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BL小説・風のゆくえには~眼鏡の話(前編)

2024年01月26日 07時21分00秒 | BL小説・風のゆくえには~ 短編読切
登場人物

渋谷慶(しぶやけい)
小児科医。中性的で美しい容姿に反して性格は男らしい。身長164cm。
『風のゆくえには』本編主人公1。

桜井浩介(さくらいこうすけ)
フリースクール教師。慶の親友兼恋人。現在慶と同棲中。身長177cm。
『風のゆくえには』本編主人公2。

村上哲成(むらかみてつなり)
色白、眼鏡、身長159cm、某電機メーカー子会社勤務。
慶とは小・中・高と同じ学校。
中学からの同級生・村上享吾と長い長い回り道した末に、ようやく一緒に住むことになったのが2019年夏のこと。

村上享吾(むらかみきょうご)
容姿端麗。人目を引くイケメン。身長178cm。会計事務所を個人経営している。
『風のゆくえには〜二つの円の位置関係』主人公2。

2024年1月のお話。



【慶視点】

 小学校中学校高校、と同じ学校だった村上哲成・通称テツがうちに遊びにきた。

「あ、渋谷!老眼鏡!?」
「……おお」

 スマホをみるために眼鏡をかけたところを目ざとく指摘され、素直にうなずいた。あと数ヶ月で50の大台に乗るんだから、老眼鏡くらいしていてもおかしくない!

「テツは老眼きてないのか?
「いや、きてる。だから年末に遠近に替えた」
「あ、そうなんだ」

 前に会った時と眼鏡の印象が変わらないため気が付かなかった。聞いたところ、わざとほぼ同じデザインを選んだそうだ。

「なんだけどさあ……」

 テツが何かを思い出してムウっと口を尖らせた。

「キョウのやつ、オレが老眼きてるのが嫌らしくて、遠近に替えて以来、時々オレのこと見てため息つくんだよ」
「なんだそりゃ」

 テツの恋人である村上享吾とは、中学と高校が同じだった。口数の少ない大人しいやつだ。

「眼鏡のデザイン変わってないんだから、見た目変わんねえだろ」
「たぶん、遠近にしたって事実が嫌なんだろうな。老眼を認めたようで……」

 一人で納得したようにうなずいているテツに対して、浩介が首をかしげながら聞いてきた。

「最近急に老眼になったの?」
「いや、数年前から来ててさ、遠近にする前は、見えない時は眼鏡外して見てた」
「あー、近視の奴ってそうだよな」

 眼鏡を外すと見えるっていうんだから、面白いなあと思う。

「うん。いちいちこうやって外すの面倒くさくて」

 テツは眼鏡を頭の上にずらすと、肩をすくめた。

「遠近はいいぞ。こんなことしなくてもそのまま見える」

 すると………

「あ」

 浩介が何かに気が付いたように口に手をあてて「あ」と言った。

「なんだよ?」
「分かったかも……

 ? 何が?

 おれとテツが同時に言うと、浩介はにっこりとして、言った。

「村上がため息ついていた理由、だよ」
 

後編に続く

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お読みくださりありがとうございました!
って、たいした話じゃないのに、前後編に分けちゃった…。だっていつまでも書き終わらないんだもん…。このままじゃ「この人ブログやめちゃったのかな?」と思われちゃう💦と思って、とりあえず書けたところまで載せてみました!

えーと、テツ達が遊びに来た話
を書いてから、3年も経っていたことに衝撃を受けております……
時がたつのは本当に早いですね…

読みに来てくださった方、ランキングクリックしてくださった方、本当にありがとうございます!また後編で……


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「風のゆくえには」シリーズ目次1(1989年~2014年) → こちら
「風のゆくえには」シリーズ目次2(2015年~) → こちら
コメント (2)
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