キヤノン-8期連続の増収増益-
(2008/02/01 朝日新聞・産経新聞)
キヤノンが30日発表した07年12月期連結決算は、売上高が前年比7.8%増の4兆4813億円、当期利益が7.2%増の4883億円で、いずれも過去最高を更新した。デジタルカメラやカラー複写機が好調だった。
8期連続の増収増益を達成した。
デジカメの販売台数は17%増の約2460万台で、カメラ部門の営業利益は14.4%伸びた。カラー複写機は台数・金額とも2桁増。一方、光学機器・その他部門は半導体機器が不調で、営業利益が49.2%減った。
ただ、10~12月期はサブプライム問題の影響で、前年同期比1.2%の営業減益。大沢正宏常務は「想定を超えた状況。ほとんどすべての製品に影響があった」と話す。ただ、4~6月期以降回復すると見ており、08年度は増収増益を見込んでいる。
08年12月期の業績予想は、売上高を4兆7200億円(前年同期比5.3%増)、営業利益は8000億円(同5.7%増)とした。
ソニー-07年Q3はゲーム事業黒字化で過去最高益-
(2008/02/01 朝日新聞・産経新聞・日刊工業新聞)
ソニーが31日発表した07年10~12月期連結決算(米国会計基準)は、売上高が前年同期比9.6%増の2兆8590億円、当期利益が25.2%増の2002億円といずれも過去最高を更新した。懸案のゲーム事業は、プレイステーション3(PS3)のコスト改善効果で2年ぶりに営業黒字化し、129億円の利益を計上。好調なパソコンや、金融子会社の上場に伴う株式売却益も寄与した。
エレクトロニクス事業は減益だが、過去2番目の高水準。液晶テレビは販売が伸びたが、価格下落が進んで減益だった。ゲーム事業は通期では赤字の見込み。PS3は490万台を販売したが、上期の出遅れで年間販売目標を1100万台から950万台に下げた。
株安に伴う金融事業の苦戦に加え、円高の進行を加味し、通期の連結営業利益の見通しを従来の4500億円から4100億円に下方修正。営業利益率5%の目標達成は厳しくなるが、「外部環境の悪化が原因で、不可抗力。営業は良くなっている」(大根田伸行・最高財務責任者)とした。
ソニーは、中期経営計画の最終年度にあたる今期に営業利益率5%の達成を目指していたが、修正後は4.6%となり、達成は極めて難しい状況となった。
主力のエレクトロニクス事業は売上高5兆1618億円(前年同期比13.8%増)、営業利益3575億円(同52.5%増)と堅調。デジタルカメラやパソコンの海外販売が好調。10~12月の3カ月は液晶テレビの価格下落などで前年同期比では減益だが、通期は回復軌道に乗りつつある。液晶テレビはフルハイビジョン機種の品ぞろえ強化で、販売台数が大幅に伸びた。
液晶パネル生産子会社エス・エルシーディー(S-LCD)での第8世代ガラスによる生産開始で大画面サイズの生産性も向上し、10~12月は液晶テレビの営業利益が40億円と3四半期ぶりに黒字化した。ただ、通年では赤字が残る見込み。
ソニー-ゲーム機が黒字転換・PS3は490万台-
(2008/02/01 Itmedia)
ソニーは31日の07年10~12月期(第3四半期)連結決算(米国会計基準)で、ゲーム事業が営業黒字に転換したと発表した。低価格品を投入したプレイステーション3(PS3)が年末商戦で巻き返し、同期中に490万台(前年同期は166万台)販売。PS3の製造コスト削減で、損益が大幅に改善した。
ゲーム事業の売上高は5812億円(前年同期比31.2%増)、営業利益は129億円(前年同期は542億円の損失)。売上高の4分の3をPS3、PSP(プレイステーション・ポータブル)、PS2(プレイステーション2)といったハードや周辺機器が、残りをソフトが占める。
PS3は11月に3万9980円の低価格モデルを発売し、既存モデルも値下げた。「新モデルが好調で売り上げに貢献し、製造コスト削減で営業損益も改善した」と同社の大根田伸行CFOは話す。ソフトは前年同期(530万本)の約4倍・2600万本売り上げた。
PSPは07年9月に発売した新モデルが好調で、同22%増の576万台販売し、四半期ベースの販売台数は過去最高。ソフトは同14%減の1830万本だった。
PS2は「アジアや東欧、中東で前年を上回る勢いで売れている」(大根田CFO)という。ハード販売台数は同20%減の540万台、ソフトは同23%減の6090万本。
