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ららみ先生のピアノのおけいこ

自閉症でも、発達障がいでも、
両手でピアノが弾けるんです♪
ピアノが弾けるって、素晴らしい!

アスペルガー児 Y君・聴音だから聴いたら書いてね

2017-08-12 | アスペルガー児 Y君

一昨日は、6年生のヨウ君のレッスンでした。

ピアノのレッスンを一通り済ませた後、
次は旋律聴音をさせる為に、五線ノートを机の上に開かせました。

「ヨウ君、聴音をするよ。  
今から先生がピアノを弾くからね。 よ~く聴いてね。」

と言って、簡単な旋律を、4小節弾きました。

ヨウ君は、五線ノートを前に置き、真剣に聴いています。

私は、何回も弾きましたが、
ヨウ君は真剣に聴くだけで、ノートに書こうとしません。

 

「あれ?  ヨウ君、ノートに書いてくださ~い。」

「えっ? ノートに書くんですか?」

「うん、先週も、聴いたらノートに書いたでしょ?
ヨウ君、正確に書けて100点だったよね。」

「さっき先生が “聴いてね” とだけ言ったので、書くとは思いませんでした。」

 

あっ そうだった

アスペルガー児の特徴として、
言葉をそのままに受け取る~と云うのがあります。

ヨウ君にとって、言葉に表れた意味は、
それ以上でも、それ以下でもなく。。。

さっき私が「聴いてね。」と言ったので、
真剣に聴いていただけだったのです。

 

私は、ヨウ君に謝りました。

「“聴いたら、書いてくださいね” と、ちゃんと言わないでごめんね。
では今から、さっきのメロディーを、音楽ノートに書いてください。」

するとヨウ君は、さっき真剣に聴いていた旋律を、スラスラと五線に書きました。

私は、花丸を大きく描いて、ヨウ君を褒めました。

そして、今度から気をつけて言葉掛けをしようと思ったのでした。

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アスペルガー児 Y君・練習出来なかった理由を言えた!

2017-05-19 | アスペルガー児 Y君

先日のヨウ君のレッスンの時のことです。

レッスン室に入って来るなり、ヨウ君の顔色の悪さが目につきました。

どうしたのかな?と思って、尋ねてみますと、
「大丈夫です!」とのこと。

あまりしつこく聞いても悪いので、レッスンを始めましたら、
何だかボンヤリして、欠伸ばかりしています。

 

「眠たいの?  疲れているのかな?」と聞いてみましたら、

「最近は毎日、放課後に陸上の練習をしているので、
全然練習が出来ませんでした。」

と答えてくれました。

「まあ、そうなのね。 この時期、6年生は、陸上大会の練習が忙しいよね。
他の小学校の6年生達もそうだから、知っているよ。」
と言いましたら、安心したお顔で頷いてくれました。

なので、その日は、ピアノのレッスンはせずに、
リズム打ちや、メロディー当てクイズ等をして、楽しい時間を過ごしました。

 

実は、レッスンの時に、
ヨウ君が自ら、練習出来なかった理由を言うのは、
極めて珍しいことなのです。

今まで練習不足の時は、
ピアノを弾きながら、突然涙を流してしまう~
と云うパターンが多かったので、

今回の様に、自分から、その理由を言えたのは大きな進歩だと思いました。

ヨウ君も、中学生に向けて毎日成長しているのだな~と、感動したのでした。

 

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40分

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新6年生Y君の中学準備

2017-04-06 | アスペルガー児 Y君

ヨウ君は、この春から6年生になります。
ADHDとアスペルガーの診断を受けているそうです。

そんなヨウ君が、この春休みから学習塾に通うことになりました。

塾の春期講座は、ほぼ毎日あり、しかも終わるのが6時ですので、
ピアノのレッスンは7時~に変更しました。

ヨウ君の家はとても遠いので、
塾を終えて急いで来ても、7時になってしまうのです。

送り迎えをするお母様は、本当に大変だな~と思います。

 

