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アーサー・ペン「俺たちに明日はない 」

2005-08-22 08:16:51 | 映画評
昼は旦那様が奥様を立ててあげ、夜は奥様が旦那様を立ててあげ…………


なとなく見た「俺たちに明日はない」。

伝説的な銀行ギャングのボニーとクライドを題材にした映画です。


アンチヒーローの活躍として魅力的に描かれているのか、それとも悪漢の哀れな一生として教訓的に描かれているのか興味がありました。

結論としては、…………一応、教訓的なのかなぁ。


貧困が彼らを犯罪に走らせたという背景を入れておきながらも、その一方で、現代の多くの異常な犯罪と同じように、日常の退屈からの脱却に過ぎないという側面も、ちゃんとフォローされています。

つまりは、過剰に魅力的ではありませんが、過剰に説教臭くもなく。
社会的には無力な若い男女が、世間を驚かせる快感に酔って犯罪を重ねていくという姿は、観客に既成の価値観を打ち破っていくという爽快感を与えかねないのですが、二人の頭の弱さがうまくにじみ出ていて、「あぁ~、バカやっているなぁ」という印象が強くて、個人的にはスカッとはしません。


キャラクターの設定で面白いのは、クライドが性的不能者になっていること。これって、事実なのかな?

いずれにしろ、その設定が、彼を無謀な犯罪に駆り立てる重要な背景になっていることは間違いありません。

ようするに、犯罪という行為によって男性性を誇示しているわけですな。


エッチは大切だね(という教訓が、この映画にはもりこまれていたんだと思う)。


俺たちに明日はない

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