Marisapo.net | 横浜F-マリノスサポーターブログ

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樋口監督から学ぶ事。

2014-05-04 18:19:25 | 横浜Fマリノス

マリノスが久しぶりにJリーグで勝利した。
ACLを観戦していた私には勝利があったが、リーグのみ観戦の方とは、この数週間の悲観の度合いはかなり違っただろう。
リーグだけを見た場合、3月15日の第3節徳島戦以来の勝利、 得点でも第5節の鹿島戦以来なのである。
監督解任も噂されるわけだ。 

今季は本当に、樋口さんの監督としての成長がタイトル獲得の必須条件だと思っている。
特にそれは攻撃に関してで重要である。
また、交代が遅い、後手後手に回る。こういったネガティブなイメージはどうしてもつきまとう。
相手の監督が、千変万化のフォーメーション変更や、戦術変更、メンバーの交代をやってくると、
このイメージは残酷なまでにピッチで見られる。そうして落とした試合も多い。

ここで一つ、例え話しにお付き合い頂きたい。
ある携帯電話会社があったとしましょう。
「我が社は、 安心安全をモットーに、それを他社より安い金額で実現します。具体的には、非常時でも繋がる、アンダーグラウンドなコンテンツ表示の排除、ウィルス対策、個人情報管理まで徹底します。」
これで一部の人には受け入れられたとしましょう。しかし、問題が起きました。
ハッキングを受けてしまい、請求を多くしてしまう不具合が起きてしまいます。
また、安全度が多少低くても半額で提供する他社競合が攻勢に出てきます。
この時、この会社はどうするべきでしょうか。

A、もう安心安全のイメージで売るのは無理だ。徹底的な格安路線で攻めよう。

B、安心安全は非常に大事だが、普段問題が起きていない時に高いお金を払う人はいない。
  であるならば、多少の安心安全で多少の金額で、そこそこライバル社に対抗出来る様にする。

C、金額を上げる事も視野に、安心安全のモットーは守る。

皆さんなら、この携帯電話会社から乗り換えますか?それとも契約を続けてみますか?

会社としては、どの選択肢なら契約数を減らさずに済むかという事が頭に浮かびます。
経営者としては当然です。Aかもしれないし、Bかもしれない。信用を失ったCは無理なのでは?

ここで私が提起したいのは、この会社の社員の気持ちです。
入社した時や、サービス提供時、モットーを掲げた時に、それぞれに安心安全をモットーにするという事を考えたと思います。
しかし、これが安易に方向転換されたら気持ちはついていかないでしょう。
180度違う格安路線に転換すれば、多くの社員が辞めていくでしょう。 
この後、Cの選択をした携帯電話会社が、復活するかはわかりません。
しかし、Cを選択した場合、モットーにした会社のポリシーを業界やユーザーは認知するでしょう。
当然、社員は強く意識するでしょう。

さて、話しをマリノスに戻します。
樋口さんは、モットーやポリシーを少々の問題が起きても守る、貫く人なのだと思います。
つまり、Cを選択する人だと思います。
問題が起きたときに、 安易にAやBを試した場合、士気は下がるでしょう。
「なんだよ、今まで会社の言うモットーを元に頑張ってきたのに。また方向転換かよ。それで結果が出るのか?」

ガンバ戦で尻餅をつきながら、ボールを両脚で相手に渡すまいという場面を何度も見ました。
2回や3回じゃなかったと思います。とてもプロとしてのスマートさはありません。
しかし、生きるか死ぬか、転落人生を送るか、昇給するか昇格するかの紙一重の場面で、選手達は戦っています。
この気持ちを多く見させてもらいました。

考えてみれば、選手達がこういう不格好な姿を見せたのも、安易に樋口さんが方向転換しないという、
勇気と信頼があるからなのかもしれないと気づかされます。

ある監督はいいました。
交代すれば策は打った、交代枠を余らせたのは無策だった、と言われる愚かさを。

交代しない勇気、方向転換しない勇気もあります。
自分を貫く、モットーやポリシーを貫く事の大事さは当然あります。

樋口さんに足りないのは、試行錯誤の後の分析と経験だと思っています。
作戦1を遂行したら成功したが、作戦2を遂行したら失敗した。その原因はどこにあるか。
作戦1.5がいいのか、作戦1.3がいいのか。

日頃から樋口さんに言いたい事は沢山あります。
しかし、彼のやり方から学んだ事は、変えない事の大事さです。
「変えない」=「問題意識が低い」ではないのです。

悪くないサッカーをしていても、先制を許すとそのままずるずる負けてしまう。
メンバーには代表クラス、若しくは準代表クラスがいる。
そうして降格したクラブは少なくない。

マリノス=守備

これはJリーグ全体での共通認識だろう。だから、これは守らないといけない。
その上でどう攻撃を構築するかがマリノスが戴冠する為の至上命題なのだ。