【私だけの学習メモ】 高校講座を視聴していない方には、何の事やらさっぱりわからない私だけの学習メモですので、全く読む必要はありません。
頑張って高校講座で勉強しました。
今日の教科は;
【ロンリのちから】第17回 ロンリのちから (17)問題を整理する
マリアと圭次
次の展開を議論中
圭次が台本を書けなくて困っています。次の展開に悩んでいるようです。
圭次「新しい仲間が登場するのは決まってるんだけど、どうやってその仲間を見つけるか…。」
来緋「ただ歩き回って仲間を探すだけじゃつまんないよ。」
マリア「っていうかさ、私はやっぱりなんで彼らが生き残ったのか、原因が気になる。」
ノーノ「ネコはいたんだから、人間以外にも生き残ってる生き物はいるってことだよね?」
来緋「っていうかさ、食糧やばくない?」
圭次「歩き回って探す以外、仲間を探すいい方法あるかな。」
マリア「わたし、おいしいお店は歩き回って探すけどね。」
ノーノ「偶然いい店見つけると嬉しいよね~!」
圭次「だから、台本のこと考えてよ!」
来緋「だからさ、食糧どうなってるの?」
圭次「スーパーに缶詰とかあるんじゃない?」
来緋「缶詰なんて死ぬまでもつわけじゃないし…。」
ノーノ「畑作ろうか!」
マリア「ノーノはさ、なんであの三人が生き残ってたって思うの?」
来緋「っていうかさ、圭次はどうやって仲間を探せばいいと思ってるわけ?」
圭次「だから、それを考えようとしてるんじゃないか!話が全然進まないよ…。」
体育館のステージ上に現れた溝口先生
突然、体育館のステージ上に現れた溝口先生。
みんな「溝口先生、何してるんですか?」
溝口先生「それより圭次、台本はできたのかしら?」
圭次「すみません。まだなので、今みんなと議論していたのですが…。」
溝口先生「でも全然話が進まなかった。」
圭次「はい。」
溝口先生「どうしてきちんとした議論にならなかったのか、議論を前に進めるためにはどうしたら良いのかプレイバックして検証してみましょう。」
▶なぜ議論は前に進まなかったのか?
マリア
溝口先生
4人の今までの議論の一部始終はカメラで撮られていました。
自分たちの議論のようすを改めて見た4人。
溝口先生「あなたたち、一度にいくつの問題を考えようとしていたと思う?」
圭次「僕としては台本のことだけ。つまり、1つなのですが。」
溝口先生「1つの問題に見えても、そこに複数の問題が含まれていることがあるの。それをきちんと区別しないで一度に話し合おうとしてもうまくはいかないわ。」
ノーノ「どうすればいいの?」
溝口先生「問題を分けて整理すること、そして順番に考えていくことが大事。さっき一度に考えようとしていたことは、いくつかの問題に分けられるはず。」
マリア「私は、生き残った原因を問題にしたね。」
来緋「僕は、食糧のことを問題にした。」
圭次「僕が問題にしたかったのは、仲間を探す方法。」
ノーノ「そっか。3つの問題をいっぺんに話してたんだ。」
問題1つ解決
ノーノ
マリア「じゃあ、それぞれ片付けていこう。まずは仲間を探す方法、この問題に集中しよう!」
圭次「来緋が言うようにただ歩いていて偶然出会うんじゃ、ストーリーとして弱い気がする。」
ノーノ「メッセージをくくりつけた風船を飛ばしてみるとか。」
圭次「ロマンチックだけど…。」
マリア「でも、こっちからメッセージを発信した方がいいよね。向こうもきっと誰か探しているはずだから。」
ノーノ「でも、もう携帯電話も使えないんでしょ?」
圭次「電気が通じてないから。」
来緋「…そうだ。旗をあげるのは?こっちが生き残ってるぞって知らせるために“生きてるぞ”って書いた旗。」
圭次「来緋にしては熱いかんじでなんかいいね!」
マリア「今までと発想が切り替わったかんじがしていい!」
圭次「よしっ。問題1つ解決。」
ノーノ「前進したね!」
マリア「この調子で残りの問題もひとつずつ考えて、良い台本にしよう!」
誰も見つからず疲れた様子の3人