PS3は価格に対してコストが上回る逆ざやの状態が続いているが、「今の価格のままでいくとすれば、来期後半のどこかでブレイクイーブンに達し、逆ざやを解消できるだろう」と大根田CFOは言う。
年末商戦は好調だったが「上期の出遅れをカバーできなかった」とし、通期のPS3販売目標は150万台引き下げ、950万台に下方修正した。
PSP、PS2の通期目標は引き上げる。PSPが300万台上乗せして1300万台、PS2が100万台上乗せして1300万台。
ゲーム事業の黒字化は、第3四半期が年末商戦期を含む最大の商戦期だったためという要因もある。大根田CFOは「第4四半期は黒字化は難しいかもしれない」とし、通期の損益はとんとんを見込んでいる。
松下電器-07年Q3は営業利益と純利益が過去最高-
(2008/02/01 日経エレクトロニクス・朝日新聞・日刊工業新聞・産経新聞)
松下電器産業の07年度第3四半期(07年10月~12月)連結決算は,日本ビクターを連結対象から外した影響を除くと,実質的に増収増益となった。具体的には,売上高が対前年同期比4%増の2兆3446億円,営業利益が同21.8%増の1653億円である。純利益は同46.4%増の1151億円と,四半期の決算では過去最高を更新した。国内売上高は同2%減の3兆3261億円。一方,海外売上高は同3%増の3兆5438億円で,海外での収益拡大が顕著になった。売上高営業利益は,7.1%と17年ぶりの高水準。
各セグメントのうち,増益幅が最も大きかったのがAVCネットワーク部門である。売上高は同5%増の1兆2077億円,営業利益は同19%増の843億円となった。北米,欧州,アジアで売上高を伸ばした薄型テレビのほか,「LUMIX DMC-FX33」をヒットさせたデジタルカメラ,国内で「P905i」の品薄状態が続く携帯電話機,カーエレクトロニクスなどの事業が好調だった。ただし,オーディオや光ディスク装置の事業は減収となった。
松下電器は,07年における薄型テレビの販売台数について,PDPテレビが500万台,液晶テレビが400万台との計画を立てていたが,販売台数はPDPテレビが前年同期比約20%増の328万台、液晶テレビが同約30%増の244万台。
このうちPDPテレビは,いわゆる「フルHD」対応機種の投入が遅れた結果,上期(4月~9月)の売上台数は計画よりも50万台ほど下回っていた。今期(10月~12月)は07年9月からフルHDの普及モデルを出荷荷したことで,販売台数は「計画通り」(同社 経理・財務担当 取締役の上野山実氏)に推移。第4四半期では上期の取り落としの挽回を図るが,販売台数は500万台を下回る見込みという。
液晶テレビについては,液晶パネルの調達難が続いた結果,計画通りには出荷数を伸ばせなかったという。下期もパネル不足は解消しない見込みで,同社は液晶テレビの年間販売台数は350万台前後になると予測している。
ただし,薄型テレビ事業の売上高は「計画を上回る9000億円以上を達成できる見通し」(上野山氏)。PDPテレビの需要が50インチ以上にシフトし,単価を押し上げた結果という。
デジタルカメラは,国内外での増販により同27%増の1984億円で好調を持続した。デバイス部門は,電子部品の収益が微増。アプライアンス(電化製品)は,海外で白物家電販売が好調で営業利益は同7%増の631億円となった。
地域別の販売状況をみると,海外はデジタル家電や白物などが好調で,欧州(14%増),中国(17%増)と軒並み2桁の伸び。低迷が懸念された米国でも、新たな販路の拡大などで薄型テレビが15%増、デジタルカメラも16%増え、売上高は前年を2%上回った。
一方,国内では建築基準法改正の影響による建築着工の遅れで,松下電工やパナホームの業績が思ったように伸びず、前年を2%下回った。
富士通-通期の営業益予想を上方修正・PCが好調-
(2008/02/01 Itmedia・日経産業新聞)
富士通は31日、08年3月期の連結営業利益予想を修正し、前回予想から50億円増の2000億円(前期比9.9%増)になる見通しだと発表した。円高で電子部品の採算悪化などを見込む一方、好調なPCなどがカバーした。
予想売上高は前回予想から500億円減の5兆3500億円(前期比4.9%増)。円高の進行による欧州のサービス事業や電子部品などの影響を織り込んだ。営業益は上ぶれしたものの、円高による為替差損から、予想経常益は1600億円(同8.6%増)で据え置く。
