「ボクセルポリゴンな日々」 - UnityでMakersとVRをつなぐ挑戦 -

Unityプログラムで3DCGアセットデータをVRや3Dプリンターで利用可能にする最新技術や関連最新情報を紹介します。

「立体出力可能な形状モデルに作り変え(その3)」 ハクさんの上服のCatmull-Clark曲面化

2012年12月18日 18時05分21秒 | MMDアバンドール
昨日はあにまさ式弱音ハクさん(あにまささんに許可を頂いた上で改造させて頂いてます)の上着を水も漏らさぬ立体出力レディ状態に持っていきました。

昨日作った上着だけ別ファイルにして3Dプリンターにかけると一応出力できる仕様にはなっていますが、
出力サイズ等の関係で出力不可能と判定されたり出力出来ても出来上がった時点で壊れたりしてしまう可能性があります。
何よりも、昨日のブログの最後で紹介した「カクカクな形状のまま出力される」ため、見た目には凄い違和感があると思います。

それで、昨日の最後では上服に自由曲面設定を行なって下の図のような丸々とした服の形に変えました。



これは何をやったのかと云うと、Metasequoiaで「Cutmull-Clar曲面」という設定を行なってカクカクだった服の形に自由曲面を適用したのです。


さて、初めての人ははじめましての用語が出ました。

「自由曲面って何じゃい?」これは確かに誰しもこう思うと想像できます。

自由曲面とは数学的な用語です。今回のハクさんモデルのように少ないポリゴン数で構成されたモデルデータを、曲面計算式を通すことでそれぞれのポリゴンの間をスムーズにつなぐ微小ポリゴンを作ってつなぎ合わせて、最終的にカクカクな表面を滑らかにつないでしまうという計算技法です。

とりわけ今回使用する自由曲面の方程式を書いたのはCutmull(キャットマルともキャトマルともカトマルとも呼ばれます)さんとClarkさんと云うお二方で、共同執筆された論文で紹介されたものだったりします。
ちなみにCutmullさんは現在3DCGアニメ映画製作会社「Pixar(ピクサー)」の創業者として今も活躍されておられます。(^^)

このCutmull-Clark曲面設定は、Metasequoiaのオブジェクトパネル上でオブジェクト名を選択してマウス右ボタンをクリックするとポップアップするメニュー内で設定できます。メニューは「2」「4」「8」などの数字が書かれたサブメニューがあり、これは1つのポリゴンを幾つ×幾つで分割するかを指定します。例えば「2」なら2×2で4面、4なら4×4で16面に分割されます。分割数が多ければ多いほど形状表面はスムーズになっていきますが、分割数が多くなっても問題が発生する事があります。
但しこのメニューで曲面および分割数を設定するだけならば他の自由曲面計算方式に変更する事も出来ますし自由曲面なしの状態に戻すこともできます。ここでうっかりメインメニューの「オブジェクト」項目の中の「曲面・ミラーのフリーズ」を選択してしまうと再び分割数の変更を変更できず元に戻せなくなる場合があります。


しかし上の自由曲面分割を見て思うのは、「とがって欲しい所がとがらない」という残念さです。

これは何とかならないのか?実は回避できる方法があります。

とがって欲しい角の付近のポリゴンを細かく分割してやるのです。するとその分の曲面計算も分割に従って鋭い形状を残してくれます。
本日はその再分割を試してみました。結果は以下の通りです。



このように昨日のモデルよりは角が目立つようになりました。しかしまだまだ調整の余地はあります。



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そうこうしているうちにハクさん本体も少しずつ調整が進行しています。
現在は顔部分、特に目のあたりのポリゴンの水漏れ防止策を進めています。まだまつ毛の厚み付けが終わっていませんが、目のくぼみのあたりはかなり手が入ってきました。

明日はハクさんの体本体にもどんどん手を入れていきます。お楽しみに。(^^)

※ 以下のハクさんモデルは髪の毛を自由曲面設定しています。これもまだ問題があるので修正していきます。



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