米Apple-iPhoneの新商品「iPhone 3G S」を発表-
(2009/06/10 日経)
米Appleの開発者向けイベント「WWDC 2009」が米国時間6月8日、米サンフランシスコで開幕した。冒頭の基調講演ではノートPCと携帯電話「iPhone 3G」の新製品、新しいOS「OS X Snow leopard」を中心に発表した。
注目の新製品「iPhone 3G S」は基調講演の最後に発表された。開発担当者によれば、Sは「スピード」を意味しているという。
デザインは従来モデルと変わらないが、受信速度を7.2Mbpsに高めたHSDPAの高速通信に対応し、処理速度も高めたという。カメラは画素数を300万(3メガ)ピクセルに引き上げてオートフォーカスや動画撮影機能を追加した。音声で各種機能を動かす「ボイスコントロール」や電子コンパス機能を装備するなど、操作性も向上させている。
iPhone 3G Sの発売日は米国が6月19日、日本は6月26日を予定している。米国では「多くの顧客を獲得したい」(シラー副社長)として、既存の8GBモデルを199ドルから99ドルに値下げする。
日本では「すでにキャンペーンで8GBを実質0円で提供しており、米国よりも先を行っている」(宮内謙ソフトバンクモバイル副社長)としており、同様の値下げは行わないもようだ。キャンペーン期間は9月末までに延長されており、新製品と既存製品の価格などの詳細は後日に発表になる見込み。
iPhoneでは新しいソフトウエアバージョンとなる「3.0」の詳細も発表した。これまで非対応だったコピー・アンド・ペーストを使えるようにしたほか、本体を横向きにすると大きなキーボードを表示するなど操作性を改善。さらにiPhoneをモデムとしてインターネットに接続する「テザリング」機能、画像や音声を含むメールを送受信するマルチメディア・メッセージング(MMS)機能などにも対応させた。
これらの新機能のうち、MMSは日本でも利用可能となるが、「テザリング機能は非対応となる」(ソフトバンクモバイル広報部)という。米AT&Tもテザリングは採用せず、世界でもネットワークに余裕のあるキャリアでの利用に限られる見通し。既存のiPhoneユーザーに対するソフトウエアアップデートは米国時間6月17日からで、「日本では18日になる見込み」(Apple広報)という。
ノートPCの「MacBook Pro」は、従来よりもバッテリーを最大40%長寿命化し、処理速度も向上させた。これまで非対応だったSDカードスロットを搭載し、価格は引き下げた。出荷は6月8日からで、日本での価格は13インチモデルが13万4800円から、15インチモデルが18万8900円からとなる。
「MacBook」シリーズは従来、本体カラーがホワイトでポリカーボネート製のものと、シルバーのアルミボディー製の2種類があった。今回、スペックが向上したアルミボディー製モデルはMacBook Proのラインアップに格上げしており、MacBookはホワイトのみとなる。
新OSとなるOS X Snow leopardは、画像やサイトのプレビュー機能を高速化するなど、利便性を向上。さらに、Microsoftのサーバー向けソフト「エクスチェンジ」にも対応させ、専用ソフトをインストールすることなく企業内のシステムにアクセスできるようにした。
米国での価格は新規購入が129ドル、既存のleopardユーザーは29ドルで追加購入できる。発売は9月を予定している。日本でも同様の価格になると見られるが、詳細は後日発表するという。またiPhone 3G Sは数週間以内に、日米を含め80カ国以上で販売を始める。
日本で販売するソフトバンクモバイルは9日、「iPhone 3G S」の価格を発表した。9月30日までのキャンペーン期間中に2年継続の契約をした場合、24回の分割払いでの実質負担額は16GBモデルが月480円、32GBモデルが月960円となる。
UQコミュニケーションズ-「UQ WiMAX」を7月1日に正式スタート-
(2009/06/09 BCN・朝日新聞)