旗をかかげてみる
書きあがった台本で練習を始めた演劇部。
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タネ「これ以上探しても無駄だよ。やっぱり誰もいないよ。」
アジオ「もっと探せばきっと生存者は見つかるよ。」
ヒネ「なんで私たちが生き残ったのか、原因を考えようよ。」
タネ「食糧はどうするのさ?」
アジオ「缶詰があるだろ。」
タネ「死ぬまでもつってわけじゃないし…。」
ヒネ「アイス食べたい…。」
アジオ「ちょっと待ってよ!今考えなくちゃいけない問題はいくつもある。でも、次に何をしなくちゃいけないか問題を整理して考えようよ。」
ヒネ「わかった。アイス撤回。」
タネ「食糧はだいじな問題だよ。」
ヒネ「生き残った原因も。」
アジオ「それから、仲間をどうやって探すか。」
ヒネ「問題は3つ。」
アジオ「今考えなくちゃいけないのは仲間を探す方法だと思う。食糧はまだしばらくは大丈夫。生き残った原因は僕だって知りたい。でも、僕たちと違って1人ぼっちで生きる希望を失っている仲間がいるかもしれない。」
ヒネ「1人かぁ。孤独……つらいだろうなぁ。」
タネ「旗…。」
ヒネ「旗?」
タネ「うん。向こうだって誰かを探してる。だから旗をあげて、僕らが生きてるってことを示すんだ。」
ヒネ「いいかも!」
アジオ「さっそくやろう!」
旗をかかげた後、人の足音が近づいてきました。
ヒネ「あっ……誰か生きてる!」
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いいかんじにできた
来緋
マリア「いいかんじ!問題を整理するっていうのも、さっそく取り入れたんだね!」
圭次「うん。」
ノーノ「混乱から立ち直った!みたいなかんじ。」
来緋「でも、演劇部の話し合いもよくゴチャゴチャになってるよね。」
マリア「そうそう。いっぺんにいろんなこと問題にして、何が問題なのかわからなくなってるよね。」
圭次
溝口先生
圭次「問題を整理して1つずつ議論する。そうやって考えていかないと、なかなか前に進めない。もしかして、これも…?」
溝口先生「そう。それも、ロンリのち・か・ら☆」
▶不思議の国のロンリ劇場~不思議の国の問題~
アリスとウサギさん
人生の問題は問題そのものがハッキリしていない
ウサギさん「お~い、アリスちゃ~ん。お~い!…あっ。こんなところにいた。どうしたんだい?」
アリス「私、いったいどうしたら幸せになれるのかしら?」
ウサギさん「それは何を幸せと考えるかによるね。」
アリス「どういうこと?」
ウサギさん「『どうすれば幸せになれるか』を考える前に『幸せとは何か?』を考えるべきだね。」
アリス「ウサギさん、それ難しい問題ね。」
ウサギさん「そうだね。人生の問題はテストとは違う。テストは何が問題なのかハッキリしているけど、人生の問題は問題そのものがハッキリしていないから、まず何が問題なのかを考えなくてはいけないんだ。」
不思議の国は存在自体がおかしい?
問題ないと言い張る仲間たち
アリス「不思議の国なんてさ、存在自体が絶対おかしいんだけど、何が問題なのかがハッキリしないよね。」
帽子屋「不思議の国に問題なんかないぞ!」
ハンプティダンプティ「問題なんかない!」
ティードルディ「ないったらない!」
ティードルダム「これでいいー!」
チェシャ猫「これでいいんだ!」
女王「問題なんて絶対ない!」
アリス「そんなぁ…問題あると思うんだけどなぁ!」
【社会と情報】第18回 社会における情報システム プログラミングに挑戦
今回のテーマは「プログラミングに挑戦」。
プログラミングといえばゲームやロボットです。
自然に見えるロボットの会話も、コンピュータでプログラミングされています。
それではプログラミングについて学んでいきましょう!
スーパーササダンゴマシンさん
いつも裏アカに書いているグチを仕事用の表アカに間違って書かない
.
