薬の効果
塩野義製薬が,コロナウイルスの量を6~8割減少させる経口治療薬を開発し,発売に向けて承認申請を近々行うという。朗報である。
新薬の開発で治療効果を確認するために行われる方法としては,二重盲(ダブルブラインド) 比較試験が最も信頼できるとされている。
被験者を2群に分け,片方には検定する薬を,もう一方には偽薬(プラセボ)を投与する。投与する医師も被験者も自分がどちらを処方し(され)たかは分からないようにし,本物の薬を投与されたグループで有意の効果が見られたら,効果ありと判定される。
統計学的にはこれは優れた方法である。しかし,この試験で偽薬を当たった人は,試験の間治療を受けられないことになるのではないか。
わたしはかつて,ある創薬事業に立ち会っていたことがある。消化器系の難病に対する新薬で,わたし自身がその病気を患っていたので,非常に興味があった。フェーズ2の試験が始まる時,わたしは担当者に上に述べた疑問をただしてみた。答えは,被験者には従来の治療を継続しながら,二重盲検定を行うということであった。
なんとなく納得したが,もし自分がその検定試験に応募し,偽薬を飲まされていたと知り,しかも新薬の効果が大きかったら,いくら条件を知った上での応募であっても,やっぱりかなりがっかりするだろうと感じる。
科学は時に冷酷だある。塩野義製薬の試験でプラセボを処方された方々には,感謝と同時に同情を覚える。
三段論法
戦争の三段論法というのを聞いたことがある。
戦争を行うのは愚者である。
人間の中には愚者がいる。
だから戦争は起きる。
ウクライナを巡って国の指導者たちが折衝している。この中に愚者がいないことを切望する。
ワクチン接種
3回目のコロナワクチンを昨日接種した。1,2回と同じファイザー社製。注射した部分は痛いが,現在のところ体に変調はない。
トレッキング
カナダのホワイトホースを訪れた折,近くのタイガ(針葉樹原生林)の中をトレッキングした。ガイドさんに案内されて約3時間。気持ちが良かった。(写真は2016年3月撮影)
犬を散歩させている家族とすれ違う。
ユーコン川と原生林。