★さちゅりこん――渡邊史郎と縦塗横抹

世界が矛盾的自己同一的形成として、現在において過去と未来とが一となるという時、我々は反省的である。(西田幾多郎)

朝だよ、感染だよ

2011-01-11 08:05:45 | 大学
朝だよ、夜明けだよ


来年度は授業のやり方、というより内容を根本から考え直すことにした。
いままでのやり方の欠点がやや拡大して学生の欠点として現れているように一見みえるからである。しかし、これであまり授業内容を縮小する方向で考えない方がよいのはいままでの経験が教えるところであろう。学生の力量に即して内容を縮小し、ある方向性に「特化」(笑)するようなやり方は非常に危険である。こちらは欠点に即してケアしているつもりが、意外なところに影響が出てくる。はっきりしているのは、教育の方法というより、こちらのトータルな勉強量とか研究の質とかの方が、学生に反映されているところ大ということである。こちらをなんとなく模倣しているのが学生だと考えた方がよいであろう。

宮台真司とかがしきりに言っている「感染」は、現在、我々が考えるより容易に起こっているのだと思われる。ある研究室に配属される学生が、まだ何も教わっていないのに、指導教官の人間性の稚拙な模倣をはじめるのは案外よく見かける現象である。態度とか人間関係とかだけを真似るとかね。たぶん指導教官本人の前ではそんなそぶりはないが、本人が居ないところで本人になりかわっていかにもという感じで振る舞う。なにしろ、指導教官が他者に与える(すなわち自分に与えた)イメージの模倣なのだ。これは単に滑稽である。

あまり模倣が起こらない学生は、他に模倣すべき者が強力に存在している場合だろう。恋人なんかだったらまだましだが、例えば自分自身(笑)の場合もあるかもね……