福谷章子のまちづくり

さまざまな役割を持ちながら暮らす中で、日々出会い触れ合う人々、街、文化、自然、出来事についてつづります。

千葉市成人式の新たな取り組み

2011年01月14日 | 成人式

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 ややタイミングを逸した感もありますが、成人式のご報告です。

1月10日は、例年のごとくポートアリーナで「千葉市 成人を祝う会」(成人式)が行われ、引き続いて今年初めての取り組みである新成人座談会「新成人と語る未来の千葉市」が開催されました。

        

千葉市の新成人は8828人。

成人式への参加者は6399人で参加率は72.5%。

全国の新成人は124万人で、総人口の1%を切っていますが、千葉市はもうちょっと割合が少ないようです。

      

P1060176 さて、成人式には毎年お祝いのために参列していますが、例年少しずつ変化があります。

今年はまず、市長の挨拶が刺激的でした。

なぜなら、のっけに

「この式典には1000万円以上の経費がかかっている」

と出たのです。

         

お!このざわめきに市長は喧嘩を売る気か?と思いきや、その後のメッセージは新成人に対する熱き思いでした。

というのは、全国の新成人は124万人で今までで最も少ない。

最も多い世代は240万人いるのだから、声の大きさではとてもかなわないという現実をまずは知って欲しい。

したがって自分たちの世代の意思を通したければ、一致団結し社会的な力となる必要がある。

意識をもってがんばれ・・・というような内容であったと思います。

     

P1060188  ビデオレターにも今年の新たな取り組みが加わっていました。

有名人に加えて56中学校の先生方からのメッセージです。

○○中学校です・・・という先生からのメッセージに小さな歓声が上がる場面もありました。

さらに街なかの人や高齢者施設からのメッセージも新鮮でした。

壮年世代、高齢者世代、という仕分けタイトルが何となく可笑しくて、「まちの人々」でいいよね・・・などとお隣の先輩議員と盛り上がれるような楽しい場面でした。

           

最後大地讃頌の全体合唱でしめくくり。

千葉市の教職員の皆さんの合唱団(夢と虹だったかな?)のリードで、会場全体で歌いました。

P1060194今年は起立して歌っている成人が多かったような気がします。

練習時間が間延びしなかったのも幸いしたのかもしれませんが、会場の気持ちがステージに向き合ったのでしょうか。

もちろん、ザワザワは継続的にありましたが、それに惑わされない多くの新成人の存在を、強調したいと思います。

    

式典終了後は、会場を変えて開催された新成人座談会ものぞいてみました。

参加成人は、公募、大学推薦、職場推薦の17名で、市長を囲んでの座談会です。

進行は熊谷市長が務めます。

千葉市のイメージや良い点、改善点、若者が市政に参加しやすくするためのアイディアなど、ちょっといいな!と思われるものがたくさん出ていました。

            

たとえば、

  • 地域と関わる場が少ない。子どもも高齢者も一緒の場を。
  • 単一の大学の文化祭ではなく、市内の大学合同でイベントがしたい。
  • 企画があっても知る機会が無い。もっと知らせては。
  • 私たちが私たちのためにやっていても意味が無い。
  • こどものまちのような取り組みが良かった。
  • 官民世代を超えて共に考えるようなチームを作っては。

などです。

           

そして最後に、

まず、今日この場に集まった私たちから、互いに連絡が取り合えるようにしてはどうか」

という提案が出て、早速市長から、連絡が取り合えるように考えて・・・と、事務局に指示がありました。

まさに、隗より始めよですね

提案だけなら簡単で口先ばかり。いざ自ら動きだそうとすると、急にハードルが高くなるのは世の常大人のお作法という昨今です。

そこをヒョイと超えて見せた新成人の姿勢に、エールを送ります。


千葉市成人を祝う会

2010年01月11日 | 成人式

ポートアリーナで開催された千葉市の成人式に出席しました。

2004年から出席していますので、今年で7回目

千葉市の成人式、何とかならないものかと、毎年考えさせられますが、今年も雑駁な感想は例年同様です。

新成人の自覚を問い、開催方法に疑問を呈し、誰のための成人式なのだろうかと悩む・・・。

今までの率直勝手な感想については、以下の成人式のカテゴリーご覧いただければ幸いです。

http://fukutani.blog.ocn.ne.jp/blog/cat6614912/index.html

さて、今年は・・・。

                 

【二十歳だからといって大人とは限らない】

P1010865 今年の千葉市の新成人は9023人で、昨年より約300人減少です。

例年の出席者は7割前後とのことなので、会場には約6000人の二十歳が集まっていたことになるのでしょうか。

もちろん、その全員が式典会場に入場したわけではありません。

さて、会場内には大人も子どももいました。

まずは、ステージを注視し、成人の日を受け止めようとする思いが感じられる新成人の姿。たとえば、最後の大地讃頌でも、起立していた姿が大半です。一人の社会人として歩んでいこうという思いを新たにしている表情があちらこちらにあります。

