形を3つの図に展開する作業で、非常に戸惑いました。多分、入学して間もない頃だったので、まだ緊張感が持続しており、一生懸命取り組んでいたと思います。そして、3つの図と立体図形との間にスムーズな関 . . . 本文を読む
立原正秋著、横浜録音図書刊
「血」の濃さを感じる瞬間があります。それは、習慣や考え方であったりしますが、それらは生育環境が影響しているので、必ずしも「血」に求めることは出来ないかもしれません。しかし、私の血族を見渡すと、気質が非常に似通っていることに気付きます。短気であることなどはその礼です。もしかしたら家風の影響もあるかもしれません。いずれにしても法事などで一族が集う時に感じる一体感は理由が定か . . . 本文を読む
林望著、光文社刊
林さんの著作である「イギリスはおいしい」を読んだのは大分以前です。余り随筆は読まなかったのですが、書誌学という、まったく聞いたことのない学問があることや、林さんの紆余曲折を経た学問への取り組みなど、大変に興味深い著作でした。その後にマスコミに登場し、大変にハンサムな方であることを知りました。下記のURLで見ても本当に美形です。
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高樹のぶ子著、横浜カセット文庫
以前、日本経済新聞を購読していた時に「甘苦上海(がんくうしゃんはい)」が連載されていました。私の苦手な恋愛小説の類なのではないかと思いながら読んでいましたが、途中で新聞購読を止めたので、本当は何なのかは知りません。しかし、ストーリーの視点が独特で読み進むのに少し苦労した記憶があります。
本作品を聞き終えて、著者に非常に興味を持ちました。男女の性愛を微に入り細に入り . . . 本文を読む