伝えていいのか?伝わるのか?
自信もないのにコーチングすることに対する罪悪感は十分理解できるが、もともと正解がないのだから、何を伝えても間違いではない。
コーチングにその競技の上手下手は関係ないし、経験値がバラバラのコーチが集まった方がいい。
コーチの経験値を超えるような、レベルの高い選手ほど基本に戻るべきだから、いいところを見せたがる上手なコーチより、「一生懸命やっているのにダメ」なところを見せてくれる下手なコーチのほうが、よほどヒントになる。その勇気・開き直りもなく、ただ結果に対する批判「何やってんだよ」だけではまさに「百害あって一利なし」。
行き詰っている選手に対して何を伝えるべきかを考えることこそコーチの仕事である。野球の経験どころかスポーツの経験がなくても、理論が理解できればコーチはできると思っている。「バッと」「ビュっと」で指導できるのは長嶋茂雄くらいのもの。
経験ではなく物理学的根拠を出発点にして理論を展開していくことができれば、伝えていいかどうかを迷う必要はない。たとえ的外れであっても間違いでなければ、選手にとってプラスになってもマイナスにはならないということ。