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止まないカーテンコール レ・ミゼラブル 5

2007年08月25日 23時23分00秒 | 観劇

今回も、19世紀初頭のフランスへ、旅をしてきました。
7月29日に初めて足を運び感動を味わって以来、5週連続で週末の旅に足を運んでいました。
そのレ・ミゼラブルの東京公演も、今日を含めて残り3日。 27日のマチネ公演で千秋楽となり、博多座へ舞台を移します。
そんな楽日間近の空気が、客席にも感じられるようになってきました。
このレ・ミゼラブルという舞台が、なぜここまで人の心を惹き付けるのか?
劇場を見渡していると、観客の年齢層の広さが目につきます。
劇場以外でもレ・ミゼラブルの話題を出すと、観た事があるという方の多さに驚きます。
日本初演以来20年という時間が、多くの人に感動を与えて来たのでしょうね。

犯した罪を多大な時間を費やし罪を償いながらも、出獄してもなお犯罪者としての過酷な責めを背負わされたものたち。
子供をかかえ、仕事も収入も得らず、娼婦として生きながらえる女性達。
親に見捨てられながらも、逞しく生きて行く路上の子供達。
荒んだ社会を見下すかのように、狡賢く生きて行く者達。
豊かな家庭に育ちながらも社会の矛盾に半旗を翻していこうとする、思想家達。
彼らに追随する、学生達。
全編で様々な場面での、神への信仰心。
その信仰がありながらも、死をもって正当性を主張して行く姿は悲しさの反面、なぜと言う疑問すら考えさせられます。
将軍の死を無駄にするな!
バリケードでの最初の犠牲者となった、エポニール。
エポニールの死を無駄にするなと言う言葉で、自分たちを奮起させる学生達。
自分たちが死んでも何かが残ると歌い上げていたが、バリケードが一夜で陥落した後に残っていたのは赤い旗の一部のみ。
死んで行く学生達に対して、新しく誕生する命の繰り返しを歌い上げる女達が印象に残ります。

裕福な階層と比較すると圧倒的多数となるこれらの人々を取り扱ったこの舞台は、物資的には豊となりながらも誰もが歪みを感じる現代社会の生きる人達にとって、どこか自分が感じている現実と重なる部分を感じているのではないのでしょうか?

個性的な役柄の中、酔いどれ学生グランテールが、最近はお気に入りです。
遅れて来たマリウスの話を茶化し、テーブルに片足をかけ『~まるでオペラ!」と歌い上げるシーン。
スパイとして潜入して来たジャベールの正体を暴露した後、酒をガブローシュに振る舞うシーン。
口にしてすぐに吐き出したガブローシュの頭を叩いているシーン。
戦況が不利になって来た時、『死など無駄じゃないのか?空しくないか?』と歌うシーン。
バリケードに舞い戻り、足りなくなった弾を拾いに飛び出していったガブローシュを止められなかった時の後ろ姿等々。

観劇の機会がもう少しあれば、もっと様々登場人物についても観られたと思うと残念です。
次に観劇のチャンスが訪れた時には、別な方のバルジャンも観てみたいものです。

カーテンコールでは、この日が楽日となるマリウス役の山崎さん、ファンティーヌ役の今井さん、アンジョルラス役の原田さんの3人が岡さんから紹介され、挨拶をされていました。
しっかりとした挨拶をされた山崎さんに対して、今井さんはかなり緊張されたのか小声で早めの口調で挨拶をされました。
原田さんもかなりの緊張をしていたのか、挨拶の途中で『~穴と言う穴が開いて・・・」のフレーズには、ステージの共演者からも笑いの声が上がっていました。
楽日も近くためか、観客の拍手も止まる事を忘れたかのようになり続き、何度ステージに登場した事か。
最期の方は、先ほど挨拶をした3人で観客に手を振って応え、さらに男性2人が投げキスをして長いカーテンコールが終わりました。
27日の楽は、どんなカーテンコールが観られるのでしょうか?

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