一方、参列してはいるものの、ざわざわとおしゃべりに夢中で、ステージで行われていることには我関せずという姿もあります。社会の通過儀礼とは無関係・・・といった態度です。

そして、もう一つのタイプは、自らをアピールすることで、式の流れや、場の雰囲気を壊す「子ども」のままの若者。何か考えがあってアピールしているわけでも無さそうなので、子どものまま社会とつながっていたい若者たち・・・とでも表現したらいいのでしょうか。

           

【成人の日とは何を祝う日?】

P10108556000人もいればさまざまなタイプの人間がいますから、それを排除するものではありませんが、そういった若者たちを一堂に集めて今日のような式典をすることに、いったい千葉市には行政としてのどんな義務があるのだろうか?と沸々と疑問です。

二十歳を祝うのではなく、大人になったことを祝う式典ではないのだろうか?

他者の参加の権利を奪っていることに気づかないような「子ども」を、果たして大人として祝福しなければならないのか?

そう思って、改めて法律を調べてみたら、

成人の日は、おとなになつたことを自覚し、みずから生き抜こうとする青年を祝いはげます」日であることが、「国民の祝日に関する法律」に明記してあります。

であるならば、18歳でであろうと、30歳であろうと、そういう思いに至った若者に手挙げ方式で参加してもらい、それを心から祝福する・・・というものでOKではないか、と考えたくなってしまうのです。

          

【子どもを大人にする仕組みを失った社会】

P1010860 でも、そんなことをしていたら収拾がつかなくなるので、二十歳で自覚を促そう・・・ということなのでしょう。

いや、二十歳になる頃には、自然とそういった自覚が出来ていた、そんな子育ちを促すような社会であったものが、今では子どものままでも過ごせるような状況になってしまっているのでしょう。

成人式のこの現象は、彼らへの20年間にわたる社会(家庭から学校、地域までを含めた広義の意味です)からの働きかけの成果であって、一朝一夕にこうなったものではありません。

至れり尽くせり・・・そんな言葉が思い当たります。

子どもたちのためにと、あれもこれもと先回りをして手配してしまう大人社会。

転ばぬ先の杖はたくさんあっても、転んだ後の対処の蓄積が無い社会

すなわち失敗を恐れ、それを許さない息苦しい社会となり、そんな中で若者たちは大人になることを拒んでいく。

このままいくと、圧倒的な子どもを少数の大人が支える精神的に未熟な社会となり、ますます社会の子ども化が進むのではないかと危惧します。

          

【一自治体に出来ること】

P1010852 成人式に話を戻しますが、成人式だけのありようを見て「情けない・・・」と嘆くのは誰にでもできます。

しかしそこで終わっては、大人としての知恵がない。

千葉市として、未来を担う子どもたちを、二十歳までに自覚を持ち社会と繋げるためには、これからどんな施策を打てば良いのか

これは、大きな問題であると考えます。

未来を作るのは子どもたちだからと、子どもの参画を明確に打ち出した熊谷市政には、この点に関して希望を持っています。

子どもが大人になるための仕組みは、計画や事業をいくら挙げ連ねてもそれだけでは不十分なのです。

子どもたちに関わっている大人は現在どんな大人なのかを分析し、何が欠けているかを明らかにし、その欠けた部分こそこれから行政が担っていくべきものとして、早急に把握する必要があります。

待ったなしなのです。

          

【今後の成人を祝う会について】

P1010857 最後に、今年の成人式は、例年の二部構成から一部構成に変更となり、式典の部だけになりました。

それはそれでいいと思いますが、例年通りの式次第にどれほどの新成人の参画があったのでしょうか

今日の式典こそ、自らの門出として苦労して作り上げるプロセスがあってもいいのではないかと思います。

あるいは、先輩の成人式を祝うために、後輩の参画もあって良いかもしれません。

しかし、それがなかなか出来ないのは、彼らとともに考え行動する大人の人材が準備されていないからではないでしょうか。

これだけの式典を準備した労力は、相当なものであったでしょうから、それだけに新成人の心に響かないことが残念です。

例年考えていることですが、数千人規模の式典では大きすぎる。

現状は中学校の同窓会のようなもの(それでいいかどうかも問題ですが)なので、区で開催出来るくらいの力量を、各区がつけることも一案だ、ということを最後に加えておきます。


