高校講座で勉強しました。今日の教科は;
【コミュニケーション英語Ⅰ】 第10回 Let’s try! 1 日本文化を紹介しよう
未来のある日。場所はHOTEL TRENDY。
we reserved a nonsmoking room.
茶こぼし
お客様の部屋にやってきた支配人の山下健くん(狩野見恭兵)。
健「How can I help you?」
Mike「Well, we reserved a nonsmoking room.」
健「Yes. This is a nonsmoking room.」
Mike「Really? But there’s an ashtray in this room.」
健「Ashtray? 灰皿?」
Jamie「(茶こぼしを差し出して)This.」
健「あー!No. This is not an ashtray. You put used tea leaves in it.」
Jamie「Oh, it’s for tea leaves.」
Mike「OK. Sorry, we thought it was an ashtray.」
健「No problem.」
I need to move this. OK?
Mike
床の間にお客様がスーツケースを置いていることに気がついた健。
健「I need to move this. OK?」
Mike「(困惑しつつ)Um… OK...」
健は床の間に置いてあるスーツケースを畳の上に移し、部屋を出ます。
健「Please enjoy your stay.」
MikeとJamieは困惑の表情で健を見送りました。
事務所で健と、幼なじみの木村結衣ちゃん(犬塚しおり)、祖母・山下サキさん(服部妙子)が休憩しています。
結衣「(茶こぼしを手にとって)茶こぼしって言うんだ。。。確かに灰皿に似てるね。」
健「ぼくもばあちゃんに教わるまで、何に使うのか知らなかった。」
サキ「ところで健。お客様に荷物を移動した理由はちゃんとお伝えしたの?」
健「理由?いや、伝えてないけど…」
サキ「海外のお客様は“床の間”のことは知らないでしょ。理由もわからずに荷物だけ動かされたら驚くわよ。」
健「そっか…そこまで考えてなかったな。」
サキ「お客様が日本での滞在をより楽しめるように、日本の文化をお伝えするのも“おもてなし”の一つじゃない?」
結衣「“床の間”の意味を知ったら、お客様も次からは同じことしなくなるしね。」
健「確かに。でも“床の間”って英語でどうやって説明すればいいかな…」
掛軸の説明
健、結衣、サキが客間にある床の間の前でMike、Jamieと話をしています。
床の間には、ゆりの生け花と掛け軸が飾ってあります。
健「This space is called tokonoma. Tokonoma is very important in a traditional Japanese room. It’s a special place. We display works of art.」
Mike「Oh, I see, it’s a special place to display things.」
Jamie「Now I understand why you moved our stuff. We weren’t supposed to put it there.」
結衣「(サキに向かって)“床の間”は、特別な所なんだねって。荷物を移動した理由、分かってくれたみたい。」
Mike「(掛け軸を見ながら)This painting is really cool.」
健「Thank you. It’s called kakejiku.」
Mike「Kakejiku. Tell me more about kakejiku. What are the important elements of kakejiku?」
▶日本文化を紹介しよう(未来のホテル!HOTEL TRENDY)
それでは、どこがイケてなかったのか、先ほどの鳥縁屋での会話を思い出してみましょう。
床の間の説明を聞いたMikeは「Tell me more about kakejiku.」と言いました。
しかし、それに対して、健と結衣は何も答えられませんでした。
これは“トレンディー”な対応ではありません。。。
斎藤さん
Joann
たかし「自分たちの対応を見て、どう思いましたか?」
健「自分たちの旅館のことなのに、掛け軸のことを説明できなかったのはかっこ悪かったかも…」
結衣「英語で日本の良さをもっと伝えられたらいいなと思った。」
オーナー「せっかく外国のお客様をお迎えしているんだから。オレだって知ってるぞ!和室はジャパニーズ ルームだろ?」
Joann「ん~Japanese-style roomね!じゃあ、掛け軸は(何て言う)?」
オーナー「掛けるだから…フックスティック?」
Joann「あ~残念!英語ではhanging scrollって言うんだよ。掛ける巻物っていう意味。」
オーナー「それだ!それだ!それそれそれ…」
結衣「hanging scroll…意味は伝わるけど、それが何のためにあるのかを説明できたらもっといいと思うけど…」
Joann「それには文化的な背景も知らなきゃいけないし、それを英語で何て言うかも考えなきゃいけないよね。」
オーナー「じゃあ、今回は2人(健と結衣)で調べてみたらいいんじゃないか?」
たかし「オーナー!ぼくたちも何かやりましょうよ!日本の魅力を伝える何かを!!」
Joann「じゃあ、ホテルに展示する日本文化を紹介するポスターを一緒に作らない?」
オーナー「いいね!じゃあ、それがきょうのミッションだ!」
▶Today’s Mission! Part1「日本文化を紹介するポスターを作ろう」
浅草でインタビュー
健と結衣が浅草で外国人観光客に「日本の好きなもの」についてインタビューをしました☆
その結果、
着物、折り紙、茶道、ビデオゲーム、マンガ、アニメ、古いものとモダンなもの、日本の人々や食べ物、建築、美術史、文化…
などの声を聞くことができました。
実際の2人の奮闘ぶりは、番組でご覧ください!
