伊藤真理著、JTB刊
作者は米国に生まれた帰国子女で、帰国後はかなりのイジメにあったとのことです。大学を卒業後、総合職として就職。4年目に、「日本社会に受け入れてもらおうと必死に生きてきた。だが、本当に自分はどんな生き方をしたいのだろうか。」と思い悩み、退職の後、幼い頃にあこがれた秘境の地の探検に出掛けた。それが中国奥地で、ベトナム、ラオス、ミャンマーの北部に当たる雲南省だったとのことです。彼の地 . . . 本文を読む
茨城県陶芸美術館は、企画展とあわせ、郷土の陶芸作家の作品を、テーマを決めて展示しています。今回は「現代茨城の陶芸家 ひろがるかたち ふくらむかたち」と題して、何点かの作品を展示しています。その中で気に入った4作品を選んでみました。左側二つはオブジェです。最初の作品は内から溢れ出す生命の躍動を感じさせる作品です。二つめは、作為のない形態ながら、器物の断面に緊張感を持つ造詣でした。右の二点は純然たる陶 . . . 本文を読む
ハリー・ポッターシリーズの以下の3本をまとめて見ました。
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●『ハリー・ポッターとアズカバンの囚人』 => 第3作目:2004年6月公開
●『ハリー・ポッターと炎のゴブレット』 => 第4作目:2005年11月公開
●『ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団』 => 第 . . . 本文を読む
佐々木譲著、角川春樹事務所刊
「笑う警察官」と一緒に購入しました。結局3日間で2冊を読み切ってしまったのでした。面白かった。理屈無く楽しめる作品です。職人技と言うべきか。しかし、深さは無いように思います。いわゆる男のロマンがないかな?仕事に生きる男に匂いがして、ちょっとジンときましたが・・・。
エポックメイキングな作品ではありませんが、元気になれる作品です。
評価は4です。
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山本周五郎著、新潮カセットブック
ふとしたことから坂道を転げ落ちるように、恋に狂い身を持ち崩してしまう男女。しかし、最後に女は男の将来のために身を引いて死んで行く。そうとは知らない男は、友人の助力によって立ち直り、やがて持ち前の才を生かして立身して行く。何十年か後、すっかり栄達した男は、女が死ぬ時に残した文箱を見出し、中の遺書を見るが・・・。
最後の最後で、やるせない思いを抱かせる、そして人生の機 . . . 本文を読む
佐々木譲著、角川春樹事務所刊
日本冒険小説協会の大賞を二度受賞しているので、すでにその本は手に入れているのですが、タイトルがちょっと地味なので、まだ読んでいませんでした。しかし、本書は書店で何となく気になっていました。タイトルが「笑う警官」だからです。ちょっと見当たらない題です。おまけに映画館の予告で知ったのですが、映画化されるとのこと。「映画が先か原作が先か」というのはかつて角川書店の映画のCM . . . 本文を読む
山崎豊子作
楽しみにしていた「沈まぬ太陽」を見てきました。3時間22分の上映時間は、途中の10分間の休憩がなくとも見られたと思います。正に力作でした。途中「お涙頂戴」的な場面がたくさんあったにもかかわらず、白けることなく、ストーリーに身をゆだねて鑑賞できました。それは、脚本がしっかりしており、役者が良い演技をしており、何よりも、画面から緊張感が伝わってきたことが理由であると思います。
とにかく、出 . . . 本文を読む
安西篤子著、横浜カセット文庫
結婚してもうけた長男が熱を出し、掛かり付けの医者に往診して貰う。夫が勤めで出仕している留守を守って。物語は、ごく日常の場面から始まります。そして、ある重役が何者かに襲われて斬られ死んだ。刺客は、かつて添い遂げることを願った男であった。
領主の下命により、御前試合で勝った方の妻となった主人公のよねは、望まない結婚をしたことに拘って来たので、刺客となった男を探しに行きます . . . 本文を読む
茂木健一郎著、集英社新書刊
マスコミに露出度の高い茂木さんの著作です。私は、NHKの番組『プロフェッショナル 仕事の流儀』でm茂木さんのコメントなどに、へぇー、という感じでした。変に権威ぶらないフランクな感じを受けたのでした。下記のURLによれば、茂木さんへの同業者からの批判が多いようですが、私は、学者だからといって、発言する内容が正しいとは思っていませんから、そんなに気にする必要な無いと思ってい . . . 本文を読む
学生の時下宿にTさんとう先輩がいました。やせ形で穏やか、マイペースで勉学に励み、素敵な先輩でした。私と正反対のタイプの感じで、単純に尊敬できませんでしたが、立派な人でした。その先輩の部屋で話をしていると、彼が北海道でヒッチハイクでの旅行中、新婚カップルの車に乗せて貰った時の事。北海道の広い大地に霧が掛かっていて、車に流れていた曲が小椋佳さんの曲だったのだそうです。そして、その時にTさんからカセット . . . 本文を読む
茨城県近代美術館の展覧会です。展覧会のタイトルとなっている「目をとじて」は、出品されている作家、オディロン・ルドンの「目を閉じて」と、展覧会の”あいさつ”の中にある
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『私たちの眼は、日ごろ、見えるものにとらわれ過ぎてはいないでしょうか。見えないも . . . 本文を読む
今野敏著、新潮社刊
今野さんの「隠蔽捜査シリーズ」の第3弾です。主人公の竜崎は、その生い立ち故に、理性で律することで自らの人生を切り開いてきました。一作目では、その背景を理解するまでは違和感がありましたが、いじめられた同級生との確執を通して、不器用な人間であればある程、生きて行くために理屈を考え出して生き延びる他に道が無いことが納得できた途端に、作品世界に引き込まれてしまいました。
二作目では、一 . . . 本文を読む
かつて、ギリシア世界が育んだ理性の体系は、その後の西洋文明の雛形として伝えられました。アテネがその主人公でした。ローマ帝国がハンニバルに辛うじて勝利した以上に、ギリシアの都市諸国がペルシアに勝利した戦史に心が揺さぶられました。後のカエサルのカタロニア戦記なども、心躍る読み物でしたが、強大なペルシア帝国に、古代ギリシア都市群が挑んで勝利を得たことに、心が震えるような感動を覚えました。(私は、図書館で . . . 本文を読む
樋口明雄著、角川春樹事務所刊
樋口さんの著作で2冊目に読んだ本です。最初に読んだのは「狼は瞑らない」でした。元SPであった主人公が警察組織内の悪の一味から身を守る話でしたが、主人公や脇役の設定に大変魅力があり引き込まれました。
本作は、正直、設定に無理がある感じがして、前半で読むのを止めようかな、と思いましたが、終盤で巻き返された感じです。主人公二人の心の交流が次第に伝わって来ました。現実世界でも . . . 本文を読む