ササダンゴさんによるプレゼン。今回のテーマは「世界一のロボットを開発しよう」です。
ロボットを動かしたいのは男の子にとって永遠の夢だとササダンゴさん。
女の子はアイドルになりたいという夢を持っている人が多いと感じているそうです。
つまり「ロボットを動かしたい」という夢と「アイドルになりたい」という夢を合わせると、全人類の夢は「ロボットアイドルの開発」ということになります。
そこでササダンゴさんは、いいロボットアイドルの3つの条件を考えました。
その条件とは、「握手の力を自動で調節」「アルコールを瞬時に分解」「グチを仕事用のアカウントに間違って書かない」というもの。
完璧なアイドルを作るのもプログラム次第!とササダンゴさん。
ロボットだけでなく、スマホのアプリやゲームもプログラミングで動いています。
「プログラミング」とはコンピュータに意図した処理を実行させるために指示を与えることです。
自動で賢く働いてくれる家電製品などでも、プログラミングが活躍しています。
▶自動で動くのはなぜ?
ロボットが自動で検査場所へ移動
チェックをしてできあがり
今回は、ロボット掃除機を作っている電機メーカーの工場を訪れました。
組み立てられた完成品のチェックもロボットならでは。
ロボットが自動で動いて検査場所へ移動し、チェックをしたらできあがりです。
ロボット掃除機の開発現場を見てみましょう。
齊藤弘幸さん
現在のロボット掃除機(2016年)
ロボット掃除機の開発を担当している齊藤さんに案内していただきます。
この会社では20年ほど前からロボット掃除機の開発を続けています。
初期は今とは違う四角型。さまざまな形を経て今の三角形になりました。
センサで部屋の形を判断し、自動で掃除している
この掃除機には障害物などを感知する超音波センサが3つ。
そして床の凹凸などを感知する赤外線センサが5つ付いています。
これらのセンサからの情報をもとに部屋の形を判断して、自動で掃除をするしくみになっています。
部屋の形にあわせて進み、障害物は避けて掃除し、終わったら充電に戻ります。
こうした賢い行動を支えているのがプログラミング。
さらに新しいプログラムが次々と開発されています。
最新のプログラムはどうなっているのでしょうか?
目に見えないゴミ
じゅうたんの凹凸を見分けて吸引力を変える
新しく搭載されたのは、床面の状態を検知して掃除する機能。
ためしに、じゅうたんの中に人間の目には見えないゴミをまいてみます。
ロボット掃除機を作動させると、じゅうたんの凹凸を見分けて吸引力を変えます。
さらに、ゴミの量を感知してゴミの多いところは何度も念入りに掃除するように動きます。
また、落下防止機能もあります。
より高度なロボット掃除機をめざして、開発が進められています。
▶簡単プログラミング
小林道夫先生
宇宙エレベーターロボットを動かす
SF小説がもとになり、実現に向けた検討も始まっている超巨大なエレベーター。
もし完成すれば、宇宙ステーションと地球をロケットがなくても行き来できるという夢の乗り物です。
この宇宙エレベーターの小型ロボットを使ってプログラミングの腕を競い合う競技会もあります。
競技会では、制限時間内になるべく多くのピンポン球を宇宙ステーションに運びます。
モータ
センサ
コンピュータ
プログラム画面
ロボットには登っていくためのモータと壁を感知するセンサがあり、それらを小さなコンピュータで制御します。
プログラムというと難しく思えますが、アイコンを並べると、それだけで簡単にプログラミングが出来ます。
ロボットなどを使って簡単にプログラムを学べる機会が増えています。
プログラミングは情報社会を生きていく上で、大切な能力です。
▶アルゴリズム
ロボットを動かす
ロボット競技会に参加する生徒たちのところへ行ってきました。
ロボットを動かしてもらうと、無事宇宙ステーションに入っていきました。
でも、そこで動きが止まってしまい、ピンポン球は少ししか入りません。
競技会は一週間後。生徒たちは試行錯誤の真っ最中です。
エレベーターロボットを動かすにはどんなプログラミングが必要なのでしょうか?
古関さんがプログラミングにチャレンジ!