ここで、インタビューをするときに役立つ英語をJoannに教えてもらいましょう!
オーナー「まず“日本は初めてですか?”って何て言うんだ?」
Joann「Is this your first time in Japan? って言えばいいんだよ。それに、日本に来ると初めての体験をたくさんするでしょう?そういうときには Is this your first time ~? というフレーズが使えるんだよ。」
オーナー「ほぉ~。」
Joann「例えば、Is this your first time eating natto? とかね。」
たかし「Is this your first time eating umeboshi? とか!」
▶日本文化の魅力を発見
掛軸 掛軸専門店
.
健と結衣は掛け軸について知るために、掛け軸の専門店を訪れました。
この店のオーナーの話では、掛け軸は“額”みたいなものと考えてもらえれば、とのこと。
ここで、英語で掛け軸について説明してみます!
This is one kind of traditional Japanese art.
It is a hanging scroll made of silk.
It has a beautiful painting on it.
People change kakejiku according to seasons.
書道家の寧月さん 外国人向けの書道教室
この掛け軸専門店に自分の書を持ち込んだ書道家の寧月(ねいげつ)さん。
彼女は外国人向けの書道教室を開いています。
寧月「ひらがなを教えてあげてご自身の名前などを書けるようになると何度も書いて、うれしそうに持ち帰ってらっしゃいます。」
結衣「“書く”ってwritingでいいんですか?」
寧月「writingですね!paintingだと絵を描くという意味になってしまうので。文字を書くという意味でwriting Chinese characterとか。」
健「Chinese character!」
寧月「そうですね。Kanjiと言っても通じることも多いですが、Chinese characterと言って説明しています。」
寧月さんが考える書道の魅力を聞いてみました。
寧月「外国の方は日本の“黒と白”のシンプルな美しさにひかれるんです。」
▶Today’s Mission! Part2「日本文化を紹介するポスターを作ろう」
ポスター作り
斎藤さんと健の作品
取材したことを参考にポスター作りを行いました!
テーマは「traditional Japanese culture」です☆
最初に、オーナーと健に作ったポスターの説明をしてもらいました。
We made a poster about “traditional Japanese-style room and kakejiku.”
These are tatami mats and tokonoma in Japanese-style rooms.
This is kakejiku.
Kakejiku is one kind of traditional Japanese art.
It has a beautiful painting on it.
We can feel seasons in the room by changing kakejiku.
Seasons are very important to Japanese people.
Please guess what I’m going to explain.
