カレーなる日々 / शानदार दिन

インドの日常を中心に日々を綴っています。

【インド映画】 ~スーパー30 ~

2019年07月25日 22時02分59秒 | 映画 / MOVIE

スーパー30とは2002年にビハール州のパトナーで、
実在する数学の天才アーナンド・クマールが始めた教育プログラムである。
優秀な頭脳を持ちながら教育を受けるお金がない30人の子供を集め、
1年間無料で教育と宿舎を提供し、IIT(国立インド工科大学)の
試験に合格させると言うプログラムである。

初年度に18名が合格した事により注目を集め、
2004年には22名が合格、2005年には26名、
2006年と2007年は28名、2008から3年連続で全員が合格した。
その後も80%以上が合格している。
IITの入学試験は60倍と言う狭き門である。60人に1人しか合格できないのだから、
30人全てが合格と言うのは奇跡以上の神業である。しかも3年連続・・・。

アーナンド・クマール(上の写真):1973年ビハール州パトナー生まれ。
中学校で数学に興味を持ち、高校の時に書いた論文が認められ賞を受賞。
天才的頭脳を持ちながら貧困の為にケンブリッジ大学に行く事ができなかった経歴を持つ。

 <ストーリー> 

とある学生が表彰されているシーンから始まる。
彼はスーパー30で教育を受けIITに入学し、
その才能をさらにイギリスで開花させたのである。
 
彼に勉強を教えた一人の男アーナンド(リティック・ローシャン)の高校時代にさかのぼる。
数学の天才であったアーナンドの父は郵便局員だった。
高校生のアーナンドが書いた論文は優秀であったため表彰され、
ケンブリッジ大学から入学が許可された。
アーナンドの父は方々手を尽くして留学費用を寄付してもらおうとするが、
パトナーでもデリーでもスポンサーは見つけられなかった。
父親は心労で倒れて急死、稼ぎ手を失った一家はパパド(せんべい)を作り、
アーナンドはパパドを自分のノートで包み1包み5ルピーで売りながら、
独学で勉強を続けていた。

ある日、町のお金持ちが自分の工科大学受験のための学校で働かないかと声をかけ、
アーナンドの目の前に札束を積む。家計がひっ迫していたアーナンドは受け入れる。
彼はしばらくはそのお金で贅沢をしていたが、ある日学費が払えないが、
とても優秀で才能あふれる男子学生に出会う。
 
そして昔の自分の姿を思い出し学校を辞め、
IITに合格させるための学校を自分で造った。
そこでは1年間、学費も宿舎も無料であった。

しかしそれを良く思わないお金持ち経営者が妨害に出る。
お金持ち学校の学生とアーナンドの学校の学生とで勉強対決をして、
勝ったらアーナンドは融資を受ける事ができる、
負けたらお金持ち学校に戻る、と言う条件だった。
負けるはずがなかったのだがアーナンドの学校の学生は負けてしまったが、
かつてのGFの助けで証文はなかった事になった。

アーナンドは学生に問題が解けなかった理由を聞く。すると問題は難しくなかったが、
お金持ちの学校の雰囲気や学生たちに飲まれてしまい実力が発揮できなかったと解った。
アーナンドは度胸をつけさせるためにホーリーの日に町の人々の前で芝居を演じるように言う。
みんな最初はオドオドしてたが最終的には自信を持ってステージを務めた。

IIT受験の前日、妨害するためにお金持ちがさし向けた悪人によって、
アーナンドは銃撃されてしまう。そして子供たちまでも襲撃する計画が知らされる。
子供達は教わった数学の知識を元に悪人たちをやっつける。

夜通し戦った子供達だったが、
IITの入学試験の合格発表では全員が合格した。

ダンスに関してはナンバー1のリティック・ローシャンが、
ダンスシーンなしのこの作品にキャスティングされた経緯はしらないけれど、
実話だけに感動した。

この映画を観ながら感じた事は・・・
インドにはとてつもない能力(頭脳、運動)を持った子供達が無数にいると言う事だ。
そこに計り知れないインドのすさまじいほどのエネルギーを感じた。
大多数が貧困と言う理由で埋もれたまま才能を開花させることもなく終わってしまうのだ。
なんともやりきれない気持ちになった。

それにしても・・・「パッドマン」「スーパー30」と、
信念を貫くあっぱれなインド人がいるものだ。

コメント (4)
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