まずスタートのブロックを置く
モータを動かす処理をつなげる
まず、プログラムをスタートさせるブロックを置き、それに処理を追加していきます。
モータを動かすブロックをスタートにつなげると、プログラムがひとつできあがったことになります。
このブロック1つが1つのプログラムとして働きます。
画面にブロックをひとつずつ足していくだけで、プログラミングできるようになっています。
モータを3つ動かす処理
センサが天井を検知する処理
例えば、このロボットには3つのモータが付いています。
モータを動かすブロックを3つ並べることで、エレベーターが動き出します。
次に、先端に付いているセンサで宇宙ステーションの天井を検知します。
センサが天井から5cmの距離を検知するように設定します。
こういった、ロボットなどを動かす手順を「アルゴリズム」といいます。
アルゴリズムが良ければ、ボール運びもうまくいきます。
モータを3個止める処理
天井から5センチのところで止まった
ステーションの天井を検知したら、3個のモータを止めます。
モータを止めるブロックを3つ入れます。
実際にロボットを動かしてみると、天井から5cmのところで見事止まりました!
ただ、このアルゴリズムではピンポン球を運ぶのは1回だけ。
何回も運ぶにはどのようなプログラムにすればいいのでしょうか?
▶アルゴリズムの改善
早瀬龍一さん
競技会に参加する早瀬さんの考えたアルゴリズムを見てみます。
早瀬さんの考えたアルゴリズム
上昇していったロボットのセンサがステーションを検知するとスピードを緩め、確実にボールを入れます。
その後は逆回転ですばやく降りていき、下に着いたらまたスタートして繰り返すというアルゴリズムです。
このアルゴリズムをロボットで実行してみると、ピンポン球が少ししか入らず、途中で止まってしまいました。
そこでモータやセンサのプログラムを調整して、より確実に動くようにしていきます。
最初成功したものでも、また必ず成功するわけではありません。
競技会に向けてプログラムの修正が続きます。
アルゴリズムを工夫して、より良い解決方法を探しましょう。
自分でプログラミングをして作れる時代
演習の中では、コンピュータのことだけでなく、ロボットの構造や宇宙のこと、チームワークなど、いろいろなことを学んでいきます。
今は、大きな設備がなくても自分でプログラミングをして、3Dプリンタを使って自分で作ることができる時代になっています。
自分で問題点を見つけて、それを解決する力を身につけていきましょう。
▶ロボット競技会当日の様子
宇宙エレベーターロボット競技会の様子
開催された宇宙エレベーターロボット競技会には、小学生から高校生まで全国からおよそ70チームが参加しました。
工夫に工夫を重ねたさまざまなロボットが、制限時間の4分間でピンポン球を4m上の宇宙ステーションまで運びます。
早瀬さんはぎりぎりまでプログラムを修正。
宇宙ステーションに着いたら細かく動いて、ピンポン球をたくさん入れるように改良していました。
その結果、早瀬さんのチームは第3位!
【生物基礎】 第7回 葉緑体とミトコンドリアの起源
葉緑体とミトコンドリアの起源
アメーバがシアノバクテリアを取り込む
宮城島さん 「無色で単細胞のアメーバが、シアノバクテリアを細胞内に取り込んで4時間くらいかけて消化中です。中が緑色に見えていますね。」
シアノバクテリアは、光合成の回(第5回)でも出てきました。
「アメーバがシアノバクテリアを取り込む」って……食べたということでしょうか?
▶細胞内共生説とは?
宮城島 進也さん
細胞内共生説とは?
共生細胞進化研究者の宮城島 進也(みやぎしま しんや)さんは、細胞内共生による進化を研究しています。
それは、どのようなことなのでしょうか?
宮城島さん 「今は細胞の中にある、呼吸をするミトコンドリアや光合成する葉緑体。昔は独立に生きていた、光合成するバクテリア・呼吸をするバクテリアが、それぞれ細胞の中に取り込まれ、細胞の中で共生する『細胞内共生』をして、ミトコンドリアや葉緑体になったというのが、細胞内共生説です。」
ミトコンドリアや葉緑体って、別の生き物だったのですか!?
では、どうやってミトコンドリアや葉緑体になったのでしょう?