知己は、友だちって意味
次に、たかしさんと結衣に作ったポスターの説明をしてもらいましょう。
たかし&結衣「Please guess what I’m going to explain. It is one kind of traditional Japanese art. You use a brush and black ink.」
Joann「Is it Japanese calligraphy?」
たかし&結衣「It has kanji on it. It is difficult to read. 」
Joann「これってちなみに何て読むの?」
結衣「知己(ちき)だと思います。」
オーナー「知己は、友だちって意味だな。」
Joann「あ~!じゃあfriendって書いてあるんだね。」
結衣「It’s beautiful... black and white... 調和って言いたいんだけど…」
Joann「調和はSense of harmonyって言うかな。だから、The colors black and white create a sense of harmony.って言ったらどう?」
たかし「Japanese people enjoy it like a painting.」
▶ 阿野先生のワンポイントLesson☆
阿野先生
夜も更けたHOTEL TRENDYでは大人の時間が流れています。
オーナー「きょうは日本文化を紹介するいろいろな英語が出てきましたね。」
阿野先生「では、ここでもう一つ、日本文化に関わる英語表現を見ていきましょう。刺身!刺身は英語で何て言いますか?」
オーナー「刺身は生の魚だから…raw fishですよね!」
阿野先生「実は、英語でもsashimiでいいんです。raw fishと言うと、日本の刺身のことを知らない人はビックリしてしまうかもしれないです。raw fishは料理(cook)されていない生の魚のイメージでとらえられてしまうかもしれません。」
たかし「釣った魚が(そのままの形で)テロ~っとある感じですか?」
阿野先生「ちょっと驚いちゃいますよね。刺身はもともと日本料理なのでsashimiと言っていいんです。(ただし)刺身がどんなものかの説明が必要かもしれませんね。そういうときには、sliced raw fish(薄く切られた生の魚)と言えば説明ができますね。」
たかし「そういえば、わさびもwasabiですよね!」
オーナー「確かに…生姜もshogaですもんね!!」
阿野先生「しょうがないですねぇ…生姜はgingerですよ。」
オーナー「…本物の親父ギャグはくるな!」
たかし「阿野先生、スゲーぜ!」
【科学と人間生活】第10回 化学 金属とセラミックスの科学
釣りの重り 釣りの重りが接する様子
今日は、身近な素材「金属」と「セラミックス」の性質を探ります。まずは、金属から詳しく見ていきます。
金属製品
プロペラ付き回路
手品の種明かしをする前に、金属の特徴について考えていきます。左写真は僕蔵さんの部屋にある金属製品です。
金属には共通の特徴があるということを、これらの金属製品と、プロペラが組み込まれた回路を使い、実験で見てみます。
電気が通ると羽根が回るという仕組みになっています。
回路の先端をスプーンにつけると電気が通った
電極に金属製品をつなげると電気が通った
回路の両端をスプーンに接触させると、羽根が回りました(左写真)。つまり、金属は電気を通す性質があるということが分かります。
次に電極に指輪、鍋とスプーン、はさみと釘をつなげます。回路の端子を接触させて確かめると、プロペラが回りだし、電気が通っていることが確認できました。
四種類のスプーン
スプーンをいつまで持っていられるか
他にも金属に共通する性質があります。陶磁器・木・金属・プラスチックの4種類の材質のスプーンと耐熱容器、お湯を用意します。
耐熱容器に入った湯にスプーンを浸し、いつまで柄を持っていられるか実験します。
赤外線サーモグラフィー
サーモグラフィーは温度が高いと赤く表示される
実験の様子を、表面温度を測ることができる赤外線サーモグラフィで記録します。温度が高い部分が赤く表示されるしくみです。右写真は耐熱容器に湯を入れているところです。
スプーンを耐熱容器に同時に入れる
熱が伝わる速さの順番
同時に四本のスプーンを、熱湯が入った耐熱容器に入れます。
すると、すぐに金属のスプーンが熱くなり始め、途中で熱くて持てないほどになりました。
五分後の結果を見てみます。
五分間で最も熱の伝わり方が速かったのは、金属です。続いて陶磁器、木、プラスチックの順番でした(右写真)。
なお、今回使った金属のスプーンはアルミ製です。アルミは金銀銅に次ぐほど、金属の中でも熱を伝えやすい性質があります。
ではなぜ、金属は電気を通したり、熱を伝えたりするのでしょうか。それには、理由があります。
金属原子
自由電子
金属は、たくさんの金属原子が集まってできています。金属原子からは電子が放出され、金属の中を自由に動くことができます。この電子を自由電子といいます。
この自由電子が、電気や熱のエネルギーを別の自由電子に伝えていきます。金属が電気や熱を伝える性質があるのは、この自由電子の働きのおかげです。
ここで、先ほどの僕蔵さんの手品の種明かしをします。
二つの金属電子の集まりが近づく
二つの金属電子の集まりが結合した
釣りの重りである鉛がもう一つの鉛と接すると、接した面の自由電子が動くことで金属同士を結びつけたために、二つの鉛が結合したのです。
自由電子は電気や熱を伝えるだけではなく、金属原子同士を結びつける役割も持っています。これを金属結合といいます。
▶ リサーチモード! 鉄はどのように作られるのか?
