卒業論文の指導は一段落したが、レポート採点地獄は続いている。授業を終えて帰宅するとさっそくレポートにかじりついたが、一行目を読み始めたら疲労がどっと来たので、「ザ・シンフォニック・エリントン」をかけながら頭を休め休め読み続ける。
といきたいところだったが、この人達の音楽もBGMとはいかないところがあって、つい虚空を睨みつける状態に……。
「ナイト・クリーチャー」組曲を聴いてたらも り あ が っ て きてしまったので、ついNさんの成績のところに不可をつけてしまい慌てて修正する。
あまりにヘビーな内容に眼が点に。何回も観てるんだけどね……。ファシズムの扱いとかはやや古いとは思ったが、もちろんこれには様々な理由があってこうなっている訳である。思うに、今の大学をめぐる議論は、なぜ現状が生じているかという検討がほとんどないままに勝手に改革を行おうとするものが多すぎる。そして動機がだいたい教員の個人的なルサンチマンか処世だから更にやっかいである。相手の事情を忖度する能力がないから学問で全能感を覚えてその欠損を補っているような人間が多いとしか思えん。これは身に覚えがあるだけに、かなり心配な事態である。
すなわち、「ザ・ウォール」は、採点に集中するにはヘビーすぎた。