新成人が託されしものとは

2009年01月14日 | 成人式

P1120003_2 千葉市の成人式は、1月12日にポートアリーナで開催されました。

新成人人口の推移をみると、千葉県では昨年の65321人から64314人に、全国では135万人から133万人へと減少傾向にあります。

ところが、千葉市の新成人は9332人で、昨年の9235人から97人増加しています。

千葉市は高齢化の一途をたどっているわけではなく、将来を託す若者が増えているということです。

だからというわけでないのでしょうが、千葉市が彼らに将来の借金を背負わせる将来負担比率は311.6と、政令市の中では最悪の数値となっています。

会場で浮かれていた君たち、そんなことは知らないでしょう。

否が応でもこれからは権利と義務と責任とが与えられ、それは、たとえばこの千葉市の過大な都市資本を存分に活用する権利と、その負債を支払う義務と、維持管理し続ける責任とを手にしたということなのです。

ジェフの奇跡も貴重ですが、この現実を彼らに説明し、「同士として頑張っていこう、頼んだよ」、という市長のメッセージがあるべきだよね。

P1120011 さて、今年の新成人は、ちょっと積極的でした。

フィナーレの全員合唱の大地賛頌。

中学校時代の恩師が大合唱団を結成してステージに立ち、会場全体で歌うのですが、何人かがステージに向かって進みました。

恩師の引力でしょうか。

中にはプランターを乗り越えようとする新成人も。しかし、係りに制止され踏みとどまるという場面が何回もありました。

何か表現したい、何かアピールしたいという表れのようにも感じます。

会場に入りながらもステージでの出来事には関心を示さない態度に比べれば、社会性に富んでいますが、一方では久しぶりに再会する中学校の同窓会程度にしか捉えていない幼さもあります。

そんな彼らに、この行事を行うことの意味が、千葉市としての思いが、対等な大人としての気持ちが、うまく伝わっていないようで毎年悩ましいのです。

最後に登壇した教育長の「21世紀は君たちに託す」という大きな声でのメッセージは、彼らに届いたように感じました。苦労の賜物ですものね。

託されたことは重いぞ! 成人、おめでとう!


誰のための成人式だろう?

2008年01月14日 | 成人式

成人式
千葉市の成人式がポートアリーナで行われました。今年の誓いは高山さんと河野さんです。

この画像を見て、「おや?」と思われた方もいらっしゃるのではないでしょうか。この粗い画像は携帯から送ってみたものですが、問題はそういうことではなく、ステージ前に座り込んでいるのは・・・?新成人・・・?と。

P1140028_3   実は違います。左の写真をごらんください。これはいわゆる警備の若者?のようです。過去には、誓いの言葉の最中に、ステージに駆け上って暴れる新成人がいたそうで、その名残のようです。

ここまでの準備をして開催する成人式とは、やはり世の中どこかおかしいのではないかと考え込んでしまいます。

とはいっても、今日の成人式もがやがやした中にも、式典にきちんと参加し、祝辞に耳を傾ける新成人もたくさんいました。しかし、多くの新成人は式典会場には入ろうとせず、ひたすら話に花を咲かせています。

誰のための、何のための成人式なのでしょうか?

今年の千葉市の新成人は9235人で、昨年の9329人より94人の減少です。最多の中央区が1849人で最少の美浜区が1264人、緑区は1325人です。各区このくらいの人数がいるのですから、小規模でも区ごとに開催してもいいのではないかと思います。

新成人の様子を見ていると、さながら地元中学校の同窓会。5年ぶりの再会を懐かしんでいるような場面が多いと感じます。区役所が音頭をとって、各区で新成人の実行委員会を結成すれば、活躍できる若者の数も増えるはずです。区役所の機能を、こんな場面にも発揮して、新成人による地域づくり、ふるさとづくり、そして千葉市にとっては担い手つくりを始めてみては如何でしょうか。

本日の成人式の写真です。

http://fukutani.blog.ocn.ne.jp/photos/seijinnsiki/


おめでとう!新成人

2007年01月08日 | 成人式

成人式を迎えられた皆さん、おめでとうございます。これから社会を同じように担う仲間として、どうぞよろしくお願いします。

今年も千葉市主催の成人式に出席いたしました。
ポートアリーナの2階席から、40分足らずの式典を楽しみました。
例年の事ながらざわついてはいましたが、教職員コーラスと一緒に歌う「大地讃頌」では、促されて皆が起立し、ステージ上の懐かしい先生方の姿を夢中で探していました。
歌声はほとんど聴こえませんでしたが、それでも会場が「ちょっとだけ一つになりかけたかな・・・?」と感じる瞬間でした。

今日の会場の中には、小学生や中学生時代から知っている子どもたち(・・・ではなく、もう大人ですね)がたくさんいるはずですが、誰もが美しく着飾ってすっかり大人になっています。
見違えるような姿に、ただオロオロするばかりでした。
社会を託すべき存在が増えていくことは、頼もしい限りです。

この先、幾多の壁を乗り越えて、幸多き人生を!と願うばかりです。
最後にもう一度、おめでとう!