goo blog サービス終了のお知らせ 

sky is blue

言わなければよかったのに日記

音楽と音楽の間に流れる音楽を感じろ!

2005-11-29 22:40:50 | 音楽コラム
グループ魂に「新しいロック」という曲がある。<新しいロックがやりたい♪>とご機嫌に歌いだすのだが、こう続く。

<俺の考えた新しいロックは 残念ながら もう誰かがやっていた>

音楽の世界でも「パクリ」という概念はあるけど、一体どこからどこまでがパクリなのかというのは、人によって捉え方や感じ方が違ったり、結局は作り手側にしか分からないところであったりして、ものすご~く曖昧だ。「愛があれば良い」という意見もあるが、愛し方や愛情表現は人それぞれだし、愛を感じるかどうかも人それぞれだから、一概には言えない。それに、愛がなきゃダメだとは思うけど、愛があればそれで良いのかと問われると、そうとも言い切れない気がする。また、パクリというか引用というかインスパイアというか…言い方は何でも良いのだけど、それを自覚している場合としていない場合とがある。分かっててワザとやる場合と無意識のうちに出てしまった場合と…色々あると思うが、どれもアリだと思うし、そこがパクリかどうかの判断基準だとは思えない。とにかく、すごく曖昧だ。

だからと言って、「違う人がやれば違うものになる」だなんて、簡単には言い切りたくない。そりゃそうかも知れないけど、だったら、誰が何やっても良いの?ってことになる。で。うん。そうなんだよ。「誰が何やっても良い」んだよ。音楽は「自由」であるべきなんだから。でも、その「自由」に、ホントにちゃんと立ち向かっているのか? 自由には、責任や覚悟がともなうものだと聞くけれど…。

音楽が自由であり続ける限り、この「どこからどこまでがパクリなのか」といったテーマは、永遠になくならないものだと思うし、また、なくなってはならないものだとも思う。自由を求め続ける限り、向き合い続けなければならない永遠のテーマなのだろう。

「みんな誰かに影響された」

NHK衛星でやっていた『ロック誕生50年』という番組で出てきた言葉。何ものにも影響されなかった人なんていない。仮にいたとしても、何かからの影響を感じ取れないような人に、音楽なんて生み出せるだろうか。生み出せたとして、そういう音楽に心打たれるだろうか。何かに影響されるから音楽が生まれて、また、その音楽に影響されるんじゃないだろうか。そこを否定してしまえば、音楽そのものを否定してしまう気がする。音楽じゃなくったって、例えば私だって、自分の住んでる環境や今まで出会ってきた人や経験に影響されてるに決まってるわけで、それを含めて私なわけで、そこを否定してしまったら、私なんてどこにもいなくなってしまう。

だから、何かからの影響は当然あるとして、そこからどうするか、だよね。大体、簡単にパクリパクリって言ってるのを聞くと、じゃあ、パクリって言われないような曲を作ることが作曲なの?って聞きたくなるよ。音楽がそんなツマラナイものなってしまったら嫌だよ。さっきも言ったけど、音楽には自由であって欲しいんだ。それがそんなビクビクしたものだったりしたら嫌だよ。かと言って、何でも良いわけじゃないけどね。だから、何かからの影響はあるとして、そこからどうするかだから、そこは避けて通れないものだし、逆に、そこを避けて通ったものなんて、ツマラナクナイ?ってことが言いたいわけよ。だってさ、私が何かを表現する場合、自分が色んなもんから受けた影響を出せなかったらツマラナイし、そもそもそんなことしたら何も表現できなくなっちゃうし、仮にできたとしても、それは自分にとって全くリアリティのないものであって、まぁ全然「自由」じゃないよね。

