液晶テレビの新製品-「LED TV」が今後拡大へ-
(2009/07/18 日経エレクトロニクス)
09年の液晶テレビの新製品(4月発売分まで)では,「240Hz駆動」,「LED TV」(LED光源のバックライト・ユニットを搭載し液晶テレビ),「インターネットTV」,「ワイヤレス」などが,新たなマーケティング・ポイントとして浮上した。
このうち最も活発なのはLED TV。トップ・メーカーの韓国Samsung Electronicsは,従来の液晶テレビとは別に,LED TV担当の事業部を新設し,強力なマーケティング活動を展開している。こうしたSamsungのマーケティング戦略は,一般消費者に対し,「LED TVは従来の製品とは異なる新たなテレビ」として認識させ,プレミアム・イメージを確立することに成功しつつある。
LED TVの歴史を振り返ると,04年にソニーが世界で初めて40型と46型の製品を発売した。これに続いて,06年にSamsungが40型を製品化した。同社は07年に40型,46型,52型,57型,70型の5サイズを発売している。さらに08年には韓国LG Electronicsが47型を発売した。
ソニーとSamsungは,LED TVのラインアップを継続的に強化し,積極的にこの市場を開拓してきた。08年下期からはLG ElectronicsもLED TVに参入し,さらにシャープ,パナソニック,日立製作所,オランダRoyalPhilips Electronicsなどの大手テレビ・メーカーも09年にラインアップを整えると見られている。また,特定地域で強みを発揮している一部のブランドも普及価格帯でのLED TVの投入を計画している。例えば,米Vizioは先日,LED TVの発売を発表した。
LED TVは,親環境的な面に加えて,初期にはソニーが高色再現性をうたっていた。同社はそのために,RGBの3色のLEDを光源に使う方式を採用した。しかし,高価だったこともあり,好感触をつかむことができなかった。05~06年には,ソニー以外のテレビメーカーも含めて,信頼性の確保とコスト競争力の向上に向けた多様なソリューションの開発に力を入れるようになった。
こうした開発の結果,Samsungは07年に,コントラストが高く,価格競争力にも優れる白色LED方式のLEDTVを市場投入した。これがきっかけとなり,多くのテレビ・メーカーがLED TV市場への参入を本格的に検討するようになった。
こうした流れを見ると,09年には大半のテレビ・ブランドがLED TVをラインアップする可能性が高い。特に,08年に急進したテレビの薄型化のトレンドが,LED TV市場の成長を大きくけん引するだろう。こうしたことから,09年はLED TVにとってエポック・メーキングな年になると思われる。
Displaybankは,世界のLED TV市場は09年に300万台を超えると予測している。その後,2012年には約5000万台まで拡大し,液晶テレビの市場全体の26%を占めようになるとみている。
LED TVに搭載されるバックライト・ユニットを,直下型とエッジ型に分けてみた。直下型はLED TVの登場初期から08年まで広く採用されていた。しかし,09年からはLED TVに最も積極的なSamsungを筆頭に,薄型化とコスト低減,低消費電力の点からエッジ型が多くを占めつつある。
09年のエッジ型のシェアは,Samsungを中心に全市場の55%を占める見通しである。今後は,大型から中小型まで幅広く採用が進むことにより,2012年には77%まで拡大し,ほぼデファクトの地位を固めるとみている。
一方,直下型は,ローカル・ディミングが可能など画質面で優れることから,主に「大型サイズでの高画質LED TV」という位置付けで,差異化を狙う方向に進むだろう。
三菱電機-2ステップで録再操作OKの簡単BDレコーダー-
(2009/07/22 CNET)
三菱電機は21日、Blu-ray Disc(BD)レコーダー「REAL ブルーレイ」の新機種として「DVR-BZ130」を発表した。「録画予約」「再生」など使用頻度の高い機能の操作性を考慮し、新リモコンを採用した。発売は8月1日から。価格はオープンだが、店頭想定価格は12万円前後となる。
リビング・デジタルメディア事業本部家電事業部長の田代正登氏は「地上デジタル放送への移行やエコポイント制度などにより、デジタルAV機器市場の需要は加速している。BDレコーダーも、今後かなりの台数が伸びてくるだろう。こうした需要増を背景に、初心者や高齢者でも使えるユニ&エコな商品を投入する」と開発背景を話した。
DVR-BZ130は320GバイトのHDDとBDレコーダーを内蔵したハイブリッドレコーダー。地上、BS、110度CSデジタルチューナーを2系統備え、HDDへのフルハイビジョン映像5.5倍長時間録画やDVDへのフルハイビジョン記録に対応する。
最大の特徴となる新型リモコンは「予約する」「見る」という2つの操作をしやすいよう、大型のボタンを配置。それら機能に関連した操作ボタンを隣接配置するなど、ステップ数を少なくしたことが特徴。再生、録画予約ともに2ステップで操作が完了するという。
