《試練》――現在史研究のために

日本の新左翼運動をどう総括するのか、今後の方向をどう定めるのか

資料:革共同26全総 議案(後半)

2019-10-30 13:49:26 | 日本の新左翼運動と共産主義運動をめぐって

資料:革共同26全総 議案(後半)

【管理者のコメント】

 引き続いて、資料として革共同26全総議案の後半部分を転載します。そこでは、新しい地点からの党建設とたたかいの任務・方針を記述しています。

 しかし、党建設論については、7回大会とそれ以降の組織総括において事実関係の自己批判的総括を避けたために、基本的視座をどう定めるのか非常に混乱している様が表れています。また任務・方針については、相も変らぬカンパニア主義に終始しています。世界史的大流動情勢にたいする綱領的認識がまったくなく、日本帝国主義・安倍政権にたいする階級的な危機感と怒りがありません。どこを、どう変えていくのか、非常に混迷しているようです。

………………………………………………………………………………………………………

(承前)
【2】革命に勝利する党組織の再確立

 以上を総括したうえで、われわれは、あらためて党はいかなる役割を果たすべきか、党と労働組合の関係は本来いかなるものであるべきか、さらに地区党と産別委員会の関係、中央と細胞の一体性をいかにかちとるべきかについて、全党的一致を再度確立し、プロレタリア革命に向かっての階級の組織化を全国・全戦線において猛然と推し進めていかなければなりません。

(1)3全総が明示した党と労働組合の関係

 そのために、ここでは、革共同の原点と言うべき3全総における提起を再確認しておきたい(以下の引用は「50年史序章」から)。

「革共同がさらに革命的労働者党建設の画次元的飛躍を実現したのが、1962年の革共同の3全総であった。3全総路線は『戦闘的労働運動の防衛』と『地区党建設』と『統一戦線』を大きく打ち出した。これは、革共同が職場生産点に基礎を置く本格的な革命的労働者党として自己形成し発展していくうえで、決定的に重要な路線の提起と確立であった。これは明確にレーニンが『共産主義における左翼空論主義』でおこなった提起を完全に主体化したものとして、現実の労働組合運動に『戦闘的労働運動の防衛』という形をとって積極的にかかわり、そのなかで労働運動の推進と革命的労働者党の建設を一体的にかちとっていこうとするものであった。これはまさに、今日の革共同の〈党と労働組合の一体的建設〉という路線の原型モデルとも言うべきものであった」

 この「原型モデル」を3全総での提起をとおしてつかみなおすことが必要です。
 1960年代は、今と比べれば比較にならないほどの階級的労働運動の基盤はあったが、高度成長を前にした合理化攻撃と総評指導部の右傾化・労資協調主義、日本共産党の労働運動放棄が進んでいました。しかし革共同は、「このような後退の流れに抗して、職場闘争の防衛と強化、戦闘的ストライキの実現と拡大のために全力をつくし、その闘いのなかで、戦闘的労働者との接点を大胆に拡大し、かれらをわが革命的共産主義運動の実体的な担い手に変革していくという困難な道を選んだのである」(「三全総政治局報告ならびに宣言」1962年。『本多延嘉著作選』第1巻所収)。
 さらに、3全総をめぐる黒田一派との党内闘争を推し進めた「三全総と革命的共産主義運動の現段階」(63年2月。前掲書)からの引用を確認したい。