UQコミュニケーションズは8日、次世代の高速無線データ通信技術「WiMAX(IEEE 802.16e)」によるブロードバンド通信サービス「UQ WiMAX」の有料サービスを、首都圏、京阪神、名古屋の各地域で7月1日に開始すると発表した。
「WiMAX」とは、下り最大40Mbps、上り最大10Mbpsの高速通信が可能な無線データ通信技術。同社は2月26日から「WiMAX」によるブロードバンド通信サービス「UQ WiMAX」を、東京23区と横浜市、川崎市で開始。6月末まで「お試し期間」として基本使用料、登録料とも無料で提供してきたが、今回、対応エリアを首都圏、京阪神、名古屋の各地域に広げ、有料サービスを開始する。
2月に首都圏限定でスタートした試験サービスは、8000人が利用中。首都圏のカバーエリアは「山手線内はほぼカバーしたが、多摩地域や埼玉、千葉県に穴がある」(田中孝司社長)状況という。
7月1日からの本サービスでは、中部・関西地域に対応。中部は名古屋市内をほぼカバーしたが、関西は「難航しており、穴が多い」状態で、当初の計画より遅れているという。「今年度上半期には関西エリアもほぼカバーできるのでは」(田中孝社長)と述べた。
基本サービスは、「完全定額プラン」で月額4480円。6月8日から同社HPで申し込みを受け付ける。また、必要な時だけ利用したいユーザー向けに、1日(24時間)単位でサービスを利用できる料金プラン「UQ 1 Day」の提供を10月1日に開始する。利用料は1日600円。
さらに、サービスエリアや通信スピードを確認してもらうため、「UQ WiMAX」対応のデータ通信カードを15日間貸し出し、同サービスを無料で体験できる「Try WiMAX」も同時に開始。申し込みは同社HPで7月1日から受け付ける。
サービス開始時のMVNO(仮想移動体通信事業者)は、UQコミュニケーションズ、ニフティ、NECビッグローブ、KDDI、ヤマダ電機、ビックカメラ、ダイワボウ情報システムの7社。
発表会で田中孝司社長は、「『WiMAX』の第一の訴求ポイントはスピード。また、今までブロードバンドは家の中でしか使えなかったが、『WiMAX』を利用することによって、外出時のユーザーのライフスタイルがより自由になる」と、WiMAXの利点をアピールした。
パソコンやPC周辺機器メーカー各社-WiMAX対応商品を相次ぎ発売へ-
(2009/06/10 日刊工業新聞)
パソコンやPC周辺機器メーカー各社が高速無線通信「WiMAX」方式に対応した新製品を発表した。東芝、パナソニック、オンキヨーの3社はUQコミュニケーションズのサービス「UQ WiMAX」に接続可能なモジュールを内蔵したノートPCを7月から発売する。高速無線接続の利便性を生かし、商品単体以外のサービスに各社の戦略が盛り込まれそうだ。
東芝は8日、高速データ通信サービス「WiMAX」に対応したモジュールを内蔵するモバイルノートPC「dynabook SS RX2/WAJ」を7月下旬に発売すると発表した。同社の直販サイト「東芝ダイレクトPC」で取り扱い価格は43万8000円。今後は「法人向けも含めて展開する」(下光秀二郎執行役員上席常務)として対応機種を増やす。
パナソニックは8日、モバイルノートPC「Let'snote F8」で高速データ通信サービス「WiMAX」対応モジュールを内蔵した「CF-F8GYYAJP」を7月30日に発売すると発表した。同社直販サイト「マイレッツ倶楽部」で取り扱い、価格は27万4450円から。自社開発の高感度アンテナを内蔵。
オンキヨーは8日、「SOTEC」ブランドのミニノートPC「SOTEC C204 シリーズ」の新モデルとして、高速データ通信サービス「WiMAX」に対応した「SOTEC C204A5」と、オフィスソフト搭載の「同 C204A5B」を7月中に発売すると発表した。価格はオープン。
まだ正式発表していない企業も、WiMAX対応製品を予定している。