細胞
葉緑体
ミトコンドリア
真核細胞内にある細胞小器官、ミトコンドリアと葉緑体は、元は独立して生きていたバクテリアでした。
どのようにして、葉緑体やミトコンドリアは細胞小器官になったのでしょうか。
葉緑体とミトコンドリア
シアノバクテリアとプロテオバクテリア
葉緑体の起源はシアノバクテリア、ミトコンドリアはプロテオバクテリア(好気性細菌の一種)という原核生物でした。
それぞれ独自のDNAを持ち、分裂して増えていた生き物です。
細胞内共生説の時系列
約20億年前、ある真核生物が、プロテオバクテリアを取り込みました。
共生する相手を取り込んだ生物を宿主(しゅくしゅ)と呼びます。
宿主の細胞の中で、プロテオバクテリアがミトコンドリアへと変化し、菌類や動物へと進化しました。
一方、プロテオバクテリアを取り込んだ細胞が、約10億年前にシアノバクテリアを取り込み、シアノバクテリアが葉緑体へと変化します。
それが、藻類や植物へと進化を遂げたのです。
細胞内共生とは、宿主の生物が異なる種の原核生物を取り込んで共生し、葉緑体やミトコンドリアを持った細胞を形成したことなのです。
細胞が陥入する
細胞の中にもうひとつ袋ができる
二重の膜に包まれている
気の長くなるような歴史の中で、さまざまな生物に進化していき、今の私たちもあるのです。
ところで、「細胞内共生した」とは、どのようにしてわかったのでしょうか?
宮城島さん 「細胞が外から別の細胞を取り込むときには、自身の細胞膜が内側に陥入して袋をつくり(左画像)、それが細胞膜と連続しているところが切れることによって、細胞の中にもうひとつ袋ができます(中画像)。その中にバクテリアが入っています。バクテリア自身も、自身の細胞膜で囲まれているので、ミトコンドリアと葉緑体は2枚の膜で囲まれることになります。」
▶細胞内共生の発見
細胞内共生の発見
研究の様子
宮城島さん 「『細胞内共生説』は19世紀後半から存在したのですが、その理由というのが、細胞の中でミトコンドリアや葉緑体が、あたかもバクテリアが分裂して増えているかのように『分裂をしている』という観察が元です。」
細胞の中で、ミトコンドリアや葉緑体も増えているということでしょうか?
葉緑体
ミトコンドリア
植物細胞を観察してみましょう。
植物細胞の中には、光合成によって光エネルギーを化学エネルギーに変換する葉緑体と、呼吸によって有機物に蓄えられていた化学エネルギーをATPとして取り出すミトコンドリアが存在します。
形がいびつな葉緑体
葉緑体が分裂する
葉緑体に注目して見てみましょう。
丸いものだけでなく、真ん中がくびれた形のものも見えます。
くびれた形の葉緑体は、やがて2つに分かれます。
葉緑体は細胞の中で分裂し、増殖します。
葉緑体だけでなく、ミトコンドリアでも同様の現象が見られます。
オルガネラ
分裂の電子顕微鏡写真
宮城島さんは高校生のとき、細胞の電子顕微鏡写真を本で見て「細胞の中はこんなに複雑になっているのか」と興味を持ち始めたのだそうです。
宮城島さん 「大学の講義で、オルガネラ(細胞小器官)は、細胞の中で動いたり、ちぎれたり、くっついたりを繰り返しているということを聞いて、これはすごいことが起きているぞと。電子顕微鏡で観察するとリングのようなものがあり、それが縮むことによって、葉緑体もミトコンドリアも増えているようだと。」
宮城島さんが学生のときに葉緑体の分裂を観察したときのものです。
赤い三角形で示された、葉緑体がくびれた部分の小さな黒い部分がリングの断面だろうと考えたのだそうです。
リングが縮んで、葉緑体を2つに分けるのでしょうか?
分裂させるリング
外側と内側のリングにより分裂する
葉緑体とミトコンドリアは、どのように分裂しているのでしょうか。
葉緑体が分裂する際の様子を詳しく見てみましょう。
真ん中のくびれている部分を見ると、リングで縛られているように見えます。
このリングは、宿主の細胞が分裂する際と同じものでできています。
さらに葉緑体内部にもリングが形成され、「宿主がつくる外側のリング」「葉緑体自身がつくる内側のリング」の2つのリングが縮むことで、葉緑体が分裂しています。
分裂は宿主に決められる
外側のリングは宿主がつくっているんですね!
