背骨を柔らかくしならせて動かす動物の身体の動かし方が理想的というか、本来の動き方だと思われるが、人間は二足歩行だし、頭は重いし(体重の約10%)しっぽもない。しかし、背骨が大事ということに間違いはない。
頭と背骨の位置関係が真っ直ぐな状態をキープすることができるかが重要であり、そのラインを平行移動した位置に、軸を作る瞬間がなければ、スイングバイ効果は得られない。
「軸を作って」とか「軸がぶれない」とか言うが、身体の外に軸が来ることもあるし、「ぶれる」のではなく自発的に動かして、エネルギーを生む動きをすることもある。
現在動いている方向と逆の方向に(正確には90度と180度の間=絶対領域)軸を動かすとスイングバイによるエネルギーが発生する。
背骨と頭が真っ直ぐでない(猫背)ままだと、この絶対領域からはみ出す可能性が非常に高くなる。ボールをとらえる瞬間胸が張れていればいいので、猫背で構えるのは悪いことではない。身体全体でボールに向かうためには、頭が前に出ている分、動き出しが速くなる。
王貞治も猫背ぎみに構えて、ヒッティング時には胸を張っている。