北欧スウェーデンの生き方、料理、冬、イベント・・・面白くつたえられたらいいな
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我が家の子供たちは、結構な大人になるまでサンタクロースの存在を確信していました。
イギリスでは、サンタのために、クリスマスイブにはサンタ様のミンスパイを用意しておきます。
「すべての家でもらうとお腹一杯になっちゃうから一個だけね」
なんて親に言われて。
そして、玄関前にはトナカイのために生ニンジンを一本。
お父さんは、夜中のうちに来た証拠に、ミンスパイを食べ、ニンジンをひとかじりしておくという細かい技もつかわなければなりません。
夫は、にんじんが大嫌い。うぇ〜といいながら、毎年かじっていました。
さて、スウェーデンのクリスマス。
まず、サンタはトムテと呼ばれます。
そして、見かけは小人です。
元々農家に住む小人で、魔法を使えるトムテが、ドイツから来たサンタクロースと合併して今の形になったのでしょう。
ルシアもそうでしたが、異文化の取り入れ方が上手です。
「ニルスのふしぎな旅」というお話をご存知でしょうか。
ニルスが小人にされたのは、トムテの怒りを買って罰せられたのでした。
そして、そのトムテは、ヤギに乗って登場するとされています。
そのためにクリスマスシーズンになると藁のヤギに赤いリボンを巻いたHalmbockというのがあちこちに飾られます。
お盆のきゅうりの馬や茄子の牛みたいなもんですね。
街中いたるところで、ぺッパコッカと呼ばれる生姜入りクッキーをサービスしてくれます。
本屋のレジにも、洋服屋や銀行、駐車場まで、ご自由にお食べくださいのペッパコッカが溢れます。
そして、それを差し出すときには、
「to be nice」
という意味のスウェーデン語が添えられます。
家々の窓には通常のランプの代わりに山形に並んだ蝋燭を模した照明が並べられます。
大きな星の形の照明や天使の形の照明が窓辺に吊るされます。
クリスマスツリーよりもそうした窓飾りが目立ちますし、きれいです。
この窓辺に照明を飾るのは、街灯が少ないスウェーデンで、道ゆく人にあかりを分けてあげるという素敵な風習です。
クリスマスというと多くのスウェーデン人は
「一日中食べている日」
だと言います。
豚の料理を中心に、お馴染みのニシン各種、ヤンソンさんの誘惑(ジャガイモとニシンの料理)、各種ハム、お米の入った甘いヨーグルトにジャム・・・・・・。
Jul bordと言われるバイキングスタイルのご馳走を食べます。
豚はクリスマスにはつきもので、自家製のソーセージを作ったり、各種料理に使ったり・・・・・・そして、頭は、クリームでデコレーションしてテーブルに飾ります。
「どうして豚の頭を飾るの」
と尋ねたら、
「だって、そこだけ余るからもったいないじゃない」
へー、そういうものですか。
そういえば、スーパーにスルメみたいのが山盛り売られているのですが、商品名を見たら、豚の耳でした。
これは、一年中手に入ります。
さすが、無駄にしない国。
でも、どうやって食べるのか知りません。
「いや、もういらない」と言いながら、食べ続け(日本のお節料理に似ていませんか?)
クリスマスの朝になったら、おかゆです。
この中には、ひとつだけアーモンドが入っていて、それが当たった人はその年に、良いことがあるとか、意中の人と結婚できるとか言われています。
さて、スウェーデンのクリスマスで、これだけは絶対に書いておきたいというのは、テレビ。
クリスマスイブには、必ずディズニーのアニメが流されます。
それも年代物のミッキーとかドナルド、シンデレラなどのディズニー映画のハイライトシーンのメドレー。
1960年代から始まったようです。
すでに、60年近く毎年同じ番組を放送しているとか。
しばらく前に新しいプロデューサーが、
「さすがに、ばかげている。変えよう」
と言ったら、全国から非難轟々。
それで今でも続いています。
その番組のことをスウェーデン人たちは「キャッレアンカ」とよびます。
ミッキーマウスのことではなくて、なぜか、ドナルドダックのこと。
画像はスウェーデンSVTからお借りしました
それを見るために、クリスマスイブのお誘いは、必ずこう言われます。
「3時までにきてね」
全員で、この番組を見るのがルール。
新聞のジョークで、こどもが、
「この番組あきた。シンデレラがドレスもらうところで泣いているのはお父さんだけだよ」
というのがありました。
誘われた知人の家では、ハイライトのセリフは、家族全員で声を揃えて言っていました。
暗唱するほど見ているんですね。
ま、それは、それで、微笑ましい。
日本でもし、同じアニメを毎年やったら、「手抜きだとかマンネリだとか視聴者が許さないと思う」と言ったら、スウェーデン人のグニーラが、
「私たちは、変化を望んでいないのかもしれない。
自分たちが子供の頃見て、楽しかったから、自分の子供にも同じものを見せたいと思っているのだ」
印象的な言葉でした。
その精神が、便利なサランラップを塩素が入っているという理由で、全く導入しなかった数少ない先進国の一つであったり、作った原子力発電所を思い切って閉鎖したりと言った原動力になっているのではないでしょうか。
「自分の子供にも同じような安全で平和な国に生きてほしい」
という。
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