では、それはどうしてなのでしょうか?
宮城島さん 「それぞれ、ミトコンドリアも葉緑体も、元々持っていた遺伝子の多くがなくなってしまったことと、一部の遺伝子は宿主の細胞核の方に移行しています。それらの遺伝子の使い方というのは、すべて宿主の核のコントロール下にあります。葉緑体もミトコンドリアもそれぞれ分裂のためにつくっているリングのタンパク質というのは、ほぼすべて宿主の核にコードされています。ミトコンドリアも葉緑体も自身が増えるタイミングというのは自分で決めることはできなくて、すべて宿主の、細胞核の情報によって決められています。」
宿主が、葉緑体をコントロールしているのですか?
▶宿主がコントロールする理由
葉緑体
電子顕微鏡写真
宮城島さん 「増殖がコントロールされないと、共生はずっと続かないはずです。たとえば、宿主の細胞の方も増えるので、中身の葉緑体やミトコンドリアも増えなければいけませんが、増えすぎても困ります。増えなければ、葉緑体やミトコンドリアを持たない細胞ができてしまいますが、そういったことはありえません。ということは、宿主によって葉緑体やミトコンドリアの分裂がコントロールされているはずです。」
光合成のしくみ
葉緑体とミトコンドリアで行われている反応を振り返ってみましょう。
葉緑体は、水と二酸化炭素を使って、光合成を行っています。
光エネルギーを、ATPの持つ化学エネルギーに変換し、このATPの持つ化学エネルギーを利用して、二酸化炭素を材料にグルコースなどの有機物をつくります。
このときに酸素が放出されます。
呼吸のしくみ
ミトコンドリアで行われている呼吸では、酸素を用いて、有機物を二酸化炭素と水に分解します。
その過程で、生命活動に必要なエネルギーを取り出しています。
▶宿主と細胞小器官が共生するには
活性酸素
捕食
宮城島さん 「ミトコンドリアの呼吸や葉緑体の光合成は、その宿主にとって良いことではあります。ですが、どちらも水と酸素を使うという反応の果、活性酸素種を大量に発生します。これは宿主にとって非常に有害なものです。そのため、葉緑体を持つ生き物もミトコンドリアを持つ生き物も、それぞれ活性酸素種への対応策、まず『消す』ということや、なるべくできないように、というような制御をしています。実は、おそらくそういったメカニズムというのは、捕食の段階からあったのではないかと。」
「捕食」ということは食べて、取り込んだということでしょうか。
どうやって共生するようになったのでしょう?
渦鞭毛虫
盗葉緑体
宮城島さん 「無色の光合成をしない渦鞭毛虫(うずべんもうちゅう)が、自身より少し小さいクリプト藻(そう)という単細胞の藻類を細胞内に取り込み、中で大きく育てて光合成をさせて、光合成産物をもらいながら育ちます。盗葉緑体といいます。」
捕食直後
光合成産物をもらう
消化する
捕食は、とってすぐに消化をしてしまいますが、盗葉緑体は
1 捕食をした直後
2 光合成をさせて、光合成産物をもらう
3 それをしばらくしたあとで消化する
という段階を経ます。
「消化よりも一歩進んでいる、共生の手前」だと宮城島さんはいいます。
任意共生と絶対共生
盗葉緑体の次の段階が、「共生」です。
たとえば、ミドリゾウリムシは体内にクロレラを取り込んでいます。
ミドリゾウリムシはクロレラに二酸化炭素や窒素を与え、クロレラは光合成で得られた糖や酸素をミドリゾウリムシに与えて、共生(任意共生)しています。
真核細胞とそのミトコンドリアや葉緑体は、宿主と取り込まれた生物がお互いに頼り、独立して生きていけないような共生関係になっていったものです(絶対共生)。
細胞小器官になるまでは、何段階もあるんですね!
お互いに様子を見ながら、一緒に暮らす方法を模索してきたんですね。
▶ミトコンドリアの伝わり方
宮城島さん 「基本的に、葉緑体で見られていることと同じことというのは、進化的には先にできたミトコンドリアで起きていたこと。ミトコンドリアのDNAは核のDNAとは違って、両親から来るのではなくて、必ず片方の親、母親からしか遺伝しないことが知られています。」
ミトコンドリアのDNAは、お母さんからしか伝わっていないのですか?
