車輪を再発見する人のブログ

反左翼系リベラルのブログ

グーグルデータベース

2009年02月26日 | ニュース

グーグルデータベースに関する判決のgooニュースから(こちらにさらに詳しい説あり)、雑種路線でも記事が出ている。

 検索大手グーグルが進めている書籍全文のデータベース化を巡って、同社と米国の著作者らが争っていた集団訴訟が和解に達し、その効力が日本の著作者にも及ぶとする「法定通知」が24日の読売新聞などに広告として掲載された。・・・

 合意の対象は、今年1月5日以前に出版された書籍で、同社は、〈1〉著作権保護のために設立される非営利機関の費用3450万ドル(約32億円)〈2〉無断でデジタル化された書籍などの著作権者に対しての補償金総額4500万ドル(約42億円)以上をそれぞれ支払う。見返りとして同社は、絶版などで米国内で流通していないと判断した書籍のデジタル化を継続し、書籍データベースアクセス権の販売や、広告掲載などの権利を取得することが定められた。また、対象書籍に関連して同社が今後得る総収入の63%を著作者らに分配することも決まった。

著作権・特許権等の権利をどう扱うかは現在の経済において大きな問題である。元々はそれらの権利を一定期間保護することによって創作活動や研究活動(及びその公開)を促進しようという意図で導入された。しかし、現在においては逆にそれらの権利が障害となって、新しい表現や新製品の開発が阻害されるという問題も起こっている。

今回の判決は絶版本を対象にしているようで、基本的には大きな恩恵をもたらしそうである。アメリカで流通していない日本の本がどのような扱いを受けるかという部分に危惧を抱いている人もいるようだが、その部分が解決すれば大いに推進していくべきなのではないだろうか。

著作権や特許権の問題においては、日本のアニメが違法ダウンロードの激増によってアメリカ市場で壊滅したり、レンタルCDとMDの影響でCD売り上げが大きく減少する等権利の侵害が負の影響をもたらすこともある。しかし、明らかに複製品が市場を破壊するような場合以外においては、権利の利用を認めていくことが経済全体を活性化していくのではないだろうか。

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歪められる事実中川辞任に想う

2009年02月26日 | 政治

博士の独り言氏のブログから

 先稿で、G7後の中川昭一氏の会見動画(ノーカット版)を紹介させていただいた。35分余りの会見全体の中に、当時の中川昭一氏の状態の悪さは観られるが、報道で「酩酊会見」とするほどの苛烈な状態ではなく、全般的に、一応の質疑応答をこなしている。ただし、ごく一部の取り違え、応答の鈍さは観られた。だが、そのシーンは時間的にごく僅(わず)かであり、全体からすれば、0.1パーセントにも満たない。

 この事実からすれば、ここ数日の、「中川氏に体調を質問しなかった会見場の記者責任」(要旨)を問うメディアの論調には、中川氏の「酩酊会見」を“事実化”するための意図性を見せながらも、むしろ、会見全般が、メディアが「酩酊会見」と大報道するほどのものではなかったことを逆証している。

 大報道された各局の「ニュース動画」では、共通して、上記の「部分」を切り出して編集し、「酩酊会見」と報じている。中には、同じシーンを繰り返して挿入し、字幕を付けて言葉の食い違いを強調する傾向ものも複数観られる。同時に、G7本会議での中川氏の職務については触れていない。いわば、「情報操作」と指摘できる制作段階からの「意図」が明らかであり、ニュース動画それ自体に明白である。

中川昭一氏の辞任、前にも述べたがその原因はほとんど捏造である。もし、テープを編集して都合のいいものを作って、それを事実だということが許されるなら事実は無限にたくさんあるか、誰が言ったかによって決まると言う事だろう。そのような特定のものが作り出した事実を認めることは、結局は客観的な事実や公平な分析を封殺し、特定の考え以外のものを抑圧することになるだろう。

相変わらず、マスコミの捏造・歪曲は酷くなるばかりであるが、このような自分達に都合のいい事実を編集によって作り出すことを許せば本当の事実が次々と葬り去られていくことになるだろう。言論の自由と称してそのような偏向を隠すのではなく、多角的な見方を認めるメディアが必要だろう。インターネットの重要性は益々高まっていきそうである。

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雇用調整

2009年02月26日 | 政治

労働問題中心、ブログの記事より

1番(注・残業規制)から順に行われるのが通例と、国家資格の教科書に出ています。これを見てもわかるとおり、非正社員は退職者募集をせずに即削減される対象であり、雇用調整の2番目に来ています。新卒採用が厳しくなっていますが、採用活動の停止も3番目に行われるのが通例となっています。そして5番目に来て初めて正社員の退職が考えられ、しかも募集を先に行ってから出ないと退職勧奨すらできないと言う状況になっているようです。・・・

