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クリント・イーストウッド「父親たちの星条旗」

2006-11-20 20:49:28 | 映画評
登場人物が覚えられなくて苦労したよ………


「父親たちの星条旗」を見てきました。(goo映画)


単純に驚いたのは、ハリウッド映画でありながら、反米調になっていること。

まぁ「プラトーン」やら「フルメタル・ジャケット」もアメリカ産のアメリカ否定になっていたけれども、これがすごいのは、敢えて栄光の第二次世界大戦を否定しているところ。

ベトナム戦争はアメリカの負け戦だから、結果論からベトナム戦争を否定するのは容易なこと。

でも太平洋戦争は、現在のアメリカ隆盛を築いた土台。

「父親たちの星条旗」では、それを否定して見せているわけでして。


アメさんの懐の広さを見せ付けられて作品でした。


大体にして戦争映画って、戦争の悲惨さを描くことで、戦争における「国家の責任」を曖昧模糊にすることがあるんだよな。

戦争は人類の敵である、という大前提に振り回される一般人(下級兵士)という構図で、その背景にある「国家の責任」から逃げちゃえ~~~~。

太平洋戦争をあつかった邦画なんか、そういう傾向が顕著。


その点、ハリウッド映画でありながら、栄光の第二次世界大戦におけるアメリカ政府の負の部分を描いている意欲には、感心しました。


父親たちの星条旗 (監督 クリント・イーストウッド)



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