頻繁に連絡を取り合う仲でなくても、疎遠になっても心のどこかで時々思い出してはどうしてるかなー、と気になる友達がいる。生き方が素敵で風の便りだけでも刺激を与えてくれるような人たち・・・。彼女もそんなうちの一人。
最後に会ったのは結婚したての頃だったから、かれこれ10年前!?ひゃあ。時が経つのは早い。
金沢・能登旅行の際に、輪島で修業していた彼女に私たちが止まっている宿に訪ねてきてもらったんだった。
大学卒業後、せっかく東大の哲学科に入ったのにやめて、輪島塗の職人目指すって聞いたときは、潔くてカッコイイなあ、って思ったわ。多くの人が、中退なんてモッタイナイと反対する中、
「大学に入れば選択肢が増えるはずなのに、大学に入ったから道が逆に狭まるのはおかしい」
って言ってたのが印象的だった。机上の頭の中だけの哲学じゃなくて、生き方としての哲学を選んだのよね。勇気ある決断!卒業してからでもいいんじゃない?とも思えるのに、気づいたら実行に移すその行動力憧れちゃう。能登の宿で会ったとき、
「冬がつらくて、こんなにも春が待ち遠しいとは思わなかった。春が来たとき、海眺めて泣いた」
って言ってたよね。結局輪島を出て、地元の埼玉に戻って活動してると人づてには聞いてたけれど、その後詳しいことは分からず・・・。それが、最近友人MちゃんがFacebookでつなげてくれて、ネット上での再会!(Mちゃん、ありがとう)。素敵なホームページもありました。
◆ ぬりもの 綿引千絵の普段使いの器と小物 ◆
中野下漆器店
『はじめての和のオーダーメイド』という本に彼女の仕事風景が紹介されてます。仕事に打ち込む姿が見れて、わ~、千絵だ~、って書店で思わず見入ってしまいました(←立ち読み失礼)。
特別な日の、ではなく普段使いの漆を伝えたい彼女、そんな思いから皮革に漆を施した作品が多いそうです。
彼女の作品を扱うお店でこんな紹介文を見つけちゃいました↓
-横 顔-
綿引千絵さんは「漆皮=皮革に漆を塗る」、という手法の復興に挑む若手作家です。その秘めた情熱は昭和初期の芸術家を彷彿とさせます。革は木と較べて形が自由になる、安価である、という利点があり、そこに光をあてたのが綿引さんです。現在各方面から注目され、2008年秋現在、1年先までの注文が入っているそうです。
革に漆を塗るなんて硬く丈夫なものになるの? という疑問を抱く方もいらっしゃると思いますが、漆を塗ることにより硬質な仕上がりとなります。むしろ木地より丈夫かもしれません。重さは木地のものと同じくらいです。
綿引さんの漆皮 に注目してください。
(ぬりもの屋japan ホームページより抜粋)
この紹介文を見つけたとき、わ~、期待されてる!と自分のことのようにものすごく嬉しくなっちゃいました。
そして、さっそく注文。そう、母の誕生日にあげたかったものって千絵の作品だったのです~。
もうモノはいらないわ、という母。でも元々漆器好き。ものぐさな私と違って、手入れもできるし、普段使いということで毎日の生活に美しいものが加われば楽しいかな、と。大袈裟にしたくなかったので、選んだのは手のひらサイズの薬味皿。革が描く曲線と漆の艶の絶妙なハーモニー。左右対称でないところに日本の美を見る気がして、眺めていて飽きない。もうひとつは、本当は数珠玉のチョーカーがほしかったのだけれど、売り切れということで別の形のチョーカー。ねじりが素敵で、色も鮮やかな赤ではなく、少しくすんだ落ち着いた朱でそれも気に入ってしまいました。私もほしい!漆リングも気になる。ホームページ掲載されてない作品もあるので、気になる方は問い合わせてみたくださいネ。
母にプレゼントしたところ、どちらもドンピシャでとおっても喜んでもらえました。母も千絵のことはずっと気になってたそうで、彼女の作品ということがより一層嬉しかったみたい。
消えゆく日本の伝統工芸・・・そこに女性ならではの感性、斬新な切り口で新しい風を主張しすぎるでもなく、謙虚に送り込んでいる彼女。今後も目が離せません
ぜひぜひ埼玉にとどまらず、鎌倉方面でも活躍してもらいたいなあ。千絵、応援してるよ~。
普段使いの漆、ぜひぜひ友達にも贈りたいお気に入りになりそうです。
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