まほろば俳句日記

毎日見たこと聞いたこと感じたことを俳句にします。JーPOP論にチャレンジ。その他評論・エッセー、学習ノート。競馬も。

玉砕は許さず/雑句雑感Ⅱ~プロローグ3の終わり(その38)

2014-08-13 22:59:26 | 雑句雑感Ⅱ
玉砕は許さず殺られるまで生きていろ  黒蝿の大群死体は2倍に膨張す  切断のペニスが口に吊るされし  50ヶ所以上の刺し傷敵なのか  憎しみを超えた憎しみ撃ち続く  撃ちし後ボロッと家族の写真かな  日本兵を殺め米兵を殺めけり  殺戮の果ての錯乱空歪む  モルヒネは効かず錯乱を抹殺す  100メートルの火炎の先にある無音   *NHKスペシャル【狂気の戦場 ペリリュー~”忘れられた島”の記録】より  

戦争も平和も/雑句雑感Ⅱ~プロローグ3の終わり(その37)

2014-08-13 19:45:32 | 雑句雑感Ⅱ
猛暑の日幸福の黄色いハンカチぼろ衣に  長崎を知らぬ市長にまた炎天  平和の二文字戦争の二文字酷似せり  土屋正忠に聞く平和を破るもの  平和記念公園誰も拾わぬ骨ばかり  無縁仏たらんとニッポンの気骨持つ  捨て鉢の平和防毒マスクたち  おのが娘を慰安婦に襤褸の父がいる  信じるな戦争も平和も信じるな  批判者の心の隙に髭の男  21世紀の戦争と平和逆転す  サブリミナルのコロセ戦争は死語となり

生きるとは/雑句雑感Ⅱ~プロローグ3の終わり(その36)

2014-08-13 02:02:21 | 雑句雑感Ⅱ
夏夕焼包帯の男語りだす  本土決戦気が付いたら腕が無い  死ぬまでの耳鳴り迷宮を蝉鳴けり  両眼でもう太陽は拝めない  太腿のような腕「今夜切ってやろう」  看護婦へお母ちゃーん「気が付いたようですね」 終戦日残った指で「死に損なったよ」 ニューギニア置き去りけんけん少年めく  恩給廃止2円50銭の食事のみ  終戦一転かつぎ屋で食いつなぐ  生き残りもう一度死ぬ戦傷者  両眼失明兵隊さん危ない!と遮断せる  凍る指点字が読めず耳澄ます(戦後GHQの援助打ち切り)  恩給復活自分のために生きてゆく  生きるとは大したもの能動作業義手  脳一歩手前で鉛弾叫びをり  肉体ごと焼かれ砲弾はこのあたり  子に当たる!学校で義手は使わない(戦後僻地での教育に尽力した藤谷良男氏) 名誉の負傷や日本傷痍軍人会  *NHKETV特集『戦傷病者の長い戦後』より

空虚の意味/雑句雑感Ⅱ~プロローグ3の終わり(その35)

2014-08-13 00:21:59 | 雑句雑感Ⅱ
滴りのいつからの空透き通る  母はいつも働きずくめ夕端居  草笛の名手か草笛光子といふ女優  ショーケンの「祭囃子が聞こえる」挫折あり  なめくじを潰して空虚の意味を知る  山姥に子を捨てし過去蛍飛ぶ  どこにでもある真暗がりにかたつむり  ここまではニッポン天使魚放つなり