石の山
鉄鉱石
暮らしに最も身近な金属といえば鉄です。高速道路や車、鉄道やビル、電線などが日本の経済発展を支えてきました。
鉄がどのように作られているのかを知るために、実穂さんは神奈川県にある製鉄所を訪れました。敷地は東京ドーム150個分の広さがあり、車で移動します。最初に案内していただいた場所には、見渡す限りの石の山がありました。
この石の山は、鉄とどのような関係があるのでしょうか。原料工場の三島 周さんにお話を伺いました。
実穂 「たくさんの石の山があって、色も様々ですが、何の石なんですか?」
三島さん 「こちらに見えますのは、鉄の原料となる鉄鉱石と呼ばれるものです。ぜひ触ってみてください。」
実穂 「結構重みがありますね。」
鉄鉱石はすべて海外からの輸入で、ブラジルやカナダ、オーストラリアなどから運ばれてきます。色が違うのは、産地によって成分が少しずつ異なるためです。
鉄鉱石に磁石をつけると反応しない
鉄は磁石につきますが、鉄鉱石はどうでしょうか。
強力な磁石を鉄鉱石につけてみましたが、全く引き合いませんでした。
実穂 「鉄鉱石は鉄ではないのですか?」
三島さん 「この石は鉄と酸素がくっついた酸化鉄と呼ばれるもので、できています。鉄とは違う成分のため、磁石にはくっつかないんです。」
実穂 「これが鉄に変わるって不思議ですね。」
溶鉱炉 溶鉱炉の内部
鉄鉱石はどのようにして鉄になるのでしょうか。
続いて、溶鉱炉の見学にやってきました。
この溶鉱炉は高さ105メートル、敷地内で最も高い製鉄所のシンボルです。右図は、溶鉱炉の内部の仕組みを表す断面図です。
1200度の熱風を送り込む 銑鉄
炉の上部から鉄鉱石と石炭、石灰石を入れます。下から1200℃の熱風を送り込むと(左画像)、炉の中は2000℃以上の高温になります。すると、鉄鉱石から酸素が取り除かれて、鉄を取り出すことができます。
このようにしてできた鉄は銑鉄(せんてつ)と呼ばれます。しかしこの状態では製品にできないため、次の工場に運ばれます。そこで不純物を取り除いたり、目的に応じて成分を調整したりします。
転炉 鋼
次の工場では、転炉で300トンの銑鉄を、釜から釜へ移し替えるところに遭遇しました。
実穂 「すごい炎が上がってます。少し距離があるんですけど、熱さも肌で感じますし、何よりもこの火の迫力がすごいです。」
工程はすべてコンピューターで制御されています。
このようにして銑鉄は品質が高められ、鋼(こう)となります。製品の材料のできあがりです。
クレーンが鉄を持ち上げる様子 鉄が磁石についた
次に訪れた場所で、製鋼工場の田子さんにお話をうかがいました。
田子さん 「このクレーンは表面が電磁石になっていて、大きな鉄を持ち上げることができます。」
クレーンが鉄を持ち上げている様子です。
鋼の重さは1枚20トンですが、磁石の力だけで軽々持ち上がりました。
実穂さんが強力な磁石を鉄に近づけると、ぴたりと引き付けられ、正真正銘の鉄になったことが分かりました。
コイル
最後に向かったのは、巨大な倉庫です。ここに置かれているコイルは、先ほどの鋼を延ばして薄さ8ミリメートル、長さ300メートルにしたものです。このあと、別の工場でパイプに加工されます。
工程部計画室の梁 基旭さんにお話をうかがいました。
実穂 「硬い鉄がこんなに綺麗に巻けるんですね!」
梁さん 「鉄に限らず金属は引っ張ると長く延びる “延性” と、たたくと平たくなる “展性” があり、この2つの性質を使って様々な製品が作られています。」
実穂 「それくらい長く伸ばせる機械もあるということですよね。すごいです。」
結論:自然界にある鉄鉱石がいくつもの工程を経ると、磁石につく強くてしなやかな金属になる!