ミトコンドリアは卵に入ると分解される
母親のミトコンドリアのみ受け継がれる
私たちの体は、受精卵という1個の細胞から始まっています。
受精卵は、卵と精子のそれぞれの核や、細胞小器官を受け継いでいます。
実は受精のとき、精子のミトコンドリアは、卵の中に入ると分解されてしまいます。
ミトコンドリアは、卵のミトコンドリア、つまり母親からのミトコンドリアのみが受け継がれているのです。
▶細胞内共生を知る意義
細胞内共生は、単純に見えてとても複雑です。
宿主と細胞小器官は、互いに支えあうことで成り立っているんですね。
宮城島さん
「共生とは必ずしも楽なものではなくて。
お互いに……宿主も縛られるし、中に共生したミトコンドリアや葉緑体も宿主に縛られるし。
お互いに制約があって成り立つもの、いいことばかりではないということが、共生なんだと思います。
40億年の生命の歴史の中で、最初にミトコンドリアができたのは20億年前ぐらいだといわれています。
細胞内共生なしに、今の、たとえば多細胞の動物がこれだけ発展していることや、陸上に植物がたくさんあるということ自体は、成り立っていないことです。
細胞内共生と、酸素を使った高効率なエネルギー変換というものが生命の中に広がっていったということを知ることは、まさに細胞内共生を知ることなので。
細胞内共生を知るというのは、今の生物の多様性と進化を知ることそのものだと思います。」
【ビジネス基礎】 第17回 第4章 ビジネスと売買取引 売買取引の手順
いただきます!
売買取引成立?
ゼガ 「もしもし、“いろとりどり亭” さんですか?“応援弁当”1つお願いします!」
社長 「おっ、今日のお昼は出前か? “応援弁当” の中身は何だ?」
ゼガ 「それは届いてからのお楽しみですよ~。」
弁当が届きます。
ゼガ 「来た!はい、1080円。ご苦労様でした。お腹すいた、いただきま~す!!」
社長 「待て待て。その前に、はい!おめでとう!」
ゼガ 「売買取引成立?」
社長 「そう、今まさに、『売買取引』が成立したんだ!」
ゼガ 「どういうこと? 」
▶売買取引の手順
売買契約の締結
売買契約の履行
ここで、ゼガ君の行動を振り返ってみましょう。
まず、ゼガ君は弁当を注文し、お店の人はその注文を承諾しました。
これを「売買契約の締結」といい、売り手と買い手の間で、売買に関する約束をしたことになります。
そして代金をお店の人に渡して、弁当を受け取っています。
買い手が代金を支払い、売り手が品物を渡すのは、締結した売買契約をお互いが実行したということです。つまり取引きが完了したことになります。これを「売買契約の履行」といいます。
ゼガ 「普段の買い物も、実は売買契約なんだ。」
社長 「そう。売買契約は、契約書がなくても、当事者の一方が申し込んで相手側が承諾すれば成立するんだ。」
ゼガ 「『取引』とか言われると、普段の買い物もなんだかビジネスをしている気分になるな。」
社長 「ビジネスでも基本的には同じなんだ。ただし売買業者どうしや売買業者と生産者との取引では、取引金額が大きくて、取引の条件も重要になる。そのため、売買契約では、こまかい取り決めがなされるのが一般的なんだ。」
ゼガ 「こまかい取り決め……、ですか?」
売買契約の条件
代金決済とは
社長 「売買契約で決めなければならないのは、商品の品質・数量・価格・代金決済の方法だ。」
ゼガ 「代金決済って何ですか?」
社長 「代金決済というのは、商品代金の支払いのことだ。支払い時期を、商品との引き換え払いにするのか、後払いにするのか、前払いにするのかといったことや、支払い方法を現金にするのか、手形にするのかなども決めなければならないんだ。」
ゼガ 「いろいろ あるんですね。」
社長 「決めておかなければならないことは まだまだあるぞ。商品の受け渡しの 場所・方法・時期 といった受け渡し条件を決める。特に受け渡し場所は、取引価格に関係するからきちんと決めなければならないんだ。」
▶受け渡し場所と取引価格の関係
「売り手店頭」と明示
引渡し後の運賃等は買い手負担