 「わが同盟が三全総において『戦闘的労働運動の防衛』という実践的=組織的課題を提起し、労働(組合)運動における革命的共産主義者の闘争=組織戦術の『精密化』という実践的=組織的課題を現実的任務として取り組むことを決定した主体的立場は、まさに、同盟の活動の方法と内容、行動の能力をいかに高めるかという一点にかかわっていたのであり、したがって、直接にはそれらは、革命的労働者党を創成するための組織戦術の決定的な一環をなしており、その総括の次元は―狭義の誤解をおそれずにいうならば―党のための闘争に集約されるのである」
「わが同盟の同志たちは、若干の同志たちをのぞけば、労働組合運動の知識も未熟で、ほとんど政治的活動にたずさわって3、4年というところである。......にもかかわらず、われわれ革命的共産主義者は、『労働者のいるところでこそはたらかなくてはならない』のであり、......若い共産主義者の党は、どんなに未熟であろうとも、いな、そうだとすればよりいっそう、労働組合(運動)における闘争=組織戦術を精密化し、その活動を強化し、習熟することが大切なのである」
「当面するわが同盟の実践的=組織的課題は、労働運動内部におけるわが同盟の活動の方法と内容、行動の能力をいかに高めるか、戦闘的労働者との結合を拡大しつつ職場細胞を基礎とした産別委・地区党の建設をいかにすすめるのか、というすぐれて具体的なたたかいなのである」

 以上のように3全総において、革共同は、徹底的に労働運動現場、労働組合内において労働者との接点を拡大し、労働組合(運動)における闘争=組織戦術を精密化し、その活動を強化しながら、その闘いの前進を職場細胞、産別委員会をとおして地区党建設に目的意識的に集約しようとしたのです。
 革共同が党組織の基本とした地区党とは、個別資本との闘いの利害、産別的利害をこえた階級全体の利害の立場に立ち、プロレタリア権力のための闘争=政治闘争に向かって階級全体と資本の支配の抑圧下にある全人民大衆を組織し、率いる党のことです。そしてこの地区党建設の前進の地平からさらに労働(組合)運動と労働者階級全体への影響力を拡大し、プロレタリア革命に向かっての階級組織化を推進しようとしたのです。
 今から半世紀以上前の3全総の時代においては、「戦闘的労働運動(労働組合)」を防衛するということが具体的課題としてありました。新自由主義の現代においては、そのような「戦闘的労働運動」は、いったん解体され尽くしているかにみえますが、実はそうではありません。
 なによりも動労千葉の存在と闘いがあり、関生・港合同の3労組と闘う労組の全国陣形があります。動労総連合をはじめとして、わが同志たちが格闘している職場や労働組合が全国にいくつも存在しています。さらに決定的なのは、コンビニ関連ユニオンなどの闘いをはじめとして、新自由主義の崩壊過程においてこれから無数の労働者階級の決起が、自然発生的なものを含めて立ち上がってくる情勢にあります(佐野サービスエリア・ストなど)。これらの闘いを「防衛」し、ともに闘い、労働運動の変革と再生をめざしていくこと、その闘いにおける闘争組織戦術の精密化を進める党の闘争組織指導能力(それは個人の能力ではなく組織的実践と討議によって形成される)が決定的に求められているのです。
 この課題から身を避けたところで提起された、7回大会における「党建設の一面的強調」「党の労働組合」論、それを主導した政治局指導部は、無自覚的だったにせよ、以下のような道に党を引き込もうとしていたのだということを、強烈に自覚しなければなりません。

「......批判者(カクマル・黒田)は、このような実践的=媒介的立場に立つことができないのである。党と大衆行動との弁証法を革命への過程的な論理としてとらえることができないのである。ただそこにあるものは、党のための闘争の恐るべき単純化であり、労働者階級の大衆行動=闘争形態との結合を喪失したわい小な閉鎖的な党に関する宗教的な憧憬(しょうけい)だけである。だからこそ、このような非実践的な立場からは、党の組織構成に関する正しい解明も不可能なのであり、その行き着くところは『意外にも』解党主義なのである」(「三全総と革命的共産主義運動の現段階」)
 