ちなみに、正社員・公務員の労働環境が値崩れすると湯浅氏が発言したとのことです(「社会活動フリーターの生活」参照)が、これは起こるとしても非常に限定的です。公務員で言えば、夕張のように財政が破綻した自治体かもしくは橋下知事のように人件費カットを行う自治体に限られるでしょう。正社員で言えば、中小企業は厳しいですが大企業では未だにベースアップを春闘で掲げると労働組合が言っていることを考えますと、まだ余裕があるのでしょう。

現在の不景気で非正規労働者の待遇の悪化を市場主義や新自由主義の失敗かのように発言する人がいるが、客観的な事実を見てみれば明らかに間違いであることがすぐにわかる。日本よりも規制を緩和したり市場主義的な政策を採用している国はたくさんあるが、日本のように非正規労働者の待遇が下がっている国はない。つまり、市場主義や自由主義的なものの失敗という点で説明することは不可能だ。

唯一の説明方法は、日本は他の国と比べて極端に労働市場が二極化してしまっているという説明だ。これがあるために、日本においては一部の労働者の待遇が劣悪なものになってしまっている。つまり、市場主義の失敗ではなくて、労働組合を意識した独自の市場主義的なものの失敗だといえる。だから、市場主義が失敗したのではなくて、市場主義からかけ離れたものが失敗しただけだ。湯浅氏にはここのところをちゃんと把握して既存の既得権層に迎合しないような活動を期待したい。

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現代自動車超破格ローン

2009年02月26日 | ニュース

週刊ダイヤモンドの記事より

 年間の新車販売台数が957万台と、1年前の6割にまで落ち込んでしまった米国で、韓国・現代自動車の躍進が話題になっている。

 1月の乗用車販売台数実績では、ゼネラル・モーターズやフォード・モーター、クライスラーのみならず、トヨタ自動車やホンダ、日産自動車までが軒並み前年同月比3~6割超も落ち込むなかで、現代自動車だけが1割以上も販売台数を伸ばしているのだ。

 人気の秘密は、「ヒュンダイ・アシュアランス」という破格の保証プログラム。1年以内に、失業や死亡、けが、海外への引っ越し、自己破産などのアクシデントに見舞われた場合、買ったクルマを返却すれば、残ったローンのうち、7500ドルまではチャラになるのだという。しかも、年齢や健康状態、職歴などを問わず、誰でも利用できる。

 現在、未曾有の不況に見舞われている米国では、16年ぶりに失業率が7%を超え、回復の兆しは見えないまま。先行きへの不安がふくれ上がり、国民の消費意欲も冷え込んでいる。

 そこに、「7500ドルあげますよ」と言っているに等しい大胆な販売施策が出たのだから、消費者が飛びつくのも無理はない。

 しかし、このプログラムは現代自動車にとって、諸刃の剣でもある。

 前述したように、販売台数の押し上げには効果テキメンだが、もしクルマを返却する購入者が続出すれば、当然ながら損失はかさみ、自らの首を締めることにもなりかねない。

 かつて北米では、三菱自動車が頭金・最初の1年間の支払い・利子をゼロにする「ゼロ・ゼロ・ゼロ・キャンペーン」で低所得層にアピールし、販売台数を伸ばしたが、急激に返済が滞り、最後は“自爆”した経緯がある。

 その三菱自動車をさらに超える現代自動車の太っ腹ぶりからは、崖っ縁まで追い詰められた自動車メーカーのヤケクソぶりが透けて見える。

厳しい状況にある自動車業界、アメリカ・日本だけでなく、お隣韓国も厳しいのだろうか。このキャンペーン車を返却するとローンの一部が免除されるという内容なので、三菱自動車のキャンペーンと比べると安全度はかなり高いだろう。しかし、このキャンペーンで獲得できる顧客層によっては、返ってくる車の数が増えるかもしれないし、そうすると中古車市場にも影響が出るだろう。アメリカでは、中古車市場の価格が下取り価格の関係で新車の販売に影響を与えるのでそういう意味でもかなり危険な手法であることがわかる。

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『生きさせろ!』雨宮処凛

2009年02月26日 | 政治

『生きさせろ! 難民化する若者たち』雨宮処凛著の中にある討論番組で片山さつき氏と話したときのことが出てくる。

私が若者の状況を話すと、彼女は「ニートやフリーターを工場で働かせてもすぐにキツいと辞めてしまう」とあきれてようにいった。そうして彼女はいったのだ。「だけどその下にはもっと大変な外国人労働者がいるの。彼らは文句もいわずに働いているのに」。その言葉を聞いて、唖然としてしまった。少なくとも、彼女のような立場にある人がそのような発言をするということは、外国人労働者がニートなんかを最底辺で働かせるための口実に聞こえる。

昨日の竹中平蔵氏の発言もそうであったが、片山さつき氏も独自の市場競争理論を御持ちのようだ。自由競争や市場主義を唱えるのは結構なことだが、それが自分の勝手な解釈に基づくものである場合、他の人が理解できないことをわかってもらいたい。市場競争の基本的な原理は、優れているもの不足しているものの価格が高くなり逆は低くなり、資源が過剰なところから資源が不足しているところに資源を移動させるということである。だから、一部の労働者の賃金を抑えることは市場原理とは関係ないし、逆に非生産的な正社員を入れ替えることが市場的だ。また、市場には障壁に守られた産業や雇用を流動化することによって、効率化と同時に待遇の公正化を実現する機能がある。だから、富の集中を容認するのは可笑しな話だ。