ソニーは8日、高速無線データ通信「WiMAX」対応のモジュールを内蔵したノートPC「VAIO type Z」「VAIO type P」を開発中であると発表した。製品の発売時期や仕様、価格などは、現時点では未定。近日中の商品化・発売を目指しており、詳細は後日VAIOホームページにてアナウンスする予定だという。
NECは、高機能パソコンを遠隔から利用するための専用端末で対応を計画している。
クラリオンは、簡易型カーナビゲーション(PND)の対応開発を進めており、日立製作所と共同で車載情報端末システムを展開する。
OKIネットワークスは、WiMAXに接続するゲートウェイ装置を仮想移動体サービス事業者(MVNO)向けに7月1日に提供する。
「WiMAX」は、下り最大40Mbps、上り最大10Mbpsの高速通信が可能な無線データ通信技術。現在、UQコミュニケーションズによる無料サービスが試験提供中で、7月1日から有料サービスもスタートする。
イー・モバイル-受信速度3倍の「HSPA+」規格を8月上旬サービス開始-
(2009/06/08 BCN・朝日新聞)
イー・モバイルは8日、3.5世代携帯電話サービスとして最速の「HSPA+」規格を国内で初めて導入し、受信速度が現行(7.2Mbps)の3倍となる最大21Mbpsまで高速化できるデータ通信サービスを8月上旬に提供開始すると発表した。提供エリア、対応端末については別途発表する予定。
「HSPA+」は、「High Speed Packet Access Plus」の略で、HSPAをさらに拡張した通信規格。規格上の理論値では、下り(受信)最大21.6Mbps、上り(送信)最大11.5Mbpsの通信速度を実現するという。
また、同社では今回の高速データ通信サービス開始にともない、新料金プランを発表。1年間の継続利用を条件に基本使用料を割引するサービスで、従来の「年とく割」よりもさらに安い「年とく割2」を導入する。
月額基本使用料が580円からの「スーパーライトデータプラン21」、月額料金5580円の完全定額制「データプラン21」の2種類を用意する。
そのほか、従来1000円からだった電話サービス「データ定額オプション」を、09年7月以降月額580円からに値下げすることも発表。既存の契約者については自動的に適用される。
電子マネー「Edy」-10月からセブン-イレブンでも利用可能に-
(2009/06/10 朝日新聞)
電子マネーで発行数が国内最多のEdyが、10月からコンビニエンスストア最大手セブン-イレブンの全店で使えるようになる。Edy、鉄道系、流通系の3つどもえの競争が激化しているが、2陣営が組むことで勢力図に影響を与えそうだ。Edyを運営するビットワレットとセブン-イレブン・ジャパンが9日発表した。
セブン-イレブンの5月末の国内店舗数は1万2323店で、現在は独自の電子マネーnanaco(累計発行数約777万枚、加盟店舗数約2万3000店)を展開している。一方、Edyの累計発行数は約4840万枚(このうち、おサイフケータイは約930万台)で、約13万2000カ所で利用可能。10月からは、セブン-イレブンでもEdyによる支払いとチャージ(入金)ができる。
セブン-イレブンは「電子マネーの利用率を高め、業務の効率化を図る」と狙いを説明。利用者にとっても、陣営の垣根を越えたEdy導入で利便性が大きく向上する。
首都圏や近畿では、乗車券と一体化したSuica、ICOCAなど鉄道系の電子マネーが利便性を武器に急成長し、Edyを脅かしている。WAONを運営するイオンは提携に積極的で、今秋からはコンビニのファミリーマートでWAONを使えるようにする。
任天堂-シャープ子会社とニンテンドーDS利用の授業システムを開発 -
(2009/06/10 日経)
任天堂は9日、同社の携帯ゲーム機「ニンテンドーDS」を使って学校の教室で授業ができるシステムを、シャープ子会社のシャープシステムプロダクト(千葉市)と共同で開発したと発表した。生徒に配布したDSと教師のパソコンを教室内で無線接続し、授業に活用する。2010年度に小・中・高等学校への導入を目指す。
