まほろば俳句日記

毎日見たこと聞いたこと感じたことを俳句にします。JーPOP論にチャレンジ。その他評論・エッセー、学習ノート。競馬も。

俺たちは天使じゃない/新雑句雑感(184)~プロローグ5の終わり

2017-03-07 22:29:15 | 一人吟行記

一万五千円ちょうだい一万五千円の春ぬくし   春あさし新宿歌舞伎町屍派(北大路翼句集『天使の涎』を注文)   天国にほんの数秒昇天祭   その男翼は生えて来なかった  春あけぼの新宿の母どこかにいる   ABCマート ビックロ 死者の塔   ショーン・ペンの俺たちは天使じゃない 春   コマ裏のオタク集会私もいた(2002)   地溝帯越えて新宿またも空(から)   熱燗を握り潰して死んだやつ


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【俳句の此岸】未完に終ったアローンという名の解放区/私とは誰か~プレおたく世代の現在(9)

2017-03-07 21:48:31 | エッセー・評論

八王子アローンの名称は極めて象徴的であった。1960年代末の若者文化のキャッチフレーズは【連帯をもとめて孤立を恐れず】である。かの東大全共闘の残した名セリフである。当時の各大学のキャンパス内の至る所に書きなぐられていたという。69年1月の安田講堂陥落以来、同年中に全国の全共闘壊滅した。翌70年に、今度は全国の高校で反逆の嵐が吹き荒れた。全てはここまでであった。70年代後半ともなると、取り残された私たちから一切のキャッチフレーズは奪われ、文字通りの孤絶【アローン】こそが最も相応しい情況が訪れていた。1976年の秋の【アローン】は不発に終った。出演予定だった前衛ジャズ・ドラマーのミルフォード・グレイブスが何とドタキャンしたのである。その日、会場の【アローン】には数百人の入りきれないほどの聴衆が集っていた。道路まで人が溢れていて、中からは何もジャズ演奏らしい音は聴こえて来なかった。店のスタッフの言うには、突然出演者サイドからキャンセルの申し出があり、我々に報せる手段は無かったという。とりあえず、待機していた所謂前座の日本人グループ【集団疎開】の演奏が始まった。私には、彼らの演奏を耳にするのは初めてではなかった。それから数ヶ月前の、新宿郊外の甲州街道沿いにあったライブ・スポット【騒(がや)】でのことであった。・・・《続く》


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