助ぶ六゛

楽しかったこと、おいしかったもの、忘れられないこと

超実践的法律問題(ヒント編)

2006年07月21日 | 助六のつれづれ
仮に、設問の状況で訴訟を提起したとしましょう。
争点は、結子さんが本当に100万円を宿の主人に預けたか、という一点に絞られます。
当然、結子さんは「確かに預けた」と主張しますし、宿の主人は「そんなものは預かっていない」と主張し、水掛け論になってしまうでしょう。

このような主要事実につき「真偽不明」の場合でも、悲しいかな、裁判所はなんらかの判断を示さねばなりません。
そこで、法律の世界では、当事者の一方に主要事実を立証する責任を負わせ、これを証明できなかった場合には不利な法律判断を受けてもやむを得ないというルールを設定しました。
これが立証責任です。

そして設問の場合、立証責任は結子さんのほうに課せられます。
そうすると、フロントには結子さんと主人しかいなかったのですから、結子さんは目撃者を証人として証拠調請求することもできず、また、預かり証のような決定的な書証を提出することもできないのですから、結局結子さんは敗訴になってしまう確率が高いですね。

ならば、立証責任を宿の主人のほうに転換してしまえば良いのです。
さて、どうしたものでしょう。

超実践的法律問題(設問編)

2006年07月21日 | 助六のつれづれ
とある弁護士さんに教わった問題です。
結子さんは、現金100万円を所持して、しまなみ海道へ傷心旅行に出かけました。
お目当ての隠れ宿に着くと、さっそくチェックインです。
しかし結子さんは、旅先で大金を持ったままでは危ないと考え、フロントで100万円を預けました。
預けた時には、フロントには結子さんと宿の主人のふたりしかいませんでした
そして主人はなぜか預かり証をくれませんでした
翌日の朝、結子さんは100万円を返してもらおうと、宿屋の主人に申し向けました。
すると、主人はそんな金は預かっていないと言い張ります。

さて、結子さんはどうしたら100万円を取り戻せるでしょうか。

【ヒント】
 結子さんは裁判所に100万円の返還請求訴訟を提起することになります。どうすれば勝訴できるかを考えて下さい。