でね。そうやって、何かからの影響が何かを生みだして……って、そこが面白いんじゃないの!って言いたいわけよ。それが音楽というものだろ?って言いたくなるくらいだよ。たっっくさんのアーティストが守り抜いてきたものだろ?って。「パクリ」だと切り捨てるのは簡単。「違う人がやれば違うものになる」と切り離すのも簡単。だけど、ひとつの音楽から別の音楽が聴こえてきて、その別の音楽に最初に聴いた音楽を見つけて。そういうのを感じたときの幸せったらないよ。コール&レスポンスっていうか、点が線になるっていうか、ひとつの音楽の背景に、大きな大きな何か(流れ)を感じて、何て言葉にしたら良いのか分からない、至福のひとときだよ。だからさ、音楽と音楽の間に流れる音楽を聴け!ってことなんだよ。そこにも音楽が流れているんだぞ!って。それに、不思議なことも起こるんだ。例えば、音楽Aと音楽Bに繋がりを感じたとするよね。時系列で言えば、音楽Aの方が先に生まれているはずなのに、どっちが先か分からなくなったり、音楽Bの方が先なんじゃないか?って思えたり。もしくは、音楽Cと音楽Dに強い繋がりを感じたとして、でもそれぞれはそれぞれの存在を全く知らないまま生み出されたとか。そういうの、ドキドキするよね~。

でも、さっきも言ったように、何でも良いわけじゃない。私が思うに、例えば、○○から影響を受けた音楽があるとして、それを聴いたとき、「これなら○○を聴けば良いや」と思わせてしまったら、負けなのかな。点が線になる大きな流れって書いたけど、何かから影響を受けて、それを何らかの形で還元して、その大きな流れに還すというか。色んなものからの影響で作られてるのが自分だとして、それを受け止めて咀嚼して、自分なりの何かを生みだすというかさ。受動が能動に変わる瞬間に、人は感動するんじゃなかろうか。「生かされてる」が「生きている」に変わる瞬間っていうかね。う~ん、話が広がり過ぎてるかぁ。とにかく、「何かが生まれる音」が聴きたいわけよ! その音楽にしかない何か。その音楽が生まれる前と後とでは、何かが確かに違う音。そこに何らかの「流れ(グルーヴ)」を感じるわけだよ。もしかしたら、後続のミュージシャンであればあるほど、ハードルは高くなっていくのかも知れないね。でも、同時に、恵まれてもいるんだから、それに負けないでいこうよ! たっっくさんのアーティストが守り抜いてきた「流れ」を止めるようなことだけはやめようよ! 私たちはその「流れ」に身を委ねたいだけであって、それをどっちが先だ後だと、まるで自分が生み出したもののように、どうのこうの言う人もいるけど、この「流れ」だけは止めさせないよ! あ、誤解のないように言っておくけど、その「どうのこうの言う」っていうのと、「流れ」がどっからどうきて~と研究することとは全然違うよ。その「流れ」を汲み取ろうともしないで、先か後かとか好き嫌いとかイメージとかだけで判断する人を言ってるだけだから。とにかく、「流れ」は止めさせないし、止まらないよ! 心配しなくても、「流れ」にのらない「パクリ」なんてものは、放っておいても、「流れ」からは自然にこぼれ落ちていくんだから。