市場経済の独自の考えを述べるのは結構だが、特殊な考えを押し付けるのは辞めてもらいたい。市場競争の基本的な考えでは同一労働同一賃金が正しいと決まりきっているのに、自分は市場の力によって一部の労働者の賃金だけを極端に下げるべきだといって、誰もが納得できるのだろうか。これは、平等主義といって年功序列賃金を弁護したり、徒競争では一緒にゴールするのに学歴差別は無視するのと同じように、単なる自分の勝手な考えの押し付けである。本人は勝手に普遍的な原理である市場競争や平等を支持して多くの人に認められていると勘違いしているだろうが、周りから見てるとただ単なる我がままで何もわかっていない人に過ぎない。

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競技施設の経済学

2009年02月26日 | スポーツビジネス

プロスポーツの世界でよく知られていることに一つに、専用競技場を建てると収益が伸びるというのがある。理由は、専用競技場はその種目をするため、また観客がその競技を観戦するのに最適なように作られているので、お客さんの満足度が高まり、入場者数が増えたり、チケットの値段を上げることが出来たりするからだ。だから、専用競技場というのはプロスポーツを運営している運営団体にとって非常に大事なもので、人気を上げ収益を上げていくためには是非作りたいものなのだ。

しかし、もう一つよく知られている専用競技場に関する常識があって、それは専用競技場は効率が悪いということが知られている。これは当然で、一年中毎日毎日同じ競技を延々と一つの競技場でやっているわけではない。野球で140試合ほどの公式戦の半分がホームとして70試合、Jリーグだとホームが20試合ほど、大リーグでもホームは80試合程度、NFLにいたっては8試合しかない。つまり、一番たくさん試合をしている野球でさえ一年の5分の1前後、他の競技ではもっと少ない回数しか使用しない。その試合数で、専用競技場の建設費や維持費を賄うとなると一試合辺りの負担はかなりの金額になってくる。そのため、専用競技場は資本効率のかなり悪い物だと言えるだろう。

そのようなことがあるので、日本でもアメリカでも専用競技場は色々な問題を抱えている。その競技だけに特化してその競技の試合のみのために建設すれば顧客の満足度は上がるが施設の効率は悪くなってしまう。逆に、他の用途にも使えるように設計すれば、今度は本来の目的の競技の試合や観戦が最適でなくなってしまう。このトレードオフをどのように解決するかこれはスポーツビジネスの多きな課題の一つでもあるのだ。

日本のプロ野球団は、野球以外の用途にも球場が使えるように人工芝のドーム球場を多く採用している。これは、施設の利用効率を高めようという戦術だ。一方で、アメリカのMLBやNBA、NFLは公的な資金によって競技施設の建設資金を援助してもらっている。日本でもサッカー場は公的資金によって多くの場合建設されている。こうすると競技場としての価値は高まるが、地方自治体に経済的な負担がのしかかってしまう。どちらも一長一短だろう。

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現在の経済危機について

2009年02月26日 | 経済学

池田信夫blogの世界経済同時危機という書籍の紹介記事より

危機の背景には、新興国の過剰貯蓄をアメリカが吸収したことによるグローバル・インバランスがあり、高いリターンを実現したようにみえる投資銀行の金融商品の中身は多分に詐欺的なものだった。それが放置されたのは、オフショアの「影の銀行システム」が銀行規制の抜け穴になっていたためだ。したがって今回の危機の主要な原因は、時代遅れの規制による「政府の失敗」であり、これを「新自由主義の行き過ぎという観点で捉えることは、誤った判断となる」。

日本の投資不足が慢性的に続き、それを外需で埋めてきた経済構造が、欧米より大きなダメージを受ける原因となった。したがって日本経済を内需主導に転換する改革が必要で、地方公務員の給与が異常に高く有能な人材が民間に集まらない「社会主義的」な経済構造が成長を制約している――というのが本書の結論だ(これもわれわれとほぼ同じ)。・・・

「富をつくった人に富が還元されるしくみがなければ社会は豊かにならない」というのは、すべての経済学者のコンセンサスである。

内容的には当たり前過ぎるかと思えるくらいの内容である。これと違った考え方の人がいることにびっくりするくらいだ。付け加えると、現在の日本の問題は組合員内の年功序列制度による平等主義的な保護と、なぜか本質的に日本を自由競争化しない形での非正規社員等の一部の労働市場だけでの自由化である。こうなった最大の原因は労働組合が解雇規制の緩和を頑なに拒みつつ、派遣労働の緩和を容認したことと、なぜか一部の政治家(経済学者たちは反対した)がそれを自由競争と勘違いしたことである。いち早く、「富をつくった人に富が還元されるしくみ」が整備されることを期待する。

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