予想純利益は前回から250億円減の400億円(同60.9%減)に下方修正した。米AMDと共同出資したフラッシュメモリメーカー米Spansion株式の評価損198億円の特別損失に計上するほか、先端プロセス開発の三重工場への移管に関連し、あきるのテクノロジーセンターの設備移設や廃却で約100億円の費用を見込む。
PCと携帯電話、HDDを含む「ユビキタスプロダクトソリューション」の予想売上高は1兆2100億円に据え置くが、内訳ではHDDの減収分200億円をPC/携帯電話の増収でカバーした形。予想営業利益は500億円。HDDは数十億円の赤字で、黒字分はPC/携帯電話が稼いだ。
ユビキタスプロダクトソリューションは10~12月期、前年同期にWindows Vistaによる買い控えの影響があったPCが伸張。メモリ価格の下落などによるコストダウンも進み、収益を伸ばした。HDDは垂直磁気記録方式の新機種の本格販売が始まり、3四半期ぶりに黒字化した。
10~12月期の連結決算は、売上高が1兆2949億円(前年同期比8.1%増)、営業利益が466億円(前年同期比395億円増)、経常利益が437億円(同395億円増)、純利益は55億円(同43億円増)
当初930万台としていた07年度通期のPCの世界販売計画は900万台に下方修正する。PCは欧州市場の販売不振などから計画を30万台引き下げた。06年度の販売実績は845万台だった。携帯電話は、06年度実績比38%増となる560万台としていた計画を据え置いた。
オムロン-07年Q3増収増益・車載向け電子部品が好調-
(2008/02/01 日経エレクトロニクス)
オムロンは,07年度第3四半期(07年4~12月)の決算を発表した。売上高は対前年同期比9.2%増の5577億9000万円,営業利益は同5.5%増の431億9300万円,純利益は同6.7%増の292億1400万円の増収増益となった。自動車向けのスイッチやリレーなどを手掛けるAEC部門と,電子部品を手掛けるECB部門が2ケタの増収を達成した。
部門別に見ると,主力のIAB(インダストリアルオートメーションビジネス)部門の売上高は,対前年同期比9.3%増の2429億4800万円。営業利益は同7.0%増の376億7700万円だった。国内の売上高は前年同期と同水準だったものの,海外の売上高は前年同期から約16%伸びた。国内では,半導体および電子部品に関わる顧客の成長の減速や,フラットパネル・ディスプレイ市場の設備投資の減少などが影響した。海外では,欧州でプログラマブル・コントローラやモーション・コントローラ,画像センサ,北米で石油やガス関連事業向けの制御関連機器が好調に推移し,売上高を押し上げたという。
AEC(オートモーティブエレクトロニックコンポーネンツビジネス)部門の売上高は,対前年同期比19.7%増の805億4300万円だった。営業損益は前年同期の赤字から回復して10億300万円の黒字を計上した。
中国やインド,東欧などにおける自動車の生産拡大が追い風となった。中国では,顧客メーカーが中国に生産拠点を移したことによって,売り上げが大きく伸びた。北米では無線制御機器やパワー・ウィンドウ・スイッチなどが売り上げを伸ばしたという。
ECB(エレクトロニクスコンポーネンツビジネス)部門は,売上高が対前年同期比16.4%増の1177億6400万円,営業利益が同1.2%減の97億5200万円だった。主力商品の基板用リレーなどは横ばいにとどまったが,携帯機器やIT向けの電子部品が伸びた。加えて,06年8月に連結対象となった「オムロンプレシジョンテクノロジー」のバックライト事業の売上高や,07年4月から操業を開始した「オムロンセミコンダクターズ」による売上高も増収に貢献した。
オムロンは,07年度通期(07年4月~08年3月)の業績予想を下方修正した。売上高を前回発表より100億円引き下げて7750億円に,営業利益を60億円引き下げて650億円に,純利益を40億円引き下げて420億円に変更した。修正の理由は,半導体や液晶パネルを手掛ける企業などの設備投資に向けた需要が下振れしたためとする。
同社は同日,100%子会社であるオムロンセミコンダクターズを吸収合併すると発表した。08年7月1日付けで,オムロンセミコンダクターズを吸収する。オムロンのアプリケーション技術や部品開発力と,オムロンセミコンダクターズのCMOS技術と組み合わせることによって,半導体事業の強化を図る。今回の吸収合併によって,半導体の生産拠点である水口工場や半導体事業部門の開発・販売・企画の機能の統合を進めるとする。