 さらに、党と労働組合の関係について以下のレーニンの原点的提起も確認しておきたい。

「......経済闘争のための労働者の組織は、労働組合的組織でなければならない。社会民主主義的労働者は、だれでもできるだけこれらの組織に協力して、そのなかで積極的に活動しなければならない。だが社会民主主義者だけが『職業』組合〔労働組合〕の一員となることができるような状態を要求することは、けっしてわれわれの利益にはならない。そんなふうにすると、大衆に対するわれわれの影響範囲を狭めることになるからである。雇い主と政府とに対して闘争するために団結が必要であることを理解している労働者なら、だれでも職業組合〔労働組合〕に参加させるがよい。もし職業組合〔労働組合〕が、せめてこの程度の初歩の理解をもちうる人々の全部を結合しないなら、もしこれらの職業組合〔労働組合〕が非常に広範な組織でないなら、職業組合〔労働組合〕の目的そのものが達せられないであろう。そしてこれらの組織が広範であればあるほど、それに対するわれわれの影響もいっそう広範になるであろう。」(『なにをなすべきか?』)
「組合と党とのより緊密な接近―これが唯一の正しい原則である。組合と党とを近接させ結びつける努力―これがわれわれの政策でなければならないし、そのさいこれを実行するには、たんなる『承認』を追い求めるものではなく、また違った考えをもつ者を労働組合から追い出すのでもなく、われわれの宣伝、扇動および組織活動全体のなかでうまずたゆまず根気強くやらなければならないのである」(「論集『12年間』の序文」1907年)
「いまや労働組合の問題については、同じように断固としてつぎのように強調しなければならない―ボリシェビズムはあらゆる闘争分野、あらゆる活動舞台で革命的社会民主主義派の戦術を実行するものであると。......いまや労働組合内の活動は、疑いもなく大きな意義をもつようになりつつある。メンシェビキの中立主義とは反対に、われわれは組合を党に近づけ、社会主義的意識を発展させ、プロレタリアートの革命的任務を理解するという精神でこの活動を行わなければならない」
「われわれは、労働組合内で懸命に活動するであろうし、プロレタリアートのあいだにマルクス主 義の革命理論を普及させるために、階級組織の『とりで』をつくるためにあらゆる舞台で活動するであろう」(「労働組合と党との関係に関するヴォイノフの小冊子の序文」1907年)

(2)階級的労働運動路線とは新自由主義攻撃との対決路線

 われわれは、本来の階級的労働運動路線と党組織論を再確立し、改憲阻止決戦をプロレタリア革命に向けた政治決戦として闘える党に変革していかなければなりません。そもそも階級的労働運動・階級的労働運動路線とは、経済主義や組合主義とは相容れないものです。階級的労働運動とは、資本家階級と労働者階級との非和解性を明確にし、資本家的支配の打倒をめざして闘われる労働運動であり、そこには当然にも資本の支配を廃止するための労働者階級の政治権力をめざした闘い、すなわち政治闘争が含まれます。そもそも国鉄分割・民営化攻撃、日本における新自由主義攻撃は、労働組合の解体による戦後的階級関係の転覆と戦争ができる帝国主義国家をめざした改憲攻撃と一体です。
 現在の関生弾圧、JRにおける第3の分割・民営化攻撃、労組なき社会づくりの攻撃の激しさは、戦後的存立基盤を失い絶体絶命の危機に立たされた日帝支配階級・国家権力の改憲攻撃そのものであり、これとの闘いは、国鉄決戦=改憲阻止決戦、改憲阻止決戦=国鉄決戦として闘いぬくことなしに勝利しえません。

●新自由主義と対決する戦線指導の再確立を

 プロレタリア革命は、労働者階級がさまざまな分断を打ち破り、資本の支配によって抑圧されているすべての人民を組織し、団結させることによってはじめて実現することができます。女性解放・解放・障害者解放、入管闘争・外国人労働者組織化など、あらゆる戦線での闘争・組織指導能力の形成が求められています。これらの戦線は、新自由主義の矛盾の最も激しい集中点であり、階級分断攻撃との闘いの最前線です。これら戦線領域における指導の後退は、新自由主義攻撃にたいする屈服であり、党内から女性差別を生みだしてしまった原因でもあります。

