庄司卓完全攻略ブログ

作家庄司卓のブログです。
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『DARKER THAN BLACK 流星の双子』最終回 その1

2009年12月26日 23時23分46秒 | Anime・特撮
ええと、蘇芳と紫苑の話だけに絞ってまとめると次のような感じかな。

・8年前、組織の内紛による爆弾テロで蘇芳死亡。すでに契約者だった紫苑は表には出さなかったが、テロは自分や父の研究を狙ったもので、蘇芳は巻き添えをくらい身代わりに死んだようなものだと自責の念を抱く。父パブリチェンコ博士も同様。

・2年前東京エクスプロージョン時。流星落下。流星核により紫苑の能力が増大して、自分のコピーを作成。しかしそのコピーは女性化していた。
紫苑とパブリチェンコ博士は、これを天が与えた蘇芳への贖罪の機会と捉え、女性化コピー紫苑を蘇芳として受け入れ、生活する事に。

・紫苑とパブリチェンコ博士の目的は「蘇芳が幸福に暮らせる平和な世界」。
そんな二人にマダムオレイユが接触。
三鷹文書の予言を示した上で、ほどなくして世界は災厄に見舞われる。このままでは紫苑とパブリチェンコ博士の望む「蘇芳が幸福に暮らせる平和な世界」はやってこない。
そこでマダムオレイユは紫苑の能力で「地球のコピー」を作る事を提案。
(推測:マダムオレイユの目的は「災厄に備えて地球のコピーを作っておく」事。しかしそれは現時点の正確なコピーではなく「ゲートが出現する前」もしくは「ゲートのない」世界)
イン=イザナミの力を使えば、蘇芳をコピーした地球へ送り届けられる。
また地球そのものをコピーするには、紫苑が厖大な地球のデータを認識しなければならないが、それに必要な施設、機材等はすべてマダムオレイユ側で用意する。
結果、マダムオレイユを経由してインと紫苑&パブリチェンコ博士との取引が成立。

・流星核を持たせた蘇芳をヘイと旅をさせた理由。
マダムオレイユとしては三鷹文書?もしくはそれに相当する未来の記憶から、札幌で蘇芳の狙撃ミスからインが覚醒すると知っていた為。
紫苑とパブリチェンコ博士としては、蘇芳の人格を形成する為。
今の蘇芳の記憶は紫苑とパブリチェンコ博士が与えたもので、それに基づいた蘇芳の人格はいわば「僕の考えた蘇芳」でしかない。
そこでヘイとの旅により、蘇芳自身が様々な経験を経る事により新たな記憶を得て、本当の意味での「蘇芳の人格」が形成される。
つまり「記憶が無くなっても、それに基づく人格は存続する」と紫苑とパブリチェンコ博士は考えていたのでしょうな。
またこの作品世界にはいわゆる「魂」が存在するようなので、人格や経験がなく人に与えられた記憶だけしか持たない紫苑のコピーたる蘇芳には魂がなく、そのままではコピー地球へ送れない。
そこで蘇芳に魂=人格を持たせる為にヘイと旅をさせたと。

旅の終わりゲートにたどり着いた蘇芳は、紫苑やパブリチェンコ博士の期待通り、様々な経験を経て真・蘇芳(笑)というべき、蘇芳個人としての人格が形成されていた。
そこで紫苑とインは取引通り、蘇芳をゲートのない平和なコピー地球へ送る。
これで紫苑とパブリチェンコ博士の、蘇芳への贖罪は完了した……と。

しかしこの推測通りなら、紫苑とパブリチェンコ博士は、蘇芳の為なら人が何人死のうとも気にしない(;´Д`)というなかなか困った人たちという事になりますね。

そもそも紫苑自らターニャを狙撃した意図はなんだったのか。
単にターニャが蘇芳を攻撃しようとしたから、守る為だけで撃ったのか。
あるいは蘇芳が乗り越えるべき様々な経験には「友人の死」も想定していたので、ターニャは死ななければならないと考え「合理的な判断」で狙撃したのか。
そういえば紫苑は蘇芳にターニャを狙撃したのは自分である事を告白しないままでしたな。
ニカも含めて間接的な被害者は他にもいるし、やはりなかなかはた迷惑な計画だったのかと。

そのターニャやニカはコピー地球にはいなかったようで。
やはりあの世界は紫苑の能力でコピーされた地球で、インにより送り込まれたのは蘇芳とジュライだけなのかも知れません。
インと紫苑の取引では蘇芳だけのはずが、ジュライが蘇芳を慕っているので、インが気を利かせて? 送り込んだのでしょうか。

ここで疑問。
紫苑の能力はパブリチェンコ博士の言うような「必ずどこか違いが生じるコピー能力」だったのでしょうか?
もしかすると「コピー対象を自由に操作できる能力」なのかも知れません。パブリチェンコ博士はそれに気付いてなかったか、あるいは蘇芳には隠していたかったのか。
コピー蘇芳は紫苑自身のミスコピーではなく、自責の念から無意識に自分のデータをいじり蘇芳(に近いもの)を生み出した。
ライフルや鯨も意図的に反転、縮小させた。
コピー地球にゲートがないのも紫苑が操作した為。

しかしあれですな。外伝で補完される部分や、マダムの目的など分からない点が多いので、はっきりとは断定できませんが、なんとなくあの平和なコピー地球は『コードギアス』でシャルル皇帝がラグナレクの接続で作ろうとしていた「優しい世界」を思い出させます。

紫苑とパブリチェンコ博士にしてみれば、マダムやインとの取引に応じ、世間をどう騒がせようとも、すべては蘇芳の為という所だったのでしょうが、その言わば妄執のようなものがほとんど描写されなかったのは物足りないですなあ(;´Д`)。
どうにも二期に関しては「契約者は合理的な判断で行動する」という設定が足かせになってしまったような……。

ながくなったのでヘイやインについてはまたそのうち( =゜ω゜)ノ。

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