そ の ひ ぐ ら し

その日1日を良く暮らせればよし。
スカイツリーのふもとでちびと小ちびとオットと4人暮らし。

旅と新幹線

2010-04-24 21:19:22 | journal
乗り物全般が好きな私だが、新幹線は特に好きな乗り物のひとつ。
会社のあるJR田町駅は、すぐ横を東海道新幹線が平行して走っている。
東京駅を出発したばかりの新幹線がするすると西へ向かって通り過ぎると、
つい子供みたいにじいっと見つめてしまう。

新幹線に乗るとき、かならず思い出すことがある。
ひとつは、はじめてひとりで新幹線に乗ったときのことだ。

母方の祖父である「岐阜のおじいちゃん」は私が中学3年のときに他界した。
肝臓を悪くし、入院生活が長引いていた。
容体が悪化し、あまり長くないかもしれないからと、親子で6月のある週末に、母のふるさとの岐阜を訪れた。

土曜日、新幹線で岐阜にかえり、祖父を見舞い、母の実家に泊まった。
日曜日、帰るからねともう一度病院を訪れたそのときに、
まるで会えて安心したというように呆気なく息を引き取ったのだった。

当然なんの支度もなかったので、私がひとりで千葉の家にかえり、
皆の喪服やら身の回りの品々やらをもって、翌朝岐阜に戻ることになった。

不謹慎極まりなく、祖父には申し訳ないと思うが、
その重要なお使いを仰せつかった私ははじめての「ひとり旅」に終始わくわくして意気揚々としていた。
ひとりで新幹線に乗れたことが大人への入口のように思えた。
振り返ればあれが大人への階段の一段だったと思う出来事は人生のなかにいくつかあるけれど、
あのときのことは『絵付き』で覚えている。
翌朝岐阜に戻る新幹線からは、6月だというのに真っ青な夏空がひろがっていた。
Original Loveの“It's wonderful world”を聴きながら、
あぁなんて今日の青空にぴったりだろう、と車窓から外を眺めた。
私の旅好きはあの瞬間からはじまったのかもしれなかった。
生前祖父が好きで撮っていた写真の世界に私が今になってはまっていることも、
私にとって旅と写真が切り離せないことも、なんだか因果だ。


もうひとつは、アメリカから戻った夏に友人を訪ねて秋田へ行ったときのこと。
アメリカでAmtrak(長距離列車)の旅をして帰ってきたばかりだった。
列車は揺れるし遅いし狭いし、おまけに道中で体調を悪くして、印象はさんざんだった。
おまけに車窓からの風景なんて、どこまでいっても荒れ野原なのだ。
大きな都市を通るとき以外は、黄色っぽい風景がずっと続いている。

そんな旅のあとで東北新幹線に乗ったときの驚き。
新幹線のクオリティ(スピード、揺れの少なさ、広さ、快適さ・・・)にもあらためて驚いたけれど、
なにより日本の田園風景の美しさに見とれた。
手入れされた水田に、綺麗に丈の揃った稲が緑々しい。
これでもかと生い茂る山の緑。
誇らしい気持ちになった。

アメリカ滞在中に、自分は日本についてなんと無知かと思い知った。
帰ってきて、そんな美しい田園風景を見て、日本をもっと旅したい、知りたいときっとそのときどこかで思った。
導かれるようにして、会社で地方勤務になり、あるいは友の住む街に招かれて、ようやく22都道府県。
私の旅は、まだ道半ばだ。
Comments (2)
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えへへ

2010-04-24 21:13:15 | journal
Photomemo
土曜のよる、至福のとき(≧ω≦)168453


【そんなときの1枚
7/キリンジ

キリンジはいつでもそうだけど、この脱力感がたまらん。
ゆるい週末の夜にどうぞ。
お気に入りは『タンデム・ラナウェイ』
オトナです。
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