サジッタ&清史郎の部屋

相棒3頭と暮らす馬日記

今夜は・・・無題

2006-01-28 21:00:08 | 庄原TRF
庄原TRFには今現在3頭の馬が居ますが、それぞれ個性があります。個性以外に感じるのは、馬の持っているポテンシャルというか、パワーの違いです。

昨年感じたのですが、サクセスは人間ではどうしようもないパワーっを持っており、自ずから馬と折り合いを付ける乗り方が身につきました。

ファリスは流石に豪州馬。性格がサクセスと違い、立ち上がって人間の反抗を封じるようなことはありませんが、本気になった時は人間の力では適いません。

清史郎は力強く、パワーもありますがそこは国産のアラブ馬。力を持て余すとまでは感じたことがありません。そこそこ人と折り合って、そこそこの運動です。

清兎は、小柄な馬で明らかにパワー不足です。
反抗が現れたとき、強引に組み伏せることが唯一できる馬で、今日もコテンパンにやっつけて運動を終えた感があります。
しかし、人間が馬に勝って得られるものは多くはないです。弱いもの虐めをして満足している人間は器が知れているように、後味の悪さが残ります。

何故後味が悪いかというと、真面目に乗っていなかったから。多くは体力面なのですが、半月近く放牧的な管理をしていて、偶に乗った時に反抗的だとやっつける乗り方だから。毎日少しずつ乗ってやって、穏やかに手の内に入れていれば馬もおだやかに反応する。

人間の技術が向上すれば、踏歩変換はある意味楽な作業になります。自然界でも馬は勝手に踏歩変換しているのですから、タイミングさえ合えば馬は行なう。4年前ですが、筑波RPのT先生のご指導を頂いたとき、当時ド新馬だった清悠に乗って3歩毎の踏歩変換をされたのには度肝を抜かれましたが、今は何となく理解できる部分があります。

新馬に乗って猛烈な扶助で馬を屈服させる意義は、馬との主従関係構築にあります。そこまでやると馬は騎手を尊重します。主人と認めたら悪さはしないし、猫のように温和しくなります。当然、蹴る、噛むは無くなり厩舎管理は楽になります。

私は自分の厩舎の馬を完全にコントロールできている自負があるし、清兎で今日初めて4歩毎の真似事が出来たことには大きな満足を覚えます。
しかし、それ以上に馬を虐げたことが楽しくない。
満足だけど・・・、楽しくない。『4歩毎・・・フフォ~!!』の気持ちになれないです。馬を力で組み敷いたことが実感でき、馬との調和で為しえた成果で無いから。


こんな気持ちは馬歴30年で初めて。


馬はベスト・フレンドではちょっと困る。でもベスト・パートナーでありたい。
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敵を欺くにはまず味方から・・・ではないが

2006-01-28 13:24:17 | コーチとして
踏歩変換が簡単な馬にありがちなことですが、斜め手前変換~収縮~踏歩変換を行なう場合、馬が先回りして踏歩変換してしまうことがあります。

ファリスのように興奮性の高い馬は、斜線の終点まで駈歩の手前が維持できず、蹄跡の手前数mで踏歩変換されてしまい易い。
やはり人間も、『蹄跡で踏歩変換しなければ・・・』と思うから無意識に緊張し、その緊張は坐骨を通して馬に伝わる、です。

では、斜線ではなく長蹄跡を駈歩行進している場合は如何でしょうか? 中にはバランスの繊細な馬が居て騎手の重心の狂いをたちどころに反映させる馬も居ますが、たいていの馬は正駈歩を維持します。

じゃあ、何で斜め手前は維持できないのかな~。ま、それが上記のような理由でしょう。

今日の運動での事ですが、私も見事に斜線の後半で踏歩変換された。これは美子と同じレベル。
で、私が考えたことは、斜線の終点で踏歩変換せずに右回転して蹄跡の外へ出るを行い、斜線をあたかも長蹄跡のように積極的に錯覚する、を行ないました。これは何故か効果があり、馬も人間の意志に入ってくる。

右手前駈歩は何度かこの手法を使って、自分と馬を騙して、最終的に左へ馬を持ち出して踏歩変換。この感覚で左手前は、初めから一発で実行です。

技術がないと正しいことが出来ないかというと必ずしもそうではありません。自分と馬を積極的に騙すことが出来れば、80%の実力でも100%に近い運動が出来る可能性がある。
そんなことを感じた運動でした。

当然に美子にもこの感覚を要求です。出来る力があるから出来るのですが、でも成功の確率が一気に上昇しますし、失敗しても原因がハッキリして『もう一歩我慢できないと駄目・・』とか、物事がハッキリしてきました。
これをベースに、人馬のバランスを確立していけばgoodですね。
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