また、予約録画した番組の番組部分、もしくはCM部分のみを自動で再生できる「オートカットi」や、スポーツや音楽番組の見所だけを自動で再生できる「見どころ再生」機能など、独自の再生機能を継承している。さらに新機能として、番組部分とCM部分の切り替わりなどのシーンを7画面まで表示する「シーン検索」を初搭載。見たいシーンを画像から探すことができる。
本体にはSDカードスロットとUSB端子を搭載。デジタルカメラ画像やAVCHD方式のビデオカメラなどを接続して視聴することも可能。
オンキヨー-米国で販売するホームシアター機器に遠隔操作機能を搭載-
(2009/07/20 日経産業新聞)
オンキヨーは米国で発売するホームシアター機器に、インターネットを通じた遠隔操作機能を搭載する。09年後半に発売する新機種から順次組み込む。販売店や施工業者がユーザーに代わって、機器の設定変更や故障の診断などをできるようにする。米国では機器の設定を業者任せにするニーズが強く、新機能で利便性を高めて販売拡大を目指す。
ホームシアター用に展開している上級ブランド「インテグラ」の製品群に搭載する。AVレシーバーなどの製品にインターネットと接続する端子を取り付け、遠隔地にあるパソコンから音量や音質などの設定を変更できるようにする。業務用音響機器には同様の機能が搭載されているが、家庭用では珍しいという。
ウィルコムとフェイス-次世代高速無線の地域情報配信サービスを開発-
(2009/07/22 日経)
ウィルコムと携帯電話向け音楽配信などを手掛けるフェイスは21日、次世代高速無線「XGP」を搭載した家庭用情報端末と地域情報配信サービスの共同開発を始めたと発表した。自治体がウィルコムの通信網を使って情報を発信し、フェイスが開発する端末で受信して家庭用テレビに映し出す。まず沖縄県金武(きん)町で2010年度末にも試験導入したいとしている。
端末は小型のビデオデッキのような形で、テレビのそばに据え置いて使うことを想定している。リモコンで操作でき、インターネット回線を整備していない家庭でも利用できるため、高齢者などネットに慣れていない人にも使いやすいという。
防災情報や医療情報などを配信するほか、市民講座への申し込みなど利用者がアクセスする体制も整える予定。災害情報など重要なものは、XGPの基地局に備え付けてあるスピーカーからも直接流し、端末を持っていない人にも届くようにするという。
日立製作所-指かざすだけで購入できる飲料自販機 -
(2009/07/22 日経)
日立製作所は21日、指をかざすだけで飲料を購入できる静脈認証型の自動販売機を開発したと発表した。指の静脈の形状を読み取り本人確認する日立の技術を活用し、登録したクレジットカードから代金を引き落とす。日立社内で今年度内にも実験を始め、事業化を検討する。
開発には日本コカ・コーラグループと富士電機リテイルシステムズ、内田洋行の3社が協力した。実験機は東京都内で23日まで開く技術発表会で展示する。
実験機にはデジタルサイネージ(電子看板)も搭載。認証技術で飲料購入者を特定できるため、社内手続きの案内を電子看板で流したり、購入者の年齢に合わせた広告を表示したりできる。個人情報を登録しておく必要があるため、当面はオフィス内での設置を想定している。
三洋電機-変換効率最高の太陽電池を年内発売へ-
(2009/07/22 産経新聞)
三洋電機は21日、太陽光エネルギーを電力に変換する効率が20%を超える国内最高率の太陽電池を、年内に発売することを明らかにした。高性能を売り物に販売拡大を目指す。
ソーラー事業部長の前田哲宏執行役員は「新たな量産技術を導入した4月に続き、秋には別の新技術を入れることで20%の突破が見えた」と話した。
太陽電池パネルは、基幹部品のセルを組み合わせて作る。今回20%を超えるのは、セルの変換効率。
三洋の太陽電池は独自構造を採用しており、既に、現時点で国内最高の変換効率19.7%の製品を手掛けている。
高効率の太陽電池では、米国企業が約21%の製品を販売。三洋は5月に、研究レベルで世界最高の23.0%達成を発表した。ただ、前田執行役員は「量産には4、5年かかる」と説明している。
韓国LG電子-日本向けドラム式洗濯乾燥機で出火3件・無償交換へ-
(2009/07/22 毎日新聞)
経済産業省は21日、韓国の大手電機メーカー「LG電子」(現LGエレクトロニクス・ジャパン)製のドラム式洗濯乾燥機から出火する事故が3件起きたと発表した。
東京と千葉、宮城の1都2県で、製品の一部が焼けたり、住居の壁や天井が焼損した。けが人は出ていないという。安全対策を済ませた製品と無償交換する。
対象製品の型名は「WD-E52SP」と「WD-E52WP」。韓国LGエレクトロニクス(旧LG電子)が日本国内専用モデルとして08年1月~09年2月に製造、計4601台を販売した。
経済産業省によると、火災は2~6月、東京都や千葉、宮城両県で起きた。いずれも、製品内部の電源コードと、電子基板をつなぐ部分に接続不良があったとみられる。