(3)中央委員会と細胞の発展的関係

 中央―細胞の一体化、党全体の細胞的団結をいかにつくるか。
 労働者階級が、みずからの党を一個の有機的生命体をなすような細胞的団結体としてつくるのは、社会的富を独占する資本の集合的力にたいして、ブルジョア的中央集権的国家権力・政治警察にたいして勝利するためです。そしてその細胞的団結は、資本とその国家権力とにたいして、日常的に闘っていることによってのみ、実質的に形成されます。
 プロレタリア革命、プロレタリア独裁権力に向かっての日々の実践、理論闘争の先頭に立ち、その正しさを全党員・労働者階級から検証された一定の指導部層が中央委員会に選任され、地区党と産別委員会、各戦線組織の全細胞組織をひとつの政治的綱領・路線と当面の実践方針のもとに団結させる。そしてその細胞が全国の職場・組合・大衆運動組織・全戦線における労働者階級人民大衆と深く結びつき、運動を前進させ、新たな活動家・指導部を形成し、さらに新たな中央委員会を形成する。こうした中央委員会と細胞の動的な生命力にみちた発展的関係をつくりだしましょう。
 そのためにも中央委員会=全国委員会をオーソドックスに組織していかなければなりません。そして政治局を「全国委員会によって選出された日常的指導機関」として選出し、実体的に再確立していくことが必要です。

(4)非合法・非公然党建設に勝利する

 7回大会問題において、国鉄決戦指導問題とともに総括すべき重大な問題は、非合法・非公然体制をめぐる問題です。
 党の大会は、プロレタリア革命に向かっての当面の基本方針と党の中央指導体制、全国委員の構成員を決定する場であり、国家権力・政治警察からの秘匿(ひとく)・防衛を必要とします。党の全面的な公然化・ガラス張り化は、それ自身が党を合法主義化・体制内化させ、権力と闘わない・闘えない党に変質させる攻撃です。ブルジョア独裁国家権力を打倒し、プロレタリア独裁権力を打ち立てる暴力革命としての本質をもつプロレタリア革命を放棄させる転向攻撃です。
 革共同が、今日までありとあらゆる弾圧・合法主義化・転向攻撃を跳ね返し、プロレタリア暴力革命=マルクス主義の党として存在し闘いつづけることができたのは、この党の非合法・非公然活動(体制)と合法・公然活動(体制)の区別と結合をもって闘ってきたからです。
 ところが、7回大会の設定・持ち方は、非合法・非公然体制の原則的な堅持と一定の大衆的規模をもつ党大会の開催という矛盾を、いかにして現実的・具体的に解決するかという真剣な検討と組織化の闘いを十分になしえないまま、きわめて「イージーな形」になりました。これは国鉄決戦・階級的労働運動、政治闘争、あらゆる領域での指導の破産と実は一つの問題です。原則だけは掲げるが、それをいかにして、困難な現実のなかで適用し、具体的に実践していくかの真剣な討議と指導とがなされない。国鉄決戦に責任をとらない政治局は、非合法・非公然党建設指導にも責任をとらない政治局になっていたということです。
 そして一方では非・非党建設の死活性を盾にして、大会も全国委員会総会も開催せず、全国委員と政治局の選出をおこなわず、検証なき政治局指導体制の固定化を合理化・正当化し、その指導の空疎化・官僚主義化をもたらしたのです。
 非合法・非公然体制は、党を権力・反革命による破壊・解体攻撃から守り、マルクス主義理論の原理・原則を絶対に堅持し、いかなる情勢が到来しても党と階級との広範な結びつきを保障し、プロレタリア革命の勝利をたぐり寄せるためにあります。絶対に革命に勝利する党をつくる、この目的意識性において、非合法・非公然の党建設と合・非の厳格な区別と柔軟な結合を、党中央(全国委員会・政治局)の責任においてかちとっていかなければなりません。

