朝青龍あってこその、あのお方の存在。むなしすぎます

他者あってこそ、自分の存在を認識させ、さらに価値を高しめる。実に卑しく、わびしい手法だと感じさせます。

朝青龍のガッツポーズについて、またまたあのお方が口を開きました。メディアでは「批判」というようなことを言っていますが、「批判」という名の独善的売名的行為にみえます。

意識的、無意識的にせよ、勝利した瞬間、両手を挙げて朝青龍が喜びを表すことを、「批判」の対象にすること自体、無意味です。

白鵬との本割で寄り切られ、しかも転がされた朝青龍が、優勝決定戦ですくい投げで勝利した瞬間、声をあげた相撲ファンは何人もいます。

千代大海に象徴される、土俵に上がることだけに執念を燃やす相撲に目をそむけるファンにとって、朝青龍と白鵬はまさしく力士と力士がぶつかり合う力相撲を見せ、これぞ力士の戦いざまだと痛感させてくれました。

その取り組みに勝利した朝青龍の喜びは、戦う者にとってはごく自然な流れだと思います。

取り組み終了後の、あのお方の「批判」は、あまりにも予定調和です。しかも内容は紋切り型な表現であり、多くの人が当然のごとく予想できました。

どのような展開になるのか、誰もはかりし得ない相撲に対して、誰もが筋書きを書きえる「批判」は、好取組に水をぶちまけました。

他者があってこそ、自分の存在を認識させ、価値を高しめるという手法を使い続ける限りは、常に他者を存在させておかなければなりません。

朝青龍は強く認識していると思います。土俵内外に戦うべき存在を朝青龍は持ち得ている以上、あの負けん気の強さがこれからも彼に強い力を維持させると思います。

同時に、あのお方も、自らの存在が危うくなることを朝青龍以上に認識していることでしょうから、朝青龍が長く存在してくれることを切に願っていると思わせます。

さて、横綱や幕内だけでなく、幕下などでも興味深い相撲取りはたくさんいます。荒汐部屋の部屋頭である蒼国来が幕下西筆頭で、４勝３負で勝ち越しました。

中国・内モンゴル自治区出身、2003年9月場所が初土俵、現在、25歳。6年かけての十両昇進が果たせるものと期待しています。

ちなみに、蒼国来は中国・内モンゴル自治区出身です。