
ブログが なかなか更新できない。2年前から週の大半、実家に寝泊まり。歩行が辛くなったとたん台所に立つ意欲を失った実母(まもなく卒寿)に代わり、調理などの準介護に時間を割かれてるためだ。
何とか投稿を再開しようとしてたら、ある日突然『gooブログ終了』の告知💧 おいおいおい。もともと『関心空間』サービス終了で引っ越してきた現ブログなのだぞ(恨)……その避難先サービスからまたまた終了

そんな溜め息の、きょうは『母の日』──。
ここ数日の(ほど良く)潤沢な雨が奏功してか、にわかに、実家の南はじ水路わきのニッコウキスゲが狂い咲きである【↑ ヘッダー画像】
このキスゲってやつ。日本では野生に繁茂してるか、鑑賞目的で人為的に植えられてるケースが ほとんど。ウチのも亡父が数十年前、信州の実家に帰省した際に株分けしてもらい持ち帰ってきた。写真のように「朝の3~4時間しか陽光が当たらない」し、特に堆肥もほどこしてないのだが、春先には猛スピードに芽吹いてきて豪快に咲き誇る。
このように、水はけさえ良けりゃ「ワリと放っておいても」毎年開花してくれる強靭な野草、キスゲ。実は、青い頃のつぼみは(摘み取って)美味しく食べられる。限りなく同種に近いユウスゲ(ウコンカンゾウ)などは実際、おとなり中国じゃ大規模に「栽培され」収穫されたつぼみの煮干したパック商品


生(ナマ)の新鮮なユウスゲは炒め物に、天日干しした乾物は(よい出汁が出るので)山菜スープの具材に珍重されてるようだ。

あちらのキスゲ(マンシュウキスゲ)も同様に(食べれば)美味しいのに、なぜユウスゲ栽培だけが根付いたのか。さら言えばウコンカンゾウの方が古来より漢方の定番原料💊として有難がられてるが、本当はキスゲの根茎を主原料に煎じたって効能に違いがないのに、である。
食べるにせよ処方するにせよ、なぜ栽培する野草にキスゲでなくユウスゲだけが選ばれたのか❓
その根本的な理由は、
【1】キスゲが日中いっせいに咲いてしまうのに対し、ユウスゲは名前どおり「おもに夕刻になってから咲く」ので、咲いてしまってる花びらに邪魔されず、つぼみの収穫作業に向いていること。
【2】キスゲは背丈が低いうえに花(=つぼみ)が横向きに垂れてて摘み取りにくいのに対して、大昔から品種改良の進んでいたユウスゲは背丈が1メートル余りにまで伸び、しかも上向きに咲く。これだと、つぼみをポキポキ折ってく作業が(格段に)しやすいし、漢方薬に使う根茎を採取するために引っこ抜く作業もしやすい🎵
…大きく、この二つにあるようだ。
さてさて。そんなユウスゲ(ウコンカンゾウ)の"農園"、採れたつぼみと"加工やら調理"とは どのような光景か。ニッコウキスゲの黄色い花…になる前の つぼみを「食べるだなんて想像もつかない💧」多くの日本人なら、誰しも興味が沸かないか。
アマチュア映像作家のパートナーと二人三脚。あえて都会から山村に移り住んで、体当たりな田舎の食生活ルポをYouTubeに上げ生計を立ててる若き"料理研究家"。彼女が食材にウコンカンゾウを選んだエピソード

これら食用の つぼみは、あちらで『黄花菜(和読み:おうかさい)』とか『金針菜(和読み:きんしんさい)』と呼びなわされてる。
つぼみが食べられる、と言っても萼(がく)から上の全部じゃない。苦みの強い「おしべ&めしべ」は ひとつひとつ丁寧に


これは相当な手間ヒマで💧ピーマンの種取りやキヌサヤの筋取りに要する"労力"の比じゃない。
まあ中国人も個人差だろうが、料理が好きなことはもちろん、よっぽど自然食の自給意識が高くないと(現代人には)難しいだろう。
とはいえ今や、健康志向の高まりは万国共通。特に漢方医学を身近に感じてる民族なり世代の人にとっちゃ、キスゲもユウスゲも「食欲をソソられる薬膳メニュー」であり続けることは間違いあるまい。つぼみを食べることの効能は、心身ストレスやむくみ、貧血、不眠症などの改善につながるそう。
最後に、ウコンカンゾウ(ユウスゲ)にまつわる余談。漢方の解説サイトには今でも、ウコンカンゾウを「ユリ科」の野草と紹介してるものが多い。
だがこれは、最新の植物分類学では誤り。遺伝子解析の成果により、現代ではキスゲもユウスゲも『ススキノキ科キスゲ亜科ワスレグサ属』が正式な分類に当たるとされている。そりゃニッコウキスゲの華やかな咲きっぷりだけ見てると、いかにも「ユリ❓」って思いたくなるのだけどねw
この話題の関連記事:
- 厚底の鋳鉄製ソテーパン(スキレット)を"手製で"調達 ・・・ スウェーデンの「鉄工系」Youtuber氏の圧巻。
- 【まさか❕❔】 アメリカ惣菜食文化のアイコン、あの箱状テイクアウト容器に描かれた"四重塔"のモデルが⚡実は…