ほりでぃ・キッチン

たわいもない日常を暮らす中で感じた
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不味い本

2007-07-26 19:51:48 | 徒然なるハナシ
小泉武夫さんの「不味い!」という本を読みました。

「はじめに」の作者のことばに、
「世の中、美味いことを書き連ねた本は多くても、不味いものを書いた本は少ない」とありました。

「そういえば、そうだよなあ」と思いながら読み進んでいくと、
なるほど。その意味がわかってきました。

だって、ずーっと不味かった話が続くのですよ。
グズグズとした身の魚とか、強烈な悪臭のする蛇酒とか、
スカスカでペラペラのカニ肉の話とか、
冷凍肉のアクだらけになった鍋の話とか…

読んでいるだけで、胸が悪くなってきました。

もちろん、内容はそれぞれ興味ある話だし、面白い。
でも、読み進むほどに、口の中に、何か酸っぱいものがこみ上げるような…
子どもの頃、間違って飲んでしまった草の汁の青臭さや、苦味を思い出すような…

最後まで読みきったときは、大きなため息がでましたよ。

いやあ、しかし、活字だけで読者をこんなキモチにさせるとは、
素晴らしい「不味い」本でありました。