教師がパソコンから問題を出し、生徒がDSで解答する。解答の集計や採点が即座にでき、教師の手間が省けるという。インターネットなどに接続する必要はなく、通常の教室内で利用できる。教材はシャープシステムプロダクトが販売するほか、独自の教材を教師が作成することもできる。直感的に操作できる教材により、生徒の学習意欲が高まると同社は期待する。
教師用パソコン、生徒用DS、無線通信機器をセットにして売り出す。価格や販売目標数などは未定という。
早大や三井造船など-急速充電のリン酸鉄リチウムイオン電池を実験-
(2009/06/09 日刊工業新聞)
早稲田大学の紙屋雄史教授は三井造船などと共同で、リン酸鉄リチウムイオン電池を使った小型電気自動車(EV)「WEV-0 Advanced」の製作を始めた。5分間の走行に必要な充電を50秒で行える非接触型の急速充電が特徴。電池容量を最小限に抑えて、燃費向上と製造費低減を目指した。年内にも完成する。
完成後、頻繁に充電するショートレンジ型EVシステムの実用化に向け、実証実験に入る。
搭載する電池は電圧51.2ボルト、容量30アンぺア時。ガソリン車のタンク容量にあたる総電力量は1.5キロワット時。正極材にリン酸鉄を採用しており、ニッケル、コバルト、マンガンなどに比較してコストが低く、発火安全性が高い。急速の充放電が可能で、早稲田大学が開発したマンガン系リチウムイオン電池搭載EVの約6分の1の時間で充電できる。充電には電磁誘導式の非接触型急速充電器を使用する。道路に埋め込んだ送電ポイントの上に停車したまま、運転席から充電操作できる。決まったルートを走行する電動マイクロバスや、構内運搬用車両などのショートレンジ型の需要を見込む。
リチウムイオン電池の正極材に使用するリン酸鉄は、三井造船が開発。セル製造をエレクセル(京都市南区)が手がけ、電池モジュール製造は電源設計(大阪市西区)が担当する。非接触型の急速充電器と送電器を昭和飛行機工業が製造する。車体はスズキ製の2人乗り用軽自動車を使用する。
川崎重工業-10秒で充電できる大型車両向けニッケル水素電池-
(2009/06/10 日経)
川崎重工業は独立行政法人・産業技術総合研究所と共同で、充電時間が10秒以内で済むニッケル水素蓄電池を開発した。極細の炭素繊維を特殊処理した電極を使うなど従来と構造を一新、充電時間は従来の60分の1だという。電車やバスなど大型の車両向けに、5年後の実用化を目指す。
ニッケル水素電池は現在ハイブリッド乗用車にも搭載されているが、小型でもより出力の高いリチウムイオン電池への移行が進むと見られている。ただスペースに余裕がある大型車両の場合、安価で、不燃性の材料からなるニッケル水素電池をそのまま高性能化させていく方が需要が見込めると川崎重工業は見ている。
新開発の電池は、直径10マイクロメートルの炭素繊維の表面にニッケル化合物でメッキ、多数束ねたものを電極に採用。充電時の膨張にも耐えられるようになり、急速充電を1000回繰り返しても性能はほとんど落ちないという。
従来は充電速度を上げ過ぎると電極に使っている板状の薄膜状のニッケル化合物が膨張・収縮してはがれるなど劣化。蓄電容量や寿命が低下するため、充電に時間をかける必要があった。
川崎重工業は05年に、約10分で充電可能なニッケル水素電池「ギガセル」を開発。試作車両も製作し、架線の無い電車などへの採用を国内の自治体や海外に働きかけている。今後は新電池の提案も強化。
駅に停止する際に充電して長距離を移動できる架線不要の電車やバス、充電のための中断時間がほぼ不要となるフォークリフトなどへの応用を目指す。
シャープ-04年発売の「AVセンターPC」のディスプレイに発煙の恐れ-
(2009/06/10 Itmedia)
シャープはこのほど、04年11~12月に発売した「AVセンターパソコン」のディスプレイと、「液晶IT-TV」の一部製品で発煙する恐れがあると発表した。対象機種は、無償で点検・修理する。
対象製品は「PC-TX26G」「PC-TX26GS」「IT-26M1」「IL-26M1」。電源部のフィルムコンデンサの部品不良で内部から発煙する恐れがあるという。出火や発火にはいたらないが、発煙で異臭が発生する可能性があるとしている。