カイロ 鉄粉
僕蔵さんが手に持っている使い捨てカイロも、金属製品です。カイロの中身は鉄粉、つまり鉄です。
僕蔵さん 「使い捨てカイロは、鉄が空気中の酸素と反応する時に発生する熱を利用しているんだ。鉄が酸化する、つまり、さびていく時の熱ということだね。」
ブリキ
さびは腐食ともいい、腐食を防ぐために、「めっき」をすることがあります。めっきとは、表面を別の金属で覆うことです。
身近なめっき製品の例として、ブリキの缶詰やおもちゃが挙げられます。
鉄の表面をスズでめっきした金属がブリキです。
実穂 「缶詰もブリキで できているんだね。」
僕蔵さん 「缶詰の中身は、(缶の内側が)腐食したら困るでしょ?だから、とてもさびにくいスズでめっきされているんだ。」
理陽 「え?でも、最初からスズで缶詰を作ればいいんじゃないの?」
僕蔵さん 「実はスズは柔らかいから、鉄の缶よりも厚いものになってしまうんだ。また、スズは高いから、鉄の缶詰よりも、とても値段が高いものになってしまうんだ。」
▶ 身近にあるセラミックス製品
身近にあるセラミックス製品
ファインセラミックス
ここからはセラミックスについて見ていきます。セラミックスというのは土や石、粘土など、金属ではない無機材料を焼き固めたものを指します。机の上に置かれているガラスやレンガ、陶器や磁器もセラミックスです(左写真)。
また右写真は、ファインセラミックスという素材でできた包丁です。ファインセラミックスとは、ある目的のために、人工的に合成した原料を焼き固めたものです。
軟骨が減った状態
人工関節をどこに入れるか説明する様子
ファインセラミックスは、医療の現場でも使われています。整形外科医の逸見 範幸(へんみ のりゆき)先生は、これまでに人工関節の手術を1000例以上手がけてきました。
逸見先生の患者である50代のA子さん(仮名)は三日後、股関節に人工関節を入れる予定だといいます。肩や肘、膝など、骨と骨のつなぎめである関節には、もともと軟骨があります。この軟骨が、加齢や病気などによってすり減ると、骨と骨がぶつかって痛みが生じます。
そこで、人工関節を入れて、骨と骨のつなぎめをスムーズに動かせるようにします。
人工関節
金属とプラスチックでできている人工関節
人工関節は、材質の研究が重ねられてきました。一般的に多く使われているのは、動かす部分が金属とプラスチックの組み合わせです。しかし、プラスチックは10年で1~2ミリ、すり減ってしまうことが分かりました。
金属と金属の組み合わせでできている人工関節
ファインセラミックスでできている人工関節
これを防ぐために注目されたのが、金属と金属の組み合わせです。しかし、難題がありました。
逸見先生 「金属は、摩耗は少なくなったんですが、摩耗した際にできる金属イオンが体にとって悪さをする場合があるというのが分かってきました。最近では、できるだけ摩耗の少ない人工関節として、セラミックスとセラミックスの組み合わせを使うように、若い世代ではなっている施設が多いと思います。」
逸見先生は、今回の手術にはファインセラミックスとファインセラミックスの組み合わせを使うことにしました。しかし、これにも一つだけ欠点があるといいます。
逸見先生 「だいたい5000例に1例と言われているのですが、割れる危険性がまったくゼロではありません。ただ50代や60代の若い方で30年~40年人工関節を入れておくという可能性のある患者さんには摩耗が少ない、より長期で持つようなセラミックスとセラミックスを組み合わせがいいんじゃないかということで、私の方では使っています。」
軽やかな足取りのA子さん
手術から2週間後。A子さんは軽やかな足取りで歩くことができるようになりました。まもなく退院する予定です。
A子さん 「全然痛みがなくなりました、嘘みたいです。第2第3の人生を楽しみたいと思います。」
ファインセラミックスの人工関節が使われるようになって、まだ10年ほどです。今後、より割れにくいセラミックスの開発が期待されています。
理陽 「金属とセラミックス。それぞれに特徴があって、そのいいところを僕たちは利用しているんだね。」
実穂 「私たちも、金属とかセラミックスの特徴を活かした手品、何かできるんじゃないかな?」
僕蔵さん 「そうだね、モノの性質を詳しく知れば、そこから手品のアイデアが生まれるかもしれないね。」
理陽 「金属が電気を通す性質を使った手品とか?何かできそうじゃない?」
実穂 「それいいね!」
手品のアイデアについて話に花が咲く三人なのでした。
【ベーシックサイエンス】 第9回 コップのタワーの大回転 ~遠心力~
何の力?なぜ水はこぼれない?
