日本刀はミドルバランスのようだ。反りがあるから刀身の真ん中あたりに重心があるように見える。振り下ろすと重心に引っ張られて切先が走る。
バットは基本トップバランスだ。刀というよりまき割りで使う「なた」に近い。なたの刃は先の方が厚く重くなっており、手元に向かって薄くなっている。
先の厚い方で切るのは「たたき割る」感じで、手元の方で切ると「すぱっ」と切れる。先の重さが引っ張ってくれるおかげで、それほど力を入れなくても「すぱっ」と切れる。
同様にバットのスイートスポット(SS)の真ん中でボールをとらえると「ドーン」という感じだが、SSの少しグリップ側でとらえると、当たった感なくボールが勝手に飛んで行くことがある。スピードを持ったボールがSSに当たるとすぐバットから離れるが、SSからズレるとバットに乗っている時間が長くなり、トップがボールを巻き込んで飛んで行くエネルギーを与える。