緑の風&おひさま通信   

緑の風が吹く河岸段丘で草や虫を相手に畑を耕しています。自然が大好き!歌が大好き!な私のつぶやきを聞いてください。

冬ごもり

2013-12-15 21:22:59 | 緑の風&おひさま通信

それほど大降りというわけではないが、冬型の天候は続きいよいよ冬ごもりの体制になってきた。

冬ごもりといっても、カエルや熊のように冬眠するわけではないので、日々の生活はいつもと変わらない。ただ、今まで外仕事に費やしていた時間が家の中で過ごすスタイルに変わってくる。除雪作業という雪国ならではの作業も入ってくるが、それと家事仕事を済ませた後は自分流の過ごし方ができる。そこで、待ってましたとばかりに広げるのは毛糸玉とミシン。すでに孫からの注文も入っている。日頃なかなかできない読書もいい。

ただし、大雪にならなければの話。屋根の雪下ろしに下ろした雪の排雪作業。明けても暮れても雪ごったくという日もあるのだ。

20~30年前までは、冬になると秋始末もそこそこに男衆は出稼ぎに出ていた。雪が消える春まで雪の降らない所に働きに行くのだ。働き盛りの男衆が居なくなった家は、年寄りと女衆が守る。それは農家だけではなく建設現場で働く人たちにも同じようなことが云えた。今はスキー場や冬季雇用の働き場を見つけて働く人が増えてきて、冬うち遠くに出稼ぎに行くということは少なくなってきている。結婚しても新婚気分に浸る間もなく、旦那さんはお嫁さんを残して出稼ぎに行かなければならないという、雪国の悲しい宿命もあったのだ。

夏場一生懸命働いてきたんだから、冬の間くらい家で過ごしてもいいのに…現代社会はそれが許されない。お金がなければ生活できないような世の中になってしまっているのだ。

自分が幼かった頃の断片的な冬の記憶、父は雪堀りの合間に藁仕事をして蓆を編んだり雪靴やスッペを作っていた。母は囲炉裏のそばで針仕事やワラ草履作りをしていた。時々近所の麹屋さんが麹を出すと二人でそれを背負って売りに出かけていた。そんな時は麹屋さんの子供たちと親が帰ってくるまでその家で遊ばせてもらっていた。おもちゃも美味しいおやつもなく、物を買ってもらったという記憶もないが、十分幸な日々だったな…と今にして思う。