【3】戦争か革命かをかけた改憲阻止決戦へ

 26全総は、なによりも日本プロレタリア革命―東アジア革命―世界革命の命運をかけた戦後最大の階級決戦・政治決戦としての19年秋から20年の改憲阻止決戦を闘い抜くことができる党への飛躍をかけて開催されています。
 改憲阻止決戦の巨大さを規定している今の時代認識を鮮明に打ち立てていかなければなりません。本総会では、核心的に以下のことを確認しておきたい。

 ①第一に、最末期帝国主義の絶望的延命形態としての新自由主義の全面的崩壊と大恐慌の深化、最後的な爆発過程への突入は、いよいよ避けられなくなっていく。2008年秋のリーマン危機以後、世界のブルジョアジーは、29年大恐慌と1930年代的破局の到来の現実性に震え上がったがゆえに、資本主義史上例のない異常な超低金利政策の継続、財政赤字の拡大、中央銀行による債券・株買い取りまでおこなってきた。そうして金融バブルを持続させること、労働組合の破壊・弱体化の上に労働者の総非正規化と貧困化を推し進め、社会保障解体や地方切り捨てなど社会を社会として成り立たせることを放棄してまで、過剰資本・過剰生産力の矛盾の爆発を繰り延べてきた。だが、この引き延ばしもこの10年で限界に達している。
 ここから全世界のブルジョアジー・支配階級は、階級矛盾・階級闘争の爆発、労働者階級人民の総反乱情勢、プロレタリア革命の現実性に直面し、その恐怖に駆り立てられながら、国家主義・排外主義を扇動しつつ、全面的な争闘戦政策(つぶしあい)にのりだしている。この大恐慌と争闘戦の世界戦争への転化過程と全世界労働者階級人民の嵐(あらし)のような決起とが重なり合いながら、世界革命情勢が加速していく過程が19―20年である。

 ②第二に、この争闘戦の世界戦争への転化過程は、トランプ政権を生みだした基軸帝国主義・米帝による戦後世界体制の破壊によって激しく促進される。戦後世界体制の枠組みを維持するのでも、それを争闘戦の「武器」とするのでもなく、戦後世界体制の枠組みそのものを米帝自身の桎梏として、破壊することにのり出したのが、「アメリカ第一主義」を掲げるトランプ政権である。
 「アメリカ一人勝ち」と言われた90年代後半から2000年代のバブル経済化過程(金融・ITの肥大化)で進んだのは、実は、トランプ政権なる「ハチャメチャな」政権を生みだしたほどの米帝の歴史的没落と危機(腐朽化)の不可逆的進行であり、階級矛盾の爆発だ。対中貿易戦争、イラン侵略戦争政策、対北朝鮮政策、新たな核軍拡・核戦争政策、国内での反移民、差別主義・排外主義の扇動、トランプ政権の「現状破壊性」、その「非合理性」は、基軸国・米帝の歴史的没落が一線をこえて進行し、それが米社会の階級矛盾・階級対立の極限的激化をもたらしていること、米支配階級が革命の現実性におびえていること、旧来の支配ができなくなっていることによるものだ。トランプは、米社会に渦巻く社会的な不満・怒り・絶望(すべて支配階級自身が生みだしたもの)をかき集め、その一切のはけ口を「外」へ、移民へ、中国へ、ロシアへ、他の帝国主義国へ向けること、それらを攻撃しつづけることで求心力を生みだしている。
 たしかに階級的労働運動の後退、階級的政党、革命的労働者党の不在のなかで、米帝国家権力と資本の力を総動員した、国家主義・排外主義の扇動は一定の力をもっている。しかし労働者階級は本能的に階級的であり国際的であって、UTLAストライキが示すように、そして青年・学生のあいだで「社会主義」への支持が広がっているように、アメリカ労働者階級の決起は不可避である。米帝論・トランプ論の深化、米階級闘争の対象化は、世界戦争と世界革命の時代認識を確立する核心であることを確認したい。

