第一章【天皇の地位、国民主権】
天皇は、日本国の象徴であり日本国民統合の象徴であって、この地位は、主権の存する日本国民の総意に基づく。
大日本帝国憲法では、主権の存するのは天皇であった。日本国憲法では、天皇は【日本国の象徴であり日本国民統合の象徴】である地位に退いた。果たしてそうだろうか。私は、かつてのヨーロッパ型の【立憲君主制】のお仕着せから、日本国民の総意によって【象徴天皇制】に進化したものと理解したい。また、両憲法の移行(改正)は国民投票などの民主的な方法によってはなされてはおらず、占領下の連合国の手によって実施されたことも忘れてはならない。真の日本国民の総意が形作られるのはこれからであり、創憲ということが言われ始めている。また、今上天皇の高齢による【生前退位】問題において、天皇自らの意見によって【象徴天皇制】のさらなる深化の必要が述べられた。・・・《続く》