庄司卓完全攻略ブログ

作家庄司卓のブログです。
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『輪るピングドラム』第18話

2011年11月15日 22時54分29秒 | Anime・特撮
以前にも、この作品は幾原監督なりの90年代の総括じゃないかと書いた事がありますが、回を追うごとにその印象が強くなってきました。
今回の「子供ブロイラー」のシーンでもそれを感じましたね。
しかし多蕗とゆりは同じような子供時代を過ごしたんですねえ。そしてそこに颯爽と現れるヒーロー桃果。二人を救い生きる目的を与えてくれた桃果は、高倉兄妹の両親が引き起こしたテロで「消えてしまった」(多蕗)。子供ブロイラーから多蕗を救わんと現れた桃果はピング髪ゆえか、どこかウテナを思い出しました。
90年代にヒーローは消失してしまった。失われた10年あるいは20年というのは簡単だが、その時代に生きていた人間は失われたわけではなく確実に存在する。
救われぬまま運命を呪いながら生きる人間もいれば、運命に抗いながらも救いを求める人間もそこにはいるはず。
ざっくりとまとめるとこんな感じですかねえ。今後、どのようにまとめていくのか注目されるところです。
まあ気になるのは多蕗とゆりの桃果への想いが崇拝に近いという事。実像の桃果はまた違う人間だった可能性もありますな。

多蕗が急に復讐を決意したのは、冠葉がテロを起こした組織と関与していると知ったから。そして多蕗に写真を送りつけてそれを教えたのは眞俐。
陽毬に外出するように仕向けたのも眞俐のようですし、やはり裏で糸を引いていましたか。この状況になって冠葉や陽毬、多蕗がどう出るのかを試していたのかも知れません。

それにしても苹果はすっかり可愛くなってしまったなあ(^^;。ここまで上げ下げの激しいヒロインも珍しい。
多蕗はゆりに「僕たちは偽物の家族」と言いましたが、高倉兄妹はその絆を強め、そして苹果もその家族になろうとしている光景と対照的です。苹果のモノローグからサブタイトル、エンディングへの流れも良かったです。

それはさておき今回最大の突っ込み所(笑)。どうやって多蕗は落ちていく陽毬を助けたのか?
チャット中でも一斉に突っ込まれておりました(^^;。
多蕗は冠葉より下の階にいて、陽毬が落ちる前に助けて滑車で上がってきた説がありますな。確かに直前のシーンで多蕗は冠葉を見上げていますが、陽毬はその下にいるはずですし、苹果が閉じこめられたエレベーターと多蕗は同じ階にいます。
これで下の階に降りて陽毬を助けてまた上がって来るとなると、冠葉以上の運動能力が必要ですな(^^;。
もう一つが「桃果の日記を使った」説。
「多蕗の元に駆けつけたゆりが日記を持っていた」「ゆりと真砂子は日記を巡って戦っていたはずなのに二人ともあの場所に来ていた」。この二点を考えると「多蕗は日記をすり替えるか、あるいは桃果の呪文を使って何かを仕込んでいた」「それに気付いたゆりと真砂子は一時休戦して多蕗のもとへ向かった」という線もあるといえばありそうですが……。はてさて。
多蕗とゆりのエピソードはこれで終わりかと思ったのですが、次回予告ではラーメン屋にゆりのカツラを被ったさんちゃんがおりますな。まだゆりのエピソードが続くようなら、日記を使ったかどうかもそこで言及される可能性もありますね。