写経の会 R5.7.15
蜘蛛の糸は何故きれたのか 芥川龍之介 児童向け文学作品1918年
釈迦は極楽を散歩中に蓮池を通して下の地獄を覗き見た。罪人どもが苦しんでいる中にカンダタ(犍陀多)を見つけた。カンダタは殺人や放火もした泥棒であったが、過去に一度だけ善行をした。それは蜘蛛を踏み殺しかけて止め、命を助けた。それを思い出した釈迦は、救い出してやろうと、一本の蜘蛛の糸を下ろした。カンダタは、この糸を登れば地獄から出られると考え、糸につかまって昇り始めた。ふと下を見下ろすと、数多の罪人達が自分の下から続いてくる。このままでは重みで糸が切れてしまうと思ったカンダタは、「この蜘蛛の糸は己のものだぞ。」「お前たちは一体誰に聞いて登って来た。」「下りろ。」と喚いた。その途端、蜘蛛の糸が切れカンダタは再び地獄の底に堕ちてしまった。
無慈悲に自分だけ助かろうとし、結局元の地獄へ堕ちてしまったカンダタを浅ましく思ったのか、それを見ていた釈尊は悲しそうな顔をして蓮池から立ち去った。wikipedia
この話の材源は、ポール・ケーラスによる『カルマ』の日本語訳(鈴木大拙)『因果の小車』 の中の一編であることが定説となっている 。
ドイツ生まれのアメリカ作家で宗教研究者のポール・ケーラス(Paul Carus)(1852-1919)が1894年に書いた『Karma :A Story of Buddhist Ethics』の原書には8編の仏教説話が収録されているが、『蜘蛛の糸』の材源となった「The Spider-Web」はケーラスの創作である
蜘蛛の糸は何故切れたのか?
悪人のカンダタでも蜘蛛を助けた。お釈迦様はこの様子を見て「どんな人間も良いところがあるな」と「人間を見直した」 「地獄から助かるなら他の人はどうでもよい」という、「利己心」自分だけ助かりたい幸せになりたいという「エゴ」、自分だけのものという「独占欲」は、自分のためにならない。自己を下落させてしまう。人は自分のことだけを考えるのではなく、他人のことも考えながら生きていくべきであることを教えられた。釈迦の蜘蛛を助けたカンダタに一縷の期待が喪失した。
羯諦羯諦 執着を取り除く 自覚
波羅羯諦 他の執着を剥ぐ 他覚 他人を悟らせる
波羅僧羯諦 自他ともにさとりを円満に成就しよう
私もさとりの岸に行きついた。人もまたその岸にゆかしめた。吾が悟りの道
は成就された 般若心経入門 松原泰道
還著於本人げんじゃくおほんにん 還って本人に着きなん 善いこと悪いことすべて本人に返って来る
自業自得 観音経
自未得度先度他 自分は彼岸に行かなくても他の人を先ずは彼岸に渡してあげなさい
他人を蔑み貶め差別しない 道元 正法眼臓(しょうぼうげんぞう)発菩提心
運命の中に偶然はない。人間は運命に出会う前に自分でそれを作っている
トーマス・ウッドロウ・ウィルソン(1856-1924)第28代米国大統領
第一次世界大戦終結と世界平和実現の為の「14か条の平和原則」