すんけい ぶろぐ

雑感や書評など

佐々木倫子/綾辻行人「月館の殺人 (下)」

2007-01-05 22:36:48 | 書評
トリックなんて、だいたい薄氷の上で成り立っているものさ


「月館の殺人 (下)」を読了。(「月館の殺人 (上)」の感想)

面白かったですよ。
面白かったんですがね…………。


「じゃぁ、ケチをつけるなよ」
と言われそうですが、それは置いといて。


以下、ネタバレ含む。


しかし、実は汽車は動いていなかった、なんて。
そりゃ、主人公は汽車と言わず、電車すら乗ったことのなかった、という設定だけど。

普通、気がつくだろ。

せめて「敷地内の円周を、低速で運行していた」くらいの方が………。


それに、犯人の最後も…………ねぇ?

そりゃなかんべ……………。

しかも、いくら故意ではないものの、これじゃ、主人公も逮捕されるんじゃないか?(起訴猶予だろうが)


まぁとかなんとか書いたものの、犯人につながる伏線を、極力自然に散見させていたのは、見事。

犯人の犯行動機も、まぁ納得できる範囲だったし(金田一少年バリの、怒涛の回想シーンはなかった)。

綾辻行人はよく知らないのですが、少なくとも佐々木倫子が好きなら、充分楽しめると思います。


月館の殺人 (下)??

小学館

このアイテムの詳細を見る