お母様に
「春休みから塾に行くなんて、ヨウ君は、やる気満々ですね。
Y君は勉強好きで、羨ましいです。」と言いましたら

「はい、勉強のこともそうなのですが、
塾に行かせる1番の目的は、中学に慣れさせる為です。

中学は、他の小学校からも入学するので、
ヨウはおそらく、とても緊張すると思います。

ですので、他の小学校の子にも、出来るだけ慣れさせようと思い、
塾に行かせることにしました。」

と、お母様がお話ししてくださいました。

 

う~ん、素晴らしい

来年の中学入学を見据えて、塾に行かせるとは、
ヨウ君のことを知り尽くしている、
お母様ならではの心配りだな~と思ったのでした。

 

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2時間5分

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Y君の涙・5 涙のち笑顔

2016-12-05 | アスペルガー児 Y君

今日は、5年生のヨウ君のレッスンでした。

今日もきちんと練習してきていて、充実したレッスンになりました。

そして、
「上手になったら、エリーゼの為にや、トルコ行進曲を弾きたいです。」

と語ってくれました。

ですので、私は
「Y君が中学生になってもピアノを続けていたら、
2曲共、絶対弾けるようになるから頑張ろうね!」

と励ましました。

するとヨウ君は、本当に嬉しそうなお顔で、にっこりと笑ってくれました。

 

ヨウ君のやる気を感じた私は、
ヨウ君に指の練習を強化しよう!と思い立ちました。

そして、初心者のY君には少し難しいのですが、
ハノン(運指の為の練習曲)の最初の部分を指導しました。

すると、ヨウ君は、とても興味を持ってくれて、
熱心に取り組んでくれました。

 

「この曲を練習すると、ピアノがとても上手になるんだよ。
指が速く動くようになって、難しい曲も弾けるようになるので、
お家でも練習してみてね。」

と言うと、すごく嬉しそうなお顔で頷いてくれました。

 

ヨウ君は、注意欠陥やアスペルガーなど、
発達に偏りのあるお子さんですが、
好きなことには、非常に真面目に取り組んでくれます。

ですので、ヨウ君は、

目標を持たせつつレッスンを続けていくと、きっと上手になる
と確信しています。

これからのヨウ君が、とても楽しみです!

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Y君の涙・4

2016-12-01 | アスペルガー児 Y君

(続き)  

「ヨウ君ごめんね。
ららみ先生はいつも、『優しい音で弾いてね』って言っているのに、
今日に限って、『元気な音を出してね』って言われたから、
ヨウ君はビックリしちゃったんだよね。」

と私が言うと、ヨウ君は、少し安心したお顔で頷きました。

 

「普段の練習の時は、
『優しい音で練習してね』って指導しているのだけど、
今日のレッスンでは、
発表会に向けて、ちょっと芸術的な演出をしようと思ったの。

ちゃんと、その事を説明すればよかったのに、
いきなり『強く弾いてね』と言ってごめんなさい。」

ヨウ君は、私の説明を聞いて、納得したようでした。

 

次の日、私はお母様に電話をして、レッスンの様子を話し、謝りました。

「実はヨウはアスペルガーなのです。
なので、何時もと違うことを言われると、混乱してしまうのです。」
と仰いました。

ヨウ君とテツ君の兄弟を紹介してくださった方から、
2人共ADHDだとは伺っていたのですが、
ヨウ君がアスペルガーだったとは知りませんでした。

アスペルガーのお子さんは、何人も指導したことがあり、
その特徴は把握していたつもりでした。

ですが、ヨウ君がアスペルガーとは思いもしなかったのです。

 

当たり前のことですが、アスペルガー症候群も千差万別です。

一見したところ、そうは見えないヨウ君に対して、
私は配慮が足りなかったのだと思いました。

そして、ご兄弟のレッスンをお引き受けする前に、
もっと深く、お母様にお話を伺うべきだった、と後悔しました。

まだまだ勉強が足りないな~と、大いに反省した出来事でした。

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