2018年刊行の東野圭吾の推理小説。
探偵ガリレオシリーズの第9弾の長編。
2022年に公開された映画ガリレオシリーズの第3弾。
通常、原作と映画は違っている事も多いのであるが、
この作品は登場人物が多いので映画の方が解りやすかった。
本だと、名前が苗字とファーストネーム、あだ名だったりして、
同一人物なのか?迷うところもあるのだが、
映画では顔で判断できるから解りやすいのである。
東京の郊外・菊野市の食堂なみきやの娘・沙織が失踪し、
3年後に全く関係のない静岡県の火災現場で
遺体となって発見される。
現場では沙織の他に家の主であった老婆の遺体も発見され、
警視庁の草薙刑事が捜査にあたる。
その家の息子・蓮沼が逮捕されるが、蓮沼は23年前にも、
少女を殺した容疑で逮捕されていたが、完全黙秘を貫き、
証拠不十分で無罪となっていた。
その事件を担当していた草薙は苦い思い出から、
なんとか蓮沼を有罪にしようと証拠を固めて行くが、
蓮沼はまたしても完全黙秘し釈放されてしまう。
湯川は菊野市にある大学の研究部門に勤務しており、
食堂の常連でもあり毎年行われている仮想パレードを見物し、
パレード当日に死体で発見された蓮沼の事件に関与していく。
誰が、どんな手段を使って、蓮沼を殺したのか?
湯川は現場の状況や死体の状態から推理を始める。
やがて湯川はなみきやの沙織の事件と23年前の事件の間に、
結びつきがある事を探り出し、蓮沼殺しの真相に到達する。
蓮沼殺しのからくりがわかったのが映画の半分くらいで、
このままじゃ終わらないよ・・・と言うのが解るのだった。
沙織は祭りで歌った歌が認められて夢だった歌手になるために、
音楽家の元でレッスンしていくのだったが、
よりによって恋人ができた事で歌よりも家庭に入りたいと
あっさり夢を捨ててしまう事が背景にあった。
現代では、スターも結婚もして子供も持つのは当たり前だし、
デビュー前に歌手の夢をあっさりすてて家庭に入るってのは、
どうだろうか・・・と思う。才能は認められていたわけだし。
結婚はその気になればできる事だし、
デビューはその気になってもでもできない事なのに。
その辺が気になった。
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