遠心力でこぼれない?
今回のテーマは「遠心力」です。
水の入ったバケツを傾けると、中の水はこぼれます。
しかし、バケツを振り回して同じくらい傾けても、水はこぼれません。
なぜ水はこぼれないのでしょうか。
藤本 「キュピトロンの3人は、水がこぼれないのはどうしてだと思いますか?」
里奈 「えっ、これは知ってますよね。遠心力でこぼれない。」
藤本 「そう。遠心力なんです。バケツを振り回すと外側に向かって、遠心力が生まれます。バケツが傾いても水がこぼれないのは、遠心力によって水が外側に押しつけられているからなんですね 。」
▶ 遠心力発生実験
お盆をひもで吊す
お盆を回すキュピトロン
ここで、キュピトロンの3人が、遠心力を発生させるゲームに挑戦しました。
ひもで吊したお盆の上にコップが乗っています。
3人はそれぞれ両手でお盆を吊しているひもを持ち、水をこぼさないように、自身を軸にして回転します。
最初は真下にあるお盆が、回転するにつれ傾いていきます。
誰が一番傾きを急にできるのか、つまり 「誰が一番強い遠心力を発生させられるか」 を競います。
制限時間は15秒です。
実際に実験を行い、最も強い遠心力を発生させたのは、二千翔ちゃんでした。
藤本 「実験で分かるのは、二千翔ちゃんは、回転するのがとても速かったんですよね。回転させる速度が速いほど強い遠心力が発生する、ということなんですね。」
▶ コップタワーの大回転
実験装置
10段のコップタワー
今度は、水を入れたコップを何段も重ねて回転させるとどうなるか、実験しました。
高さ5mの柱にアームと台を設置し、左写真のような回転装置を作ります。
次に、台の上にコップ124個を積み上げ、10段のコップタワーを完成させました。
コップタワーは、高さ1.5m、重さ86kgです。
回転する10段のコップタワー
10段のコップタワーアップ
回転率を上げるコップタワー
実験装置を回転させます。
コップの中の水は揺れていますが、しっかり台に押しつけられています。
10段のコップタワーの実験は成功しました。
それでは、もっと高くコップを積んだ場合はどうなるでしょうか。
20段のコップタワー
回転する20段のコップタワー
装置を組み直し、今度は20段のコップタワーを作って実験しました。
コップタワーは高さ3m、重さ123kgです。
上段のコップが落ちる
外向きの力が上にいくほど薄れていって倒れちゃったのかな
装置が回転を始め、回転スピードが徐々に速くなっていきます。
しばらくコップは安定していましたが、やがて上の段のコップが滑り落ちてしまいました。
なぜ、下の段のコップはそのままで、上の段のコップが滑り落ちてしまったのでしょうか。
彩加 「外向きの力が、上の段にいくほど、薄れていって倒れちゃったのかな。」
田畑 「外向きっていうのは、遠心力ということ?」
彩加 「上にいくほど、踏ん張る力が踏ん張れなくなってくずれちゃった……。」
▶ 遠心力の性質
装置の説明
バネの長さと遠心力
ここで、ガリレオ先生こと、川村康文先生(東京理科大学教授)に詳しく解説していただきました。
円盤の中に、赤い重りがついたバネが2つあります。
一方は中心から近い位置に、もう一方は中心から遠い位置に重りがあります。
円盤を回転させたときのバネの伸びは、遠心力の強さを表します。
バネについたオレンジ色の点に注目してみると、円盤を回転させたとき、中心から近い位置に重りをつけた方がバネの伸びが小さいことが分かります。
つまり、中心から半径の短い方が、遠心力が小さい ということです。
川村先生 「先ほどの実験で、10段と20段のタワーがありました。20段のタワーの方が、先端がどうしても中心に近づきますよね。すると半径が小さくなって、遠心力が小さくなってしまう。それで重力に負けてすべり落ちてしまったんです。」
コップタワーと遠心力
スタジオ風景
コップのタワーの先端を中心軸から見ると10段よりも20段の方が、半径が短いことが分かります。
つまり、その分 遠心力が小さくなってしまったのでした。
田畑 「彩加ちゃんのさっきの考え方、いい線まで行ってたね。」
川村先生 「 “回転の中心からの半径”、ここがポイントだったんですね。」
来週も高校講座で勉強します。
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