って、私は何もの?って感じですが(笑)、影響と言えば、単純にその人のルーツや嗜好が分かって楽しいってのもあるよね。まぁ、パクリパクリって騒がれるのは大体有名アーティストと相場が決まっていますので、ここでは、あゆの話をしようかな(笑)。あゆがどんな音楽的嗜好なのかというのは、どのくらい知られているのか謎ですが、その理由のひとつに、そういうのがあまり語られてないってのがあると思う。正確に言えば、語る場が与えられてないってことかな。ファンなら熱心にチェックもするだろうけど、一般的なレベルではあまり語られてないよなぁ。で、私が知る範囲で言うと、スマパンはかなり好きらしい。あゆの曲に、モロ影響出てる曲あるし。あと、雑誌の「今日持ってるCD」っていうので、レッチリ、ファットボーイ・スリムだったことがあったはず。それと、最近聴いてるのは?って聞かれて、ジョーン・オズボーンって答えてたときもあった。あと、ノー・ダウトがライヴ前にかかってたとか。ニルヴァーナやレディオヘッドも好きと言っていたって話も聞いたことあるんですけど、どうなんでしょ。また、小さいころは、ツェッペリンやディープ・パープルを聴いていたとか。ホントかよ!(笑) ベイビーフェイスやアン・ヴォーグなどのブラック系も好きっていうのは聞いたことある。あと、マドンナは大好きに決まってるしぃ♪ って、あゆはナンデモ屋かよ!(笑) ま、良いじゃないか。私もナンデモ屋だし(笑)。まぁ、あまり語られてないのもあって、私も、実際はどうなんだろって疑ってたんだけど、MTVにあゆが出たときに、「本当にちゃんと聴いてるんだなぁ」って感じたんだよなぁ(私エラそう)。世界のチャートを見ていく番組で、司会者に話振られても、自然に普通に答えてたもんなぁ。普通に知ってそうだったもん。「気になるのありました?」って聞かれたら、「JAY-Zカッコ良い~」とか言ってたし。私より詳しいじゃん!(笑) そういや、『恋のから騒ぎ』に出たときだって、リンプ・ビズキット知ってたしなぁ。

どれも有名どころばかりじゃん!って言うかも知れませんがねぇ、この前ですよ、たまたまMTVつけたら、大○愛が出ていたわけですよ。同じく世界のチャートを見ていく番組だったんですけど、司会者が「気になるのあります?」って言ったら、彼女なんて答えたと思います? 「何言ってるか分からん」ですよ!(歌詞がってことでしょうか) で、司会者が「洋楽はあまり聴かないですか?」みたく聞いたら、「そうですねぇ」みたいに適当に答えてましたけど。そのときはマドンナが1位だったのですけど、かろうじて「レオタード凄いなぁ」ですよ! いや別にね、洋楽がエラいと言いたいわけじゃないんです。洋楽を知ってる知ってないでどうのこうの言いたいわけじゃないんです。ただ、あなたは、少なくとも音楽を志す者だろう? じゃったら、「何言ってるか分からん」は無いだろ。他に言い様はないのか? 言葉が分からなくったって、音楽は音楽だろう? ミュージシャンが音楽に対して「何言ってるか分からん」って言ってるわけですよ? 向上心とかプライドとか勉強しようとか敬意とかそういうのはないのですか? いやね、知らないのは知らないで良いんですよ。私だって、知らないの一杯あるし、知らない方が多いに決まってるし。だけど、その発言と態度はあんまりじゃ? 分かってて開き直って敢えて言ってるのなら良いんですけど、素っぽかったからなぁ。

と、随分イヤな感じで書いちゃいましたが(ごめん)、あゆの話に戻すと、気づくのは、上に挙げてるアーティスト、全部、洋楽なんだよね。だからあゆは、かなりの洋楽嗜好(志向)であると思われます。実際、雑誌とかで名前挙げるの洋楽ばっかだしなぁ。だからと言って、「私、本当はこういうのが好きなんです!」とかって“変に”アピールしないところが素敵! そんでもって、サザンとかユーミンとかも大好きで、『Mステ』で「オレンジレンジ好きで」とかあっけらかんと言えちゃうあゆちゃんは素敵すぎる! んもう大好き! な~んだ、私の言いたいことって結局それかぁ(笑)。

まぁね、何が言いたいのかといいますと、「パクリはとにかく犯罪」で「犯人探し」をするよりも、「違う人がやれば違うものになる」と「無関心」でいるよりも、私は「共犯者」でいたいって、そういうことなんですよ!

自由には、責任や覚悟がともなう。だったら、だまし通せ! 信じ通せ! きっとその先に、自由(音楽)はある!

熱くなり過ぎた後に…