 ③第三に、やはり米中貿易戦争・米中対立の世界史的な巨大さである。中国共産党官僚・軍・警察の専制支配による労働者階級人民にたいする徹底的な政治的抑圧(および民族的抑圧)と新自由主義グローバル資本の結合が、巨大な残存スターリン主義国家・中国に資本主義の歴史にもないような急激な生産力の拡大、「経済大国化」をもたらした。だがそれは、巨大な階級的・社会的矛盾、さらに民族的矛盾を蓄積させている。その爆発を押さえつづけるためにも中国スターリン主義は、ひたすら成長を求め、市場拡大を求め(一帯一路政策)、そして大国主義的民族主義・愛国主義の発揚を求める。それは米帝・トランプとは絶対非和解である。
 米帝の最後の生命線である最先端情報技術(金融と軍事における優位性)を脅かすことが現実性をもった瞬間、米中対立は国家の存亡、体制の存亡をかけたものとなった。米帝トランプの制裁関税第4弾は、まだ始まりである。帝国主義とスターリン主義の戦後世界体制の最後的崩壊が、米中(ロ)対立とそれを基軸とする帝国主義国家間の対立と争闘戦の世界戦争への転化過程として、不可逆的に進行していく。

 ④第四に、日帝の改憲攻撃は、以上のような米中対立を軸とする帝国主義間・大国間争闘戦の世界戦争への転化過程の激しい進行によって規定されたものであり、改憲阻止決戦は、日帝打倒のプロレタリア革命か日本階級闘争の解体による戦争か、どちらかの決着しかない、歴史的な階級決戦になるということだ。
 日帝の存立基盤をなしてきた戦後世界体制が崩壊し、米帝自身によって破壊され、1930年代的情勢が再来するという情況において、日本帝国主義はもはやこれ以上、憲法9条=敗戦帝国主義としての制約に縛られつづけることに耐えられない。何がなんでも改憲を強行し、米帝トランプが突きつけてくるさまざまな経済的・軍事的諸要求に応えなければ、日帝の唯一の帝国主義的延命基盤である日米同盟も崩壊する。そして日帝は、大恐慌と米中対立を軸とする争闘戦激化と戦争情勢にまったく対応できず、軍事的にも経済的にも無力で破産した「弱小国」に転落する。
 この帝国主義としての没落、あるいは帝国主義からの脱落という体制崩壊の危機、そこから不可避となる階級支配の破綻と労働者階級人民の怒りの爆発、革命のリアリズム、これへの恐怖こそが、日帝支配階級を安倍を押し立てての改憲に駆り立てている。
 だが、安倍政権の改憲攻撃は、2014年7・1閣議決定、15年安保戦争法制定から4~5年が過ぎても貫徹しえていない。それは日本労働者階級の戦争絶対反対の階級的意思、その組織的運動体、その組織的中核をなす国鉄闘争を軸とした階級的労働運動と党を依然として解体することができていないからである。
 日帝支配階級は、この暴力的解体を、ひとつは2018年からの関生支部にたいする戦後最大と言うべき労組弾圧(百数十ヵ所の家宅捜索、9月までに87人逮捕、67人起訴、保釈金総額1億円以上)と、JRにおける東労組解体・社友会づくりを突破口とする「労組なき社会」づくりの攻撃によって強行しようとしている。
 もうひとつは、京大をはじめとする全国学生自治会運動つぶし、学生運動絶滅攻撃である。
 さらに、辺野古(へのこ)基地建設の暴力的強行、沖縄闘争圧殺攻撃である。復興五輪攻撃、常磐線全線開通攻撃による被曝強制、福島圧殺攻撃である。
 そして階級性解体の決定的手段である排外主義・国家主義の大攻撃である。日帝の侵略・植民地支配責任を追及しつづける韓国労働者階級人民への敵意をあらわにした韓国への貿易規制の経済報復発動、国家をあげた韓国にたいする排外主義の扇動である。これは、日韓連帯、東アジア・世界革命の戦略的突破口をなす日本と韓国のプロレタリア革命の結合を阻止するという攻撃でもある。これに代替わり儀式を使った大々的な天皇制攻撃、さらにオリンピック攻撃を重ねて排外主義・国家主義イデオロギーの洪水の中に階級を沈めてしまおうとしている。
 安倍は以上のような日本の労働者階級にたいする「上からの内乱」的なクーデター攻撃をしかけているのであるが、その最大の核心は反スターリン主義の革命的労働者党としての革共同の破壊にこそある。
 われわれは、この関生弾圧とJRにおける第3の分割・民営化攻撃、労組なき社会―非正規だけの社会をつくる階級的労働運動絶滅の攻撃、学生運動絶滅攻撃、沖縄・福島の怒りと闘いにたいする圧殺攻撃、韓国にたいする排外主義の大攻撃(民主労総を先頭とする韓国労働者階級と日本労働者階級の分断攻撃)、そして反スターリン主義の革命的労働者党の絶滅・解体をめぐる攻防に勝ちぬいて、19―20年改憲阻止決戦を帝国主義戦争かプロレタリア革命かをかけた、階級決戦・政治決戦として、全人民的な巨大な革命的大衆行動としてかちとらなければならない。
 11・3労働者総決起集会=改憲・戦争阻止!大行進の大結集、排外主義を打ち砕く民主労総と動労千葉の団結を軸とした日韓国際連帯の発展をその突破口としよう。それは、星野同志を先頭に闘いぬいた「沖縄奪還、安保粉砕・日帝打倒」「闘うアジア人民と連帯し、日帝のアジア侵略を内乱へ転化せよ」の0年決戦の革命的貫徹・発展としてもあるのだ。

