助ぶ六゛

楽しかったこと、おいしかったもの、忘れられないこと

札幌旅行記(番外編)

2006年06月20日 | レオのここ行った


前々から書いてるのですが、助さんのお友達みのるさん(仮)の結婚式に招待していただいて、5月末に北海道に行ってきました。ちょうど半日くらい自由行動できる時間があったので、札幌から一時間くらいで行けるモエレ沼公園に行ってきました。ここは札幌市環状緑化計画の一環として、芸術家イサム・ノグチが設計し、2005年に完成した緑多き公園です。ちなみに”モエレ”とはアイヌ語のモイレベツ(静かな水面・ゆったり流れる)からきています。

さてその日、公園に一番近いバス停で降りた私たちに降り注いだのは、ただひたすらの冷たく横なぐりの雨。。。傘の意味もすっかり吹き飛ばされながら、とにかく公園内に入っていきました。ふだんはもっと人々の憩いの場所になっているようですが、その日は悪天候のためひとはほとんどいません。
やばいことになったな…これは早めに切り上げてどこか別のとこで過ごすしかないか…
などと実は内心しょげていた私。とにかく寒くて冷たくて泣きそうになって、いや、泣いてましたけど、すぐに見えてきたガラスのピラミッドに逃げ込むように入りました。



ガラスのピラミッド内は自然光がたっぷりはいりシャープな格子も美しくて、とても心地いい空間でした。最上階にはイサム・ノグチギャラリーがあり、この公園ができるまでの経緯、イサム・ノグチの思いなどがまとめられたビデオをゆっくりと見ました。そこで、いかにこの公園が志の高い、創意に満ちた美しい場所かを知ることとなりました。
ビデオを見終わった私達はふたたび雨降りしきる外へ。雨がすぐに体を冷やしていくのがわかったし、晴れの日ほどこの公園を楽しむことはできないだろうとも感じつつ、とりあえず歩き出しました。そこに見えたのがカラマツの林。それが、宮澤賢治の「虔十公園林」にでてくる林みたいに見えました(話のなかでは杉なんですけど)。イサム(そう呼ばせて!)の志を知った上、なんだか親しげなその林に入って、まんまとテンションのあがった私。



(傘ってなにさっ!なんなのさっ!)

でももっとも二人を盛り上げたのはプレイマウンテン(遊び山)でした。高さ30mのその山は部分的に階段状になっていて、頂上まで登れるようになっています。その頂上にいる自分の写真がお互いほしくて、一人ずつ交互に登りポーズをとって超満足。心底遊ばせてもらいました。


頂上に登って公園全体を見渡したとき、私は思いました。
イサムは1988年84歳の時にこの公園の設計をしたそうです(そしてその歳に亡くなっているので完成は見られませんでした)彼がはじめて公園予定地に訪れたとき、そこはまだゴミ処理場として機能していました。ゴミの散乱したおそらく荒涼としただだっ広いその場所を前に、こんなプランを夢見られたこと。そしてそのとき願ったとおりに、こうして実際にひとを心から楽しませていること。それは本当に凄いことだと。

バスの時間もあって公園すべてをまわることはできなかったけれど、絶対また行こうと二人で決めています。
今でも遊び山にのぼったときのことを思うと、なんとも強い気持ちになります。イサム・ノグチっていうひとの情熱を肌で感じられたこと、風邪・発熱間違いなしの状況で助さんと一緒に頭ん中真っ白にして遊べたこと、それらが思い出というにはまだあまりにホクホクとしていて、私の毎日を温めてくれるのです。


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