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雑感や書評など

オリヴァー・ヒルシュビーゲル「es[エス]」

2006-06-18 08:45:12 | 映画評
久しぶりの更新だな


x51.org情況の囚人 ― 1971年”スタンフォード監獄実験”とはを読んで、それをモトにした映画「es[エス]」を見てみました。

映画のストーリーは、こちらを、どうぞ。


感想としては、………………なかなか現実を追い越すのは難しいようです。

丁寧につくられているし、面白いことは面白いですけどね。

「看守に支配されれ、憎しみで引き裂かれた世界」と「恋人との逢瀬を思い出す、愛で結ばれた世界」が交互に映し出され、作品の主題をしっかりと表現しております。

物語はテンポよく進み、退屈しません。キャラクターの描き分けもしっかりとしているし、それぞれ個性的ですが、突拍子もないということはなく、十分に納得のいく性格となっています。


…………が、現実に起こった事件の不気味さには、到底及ばないなぁ~、というのが実感。

現実には、映画ほどドラマティックではなかったのでしょう。

でも、それだけに、正当な理由も道理もなく、あっさりと看守と囚人という立場に追い詰めれていった「スタンフォード監獄実験」というものに、より不可解な印象を深くしました。


寸評。
現実の事件のことは考えず、単体の映画として見る分には、十分価値のあるものだと思います。


es[エス]

ポニーキャニオン

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