創作小説屋

創作小説置き場。BL・R18あるのでご注意を。

小説/産み分けsex(9/12)

2011年07月07日 14時00分00秒 | 産み分けSEX(R18)
 義父の弟、優吾さんにとって叔父さんにあたる人が訪ねてきた。結婚式の日に真っ赤な顔をして色々なことに文句をつけていた人なので良く覚えている。若くみえるが、もう還暦を過ぎているらしい。
「まだ子供はできないのか?」
 開口一番言われた。
「とにかく男の子を産みなさい。西条家の大事な跡取りになるんだからね」
 その後も何度もその話をされた。お義母さんが産み分けの本をプレゼントしてくれた理由は、この人なのかもしれない。
「しかし、あれだね。優吾。よく結婚を決意したな。お前はしないと思っていたよ」
「そうですか?」
 お酒が入りはじめたので、優吾さんも顔が赤くなっている。あまり強くないのだ。
「そうだよ。お前は相当のマザコンだからな。芙美子さんのためにずっと結婚しなかったんだろう?」
「叔父さん、それは」
 優吾さんが咎めると、
「ん? おや、そうか、分かったぞ!」
 急に叔父は私の顔を見てケタケタと笑いはじめた。
「君は芙美子さんによく似てるじゃないか! そうかそうか。ママと似た人だから結婚を決意できたんだな? そうだろ?」
「叔父さん、いい加減にしてください」
 優吾さんが渋い顔で言う。
 私とお義母さんが似てる? そんなこと思ったこともなかった。
「どうだい、君、マザコンの亭主を持った感想は? こいつは相当のマザコンでね、ママを大事に大事にしてきた挙句に、ママに似てる君を嫁にしちまったんだな! ははは」
「飲みすぎですよ」
 姑がおっとりと間に割って入った。
「ごめんなさいね。失礼よねえ」
「いえ」
 慌てて否定する。お義母さんと私が似てるなんて……。
「あの、嬉しいです」
「またあー無理しちゃってー」
 ははは、と笑う叔父に真顔で返す。
「先日新聞で読みました。マザコンの男の人の方が円満な家庭を築けるんですって。だって自分の母親を大切にできない人が妻を大切にできるわけないですものね。その上、お母様と似ているから選ばれたのなら、なおさら嬉しいです。それなら絶対に裏切られないってことですもの」
「………」
 叔父が口をパクパクさせているところへ、
「ブラボー。お義姉さん。いいこと言うね」
 薫が手を叩きながら入ってきた。
「叔父さん、新婚の二人を冷やかしたって自分が寂しくなるだけですよ。やめときましょ」
「何だ、愛人の子が。うるさいぞ」
 言いながらも、叔父の顔が嬉しそうにほころんだ。手招きして自分の隣に座らせている。
「愛人の子でも叔父さんの可愛い甥っ子ですよ。小遣いの一つでもくださいよ」
「ったくお前は相変わらずだな」
 叔父にビールを注がれながら、薫が目配せしてきた。顎で指した先には優吾さんが。テーブルに突っ伏している。
「優吾さん、大丈夫? ここで寝ないで」
 眠ってしまう前に二階に連れていかなくては。叔父への挨拶もそこそこに、ふらふらと歩く優吾さんを何とか支えて二階の寝室に運び込む。服のままベッドに寝かせると、スースー寝息を立てはじめた。
「……寝ちゃった」
 枕元で寝顔を見ていたら、薫が隠れたクローゼットが目に入った。あの中から私達はどのくらい見えたのだろうか。
 誘惑に勝てず、自分も中に入ってみた。すっぽりと入りこめる。洋服に包まれる感じが心地よくさえ思える。外から中は見えないが、中からは扉の隙間から外の様子がよく見える。
「ってことは……」
 しっかり見られていたのか、と思うと、恥ずかしいような、興奮するような……。
いやいや、何を言ってるんだ私!
 否定しながらも体は正直だ。グジュグジュと熱くなりはじめている。あの薬の効き目はまだまだ続いている。いじりたくてしょうがない。かきまわしたい。奥まで入れたい。
 欲望に抗うことができず、そっと下着の中に手を差し込んだ。クローゼットから見える優吾さんの姿。あの上に馬乗りになっていた自分の姿を想像しながら、思い切り中指を奥まで突っ込んだ。
「あ……」
 吐息がでる。中指を上下に動かす。ドロドロが指に吸いつく。同時に人差指で敏感な場所を刺激する。もっともっともっと……。
「!」
 頂点に達しそうになった時、部屋の扉が開いた。誰かが入ってくる音がする。
「お義姉さん、ここ?」
 薫だ。まさかこんなところでこんなことをしていたなんて知られるわけにはいかず、息を潜めてクローゼットの中から様子を窺った。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 小説/産み分けsex(8/12) | トップ | 小説/産み分けsex(10/12) »

コメントを投稿