横河電機-07年Q3増収減益・半導体検査装置が低調-
(2008/02/01 日刊工業新聞)
横河電機の07年度第3四半期(4~12月)は増収減益。売上高2924億円(前年同期比7.7%増)、経常利益51億円(同64.8%減)、当期利益19億円(同64.0%減)。主力のプラント向け生産制御機器などが好調で、制御事業の売上高は2166億円(同14.8%増)だった。
半導体検査装置が低調に推移し、計測機器事業の売上高は453億円(同14.9%減)。営業損失は36億円と、前年同期の営業利益2億円から赤字に転落した。
08年3月期は売上高4500億円(前年度比3.8%増)、経常利益240億円(同19.0%減)、当期利益120億円(同4.5%減)を予想。
新潟精密-民事再生法の適用を申請-
(2008/02/01 日経)
半導体開発の新潟精密(東京都港区)は東京地裁に31日に民事再生法の適用を申請し、保全命令を受けた。負債額は07年3月末時点で162億円。リコーや日本IBMと組むなど独自の半導体部品の開発に手を広げたが、開発費が膨らみ資金繰りに行き詰まった。
開発を担う東京本部を切り離し、電子部品の実装を受託する三和工場(新潟県上越市)に絞って事業を続けたい考え。
新潟精密の社員は約500人。営業や開発部門を置く東京本部に100人、液晶用モジュールの生産やベアチップ実装など大手企業の一部工程を請け負う三和工場で400人が働く。東京の開発部門は売却し、三和工場は雇用を維持して事業を続ける。工場部門は経常黒字を確保しているという。
新潟精密は三和工場での受託事業を基盤に、新規の半導体部品の開発に取り組んできた。リコーと組んで小型のラジオ受信半導体の開発に乗り出したり、日本IBMと薄型の複合電子部品の量産を手がけたりした。
たばこ自販機用ICカード「taspo」-2月1日から申し込み開始-
(2008/02/01 Itmedia・読売新聞)
自動販売機でたばこを買うときに必要となる成人識別ICカード「taspo(タスポ)」の申し込みが、2月1日に全国で始まる。タスポは未成年者の喫煙防止のため、業界団体の日本たばこ協会などが3月から全国に順次導入。7月1日以降は自販機の読み取り部分にtaspoをかざさなければ、購入できなくなる。
taspoを利用するにはたばこ店の店頭などに置かれた申込書に必要事項を記入し、身分証明書など本人確認ができる書類のコピーと顔写真を添えて日本たばこ協会に郵送すれば、約2週間後に顔写真入りのカードが手元に届く。呼び名は「たばこのパスポート」の意味を込めた造語。
発行手数料、年会費は無料で、電子マネー機能も備える。taspo対応の自販機で2万円を上限に1000円単位でチャージ(入金)して購入時に使う。紛失などの場合は手数料1000円を払えば再発行できる。
日本たばこ協会は「たばこを買った未成年者の7割以上は自販機を利用」と説明し、taspo導入による“抑止力”は高いとみている。全国で約2700万人とされる喫煙者の7割以上の利用を見込む。
ただ、カードの貸し借りや未成年者が親のカードを不正に使うなどの“抜け穴”も指摘されている。業界ではカードの不正流通などを防ぐため、ネットオークション大手のヤフーや楽天など各社との間でtaspoの出品を禁じる協約などもすでに結び、「あらゆる対策に先手を打ちたい」(日本たばこ産業)としている。
識別機能付き自販機の導入も急ピッチで進めている。昨年末時点で全国約52万台のたばこ自販機の導入率は67%。7月までに100%を目指す。地方の零細な小売店などでは1台約7万円する既設自販機の改造費負担が重いことなどから導入も遅れており、すでに同協会などが費用の助成などを後押ししている。
業界を所管する財務省も7月1日以降は識別装置のない自販機の設置を認めず、違反者には営業停止や販売許可取り消しなどの行政処分を科し、厳しく対応する構え。
taspoの導入で「カードを持つのが面倒な愛煙家が店頭に流れてくるのではないか」(コンビニエンスストア業界)との見方もあり、購入時にはレジでの年齢確認などの徹底も課題となりそう。
また、小売店からは「“たばこ離れ”に拍車がかかるのでは」との懸念も根強い。このため、一部の自販機メーカーでは内蔵のカメラに顔を向けると、カードを使わずに目、口の大きさや配置、骨格の情報などから成人・未成年を識別する「顔認証たばこ自販機」を普及させる独自の動きもあり、メーカーによって成人識別の規格が乱立する可能性もでている。