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二元論 その3

2009年02月08日 | 論理

少し二元論について書こうと思って書き出したら、えらく暗く微妙な内容になったブログにようこそ。もう少し続きます。二元論は二つに一つだから単純明快で簡単なように思えるが実は現実の世界ははっきりと両極端に物事を分けることが出来ないので実はそれほど単純にはっきりと善と悪というように二元論で考えることが出来ない。しかし、もっとも二元論において問題で判断が難しいのは、現実の世界において複数の要因が関係しているときである。その時には、二者択一的な判断だけでなく、それ以外の要因がどのように関係するかについてもかなり恣意的な判断が行われざるを得ないのでそこが問題になってくるように思える。

欧米社会においては、民主主義は政治的社会的に重要な概念で昔からずっと大事にされてきた。二元論的に、ヨーロッパ社会が採用している政治制度を民主的をして、ヨーロッパ以外の社会が採用している政治制度を専制的なものとして捉えてきた。しかし一方で、ヨーロッパ社会においては、民主制の問題点についても常に問題にしてきた。民主制においては専門家や知識人のような教養のある人間だけでなく、大衆にも選挙権が与えられるため衆愚政治に対する危惧が常に存在してきた。そのため、ヨーロッパ社会においては民主的ではあるが愚かな大衆が間違った判断をしないように選挙権を一部に限定するということが長い間行われてきた。

つまり、全員に選挙権を与えなくてもヨーロッパ人が考える一定の範囲の人間に選挙権を与えれば民主的と考えられる。その上、その選挙権の限定が他の利点、例えば選挙人の教養水準の高さといったものを達成しているのならばヨーロッパ人の考え方からすれば、より優れた政治制度であるために、それは全員に選挙権を与える民主主義よりも優れたものであると考えられることになる。このような論理が後ろにあったために、長らくヨーロッパ社会においてはこのような政治制度が採られてきた。続く。

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