夕空ノート

管理人、天野空流の日々を書き綴る場所です。出かけた際の写真などを中心に書いていこうと思います。

身近になる?宇宙旅行

2007-07-10 23:45:30 | 宇宙


授業自体はこの1週間で終わりです。
夏期講習はありますけど(^^;)

さてさて、アメリカのSF作家、ロバート・A・ハイラインの生誕100周年祭が7月7日にアメリカカンザスシティで開催され、SpaceShipOne(SS1)のパイロットも招かれ、現在開発中のSpaceShipTwo(スペースシップツー)で受けるG(重力加速度)についての説明をしたとのことです。

このスペースシップワンとかスペースシップツーとはそもそも何なのかといいますと、宇宙へ向かう世界初の民間企業による友人飛行プロジェクトによって開発された飛行機?・・・宇宙船です。
これはNASAをはじめ、世界各国の行う宇宙開発は湯水のごとく大量の税金を投入しているにもかかわらず、長期にわたったうえで、あまり大きな成果を得られないということから、いかにして安く、短期間でできるか、民間企業で行うコンテストのようなものがきっかけです。
このスペースシップワンはスケールド・コンポジット社が開発したもので、驚くべき短期間で、技術者たちの情熱が生み出したものといっても過言ではありません。

様々な独自の工夫を搭載するこのスペースシップワンは、2台で構成されています。
2台でというと少し語弊がありますが、スペースシップワン自体はジェットエンジンを搭載する小さな機体。
ここの機体を親機である、ホワイトナイト(画像の上の機体)によって、地上からある程度の高空まで運び、上空で切り離し。
ここで、スペースシップワンのジェットエンジンを点火させるという仕組みになっています。
また、機体デザインも面白いもので、丸い窓がたくさん並ぶもので、視界がとにかくいいということ。
おまけに、従来のような宇宙服を必要としないというのも特徴的な点です。


2004年6月21日、スペースシップワンは大気圏を超え、地上100キロ地点に到達。
宇宙史に残る、民間企業の成し遂げた歴史的瞬間でした。
これによって、政府機関であるNASAのように莫大な資金をかけることなく、宇宙への道は切り開けることが実証され、民間にとって、宇宙が身近であることを印象づけました。
スペースシップワンを使用した宇宙旅行を扱うVirgin Galacticでは、この宇宙行きのチケットを2358万円で販売中で、すでに118カ国から2万8千人の方が予約登録をすませたとのこと。

で、冒頭の重力加速度なのですが、スペースシップの大気圏再突入の際に生じる最大Gが約7G。
7Gということは体重60キロの方に自分の体重の7倍の圧力がかかること。
すなわち、420キロを体に背負うことになります。
ただ、説明では乗客は座っている上、重力加速度は釣鐘曲線を描くため、体感では3~4Gとのこと。
3G程度であれば、健康な人であれば我慢できる程度だそうです。

Gつながりでいくと、有名なアポロ号はなんと8Gを無理にかけて発射していたそうです。これはなぜかというと、上空まで燃料を残したままにすると、それだけ、重量をかかえ、その重量を持ち上げるためにさらに燃料が必要になるという悪循環が起こるためでした。
そこで、できるだけ地上で燃料を燃やし、月への十分な推力を得ていたというわけです。


それにしても、宇宙旅行がじょじょに身近なものになりつつあるようです。
ただ、2358万円ではまだまだ高価な旅ですよねぇ~