受け渡し場所によってどのように取引価格が変わるのか見てみましょう。
たとえば、商品を売り手が保管している場所で買い手に引き渡す場合は、売買契約の文書に「売り手店頭」と明示します。10万円の商品の取引価格は、10万円。これを「現場渡し価格」といいます。
売り手店頭の場合、引き渡し後の運賃・保険料などの費用と危険は買い手が負担します。
「買い手倉庫」などと明示
取引価格は、持ち込み渡し価格で105,000円
買い手が指定する場所で、商品を買い手に引き渡す場合はどうでしょうか。
「買い手倉庫」などと明示し、商品破損の危険や保険料は売り手が負担します。また、輸送費も売り手が負担します。
たとえば、指定場所まで商品を運ぶ輸送費などが、5,000円かかったとします。その費用を足した金額が取引価格となり、これを「持ち込み渡し価格」といいます。
国内取引では、「現場渡し」か、「持ち込み渡し」が一般的です。
ゼガ 「商品を受け取る場所によって取引価格が変わるのは、普段の買い物で例えると、店で買って持ち帰るか、配送してもらうかの違いみたいなものですかね?」
社長 「まあ、簡単に言うとそうなるかな。では今度は、『普段の買い物じゃ、そんなことやらないよ!』ということについて説明しよう。」
ゼガ 「えっ、何か違いがあるんですか?」
社長 「ある!!文書のやりとりだ!」
▶文書を使った「売買契約」締結の手順
おにぎり屋が米屋に問い合わせ
米屋がおにぎり屋に見積書を渡す
文書を使って売買契約を締結する手順について、ある おにぎり屋さんを例に見てみましょう。
おにぎり屋さんは、新商品を販売したいと考えました。そこで取引のある米屋さんにお勧めの米は何か、またその米の価格やその他の取引条件について、問い合わせをしました。
問い合わせを受けた米屋さんは、お勧めの米とその金額などを書き込んだ見積書を作成します。そして買い手のおにぎり屋さんに、その見積書を渡しました。
注文書が売買契約申し込みの意思表示
売買契約成立!
おにぎり屋さんは見積書を見て、商品や価格条件などを検討します。そして自分の考えている条件と合っていたので、注文書を作成し、米屋さんに送って商品を注文しました。
おにぎり屋さんが米屋さんに出した 注文書が「売買契約申し込みの意思表示」になります。
米屋さんは注文書を受け取ると、おにぎり屋さんに注文請書を送付します。注文請書が「承諾の意思表示」となり、これで売買契約が成立したことになります。
見積書・注文書・注文請書は同じ様式
ゼガ 「見積書と注文書と注文請書は、タイトルや日付が変わるだけで、中身は同じなんですね。」
社長 「そこがポイントなんだ。様式を同じにしていると、後で確認するときに分かりやすいだろ。」
ゼガ 「なるほど、考えましたね。」
社長 「感心するのはまだ早い!売買契約が成立した後は、商品の受け渡しや支払いが待っているんだ。」
納品書
検収
引き続き「商品の発送」「受け取り」といった売買契約の履行について見ていきましょう。
売り手の米屋さんは、契約の条件にもとづき品質や数量を確認し、納品する商品の準備をします。それとともに、買い手のおにぎり屋さんに渡すための納品書を用意します。納品書には、納品する商品の明細が記載されています。
そして買い手のおにぎり屋さんは届いた商品を注文書の控えや納品書と照合し、品質・数量、損傷の有無を点検します。これを「検収」といいます。
商品を受け取ったおにぎり屋さんは物品受領書を米屋さんに渡します。
おにぎり屋が支払い
米屋は領収証を発行
米屋さんは、商品代金の支払いを求めておにぎり屋さんに請求書を渡します。
おにぎり屋さんは請求書の内容を確認し、支払い条件にもとづいて代金を支払います。
米屋さんは代金を確認し、おにぎり屋さんに領収証を渡します。
売買取引完
これで売買取引は完了です。
ゼガ 「売買取引も完了したことだし、応援弁当を食べよう!」
社長 「なんじゃ、こりゃ?!」
記録
天気: 曇時々晴
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散歩人