                   *     *     *
 真の意味での革命情勢がやって来ています。プロレタリアートはこの情勢を本当の革命に転化することができるのか。革共同こそが問われています。革命情勢の本格的到来を前にしての革命党のスターリン主義的変質、国家権力・民間反革命テロルによる破壊・解体、あるいは解党主義と内部崩壊、この「あらかじめの」党の壊滅、階級的結集軸の喪失による階級的団結の解体、これがロシア革命以後の1920年代~30年代以来の帝国主義支配階級の革命圧殺の核心です。
 現在の組織問題と党の危機も、革命情勢の接近・到来とは無縁ではありません。その革命的・根底的総括と党の再生・再団結は、まさにこの革命情勢(支配階級の危機と労働者階級の根底的怒りの爆発)と革命党の結合を絶対に成し遂げるという革命的執念をもって遂行されなければなりません。
 われわれは、カクマルの反革命テロルにも、国家権力の破防法発動、爆取(ばくとり)弾圧をはじめとするあらゆる弾圧にも屈せず闘いぬいてきた党です。獄中44年の非転向を貫き通した星野同志の党です。この党の中に必ずあらゆる試練・危機をのりこえ、労働者階級と広く深く結びつき、国鉄決戦・改憲阻止決戦に勝利し、プロレタリア革命に勝利する力があります。

【4】組織総括をかけて11月へ 当面する決戦課題

 ①関生弾圧粉砕! 全階級的・全人民的な怒りと大衆的反撃を組織する。この闘いに、階級的労働運動の再生と巨大な改憲阻止決戦をつくりだす圧倒的展望がある。拠点での組織化と広範な陣形の形成を促進しよう。
 ②改憲・戦争阻止!大行進運動の本格的発展へ。党の決戦体制を確立する。
 ※ 具体的な人員配置。宣伝・扇動の計画。教労・自治体をはじめとする拠点組織化と陣形拡大(統一戦線)の諸政策......。
 ③9・22水戸集会の成功をかちとろう。動労水戸と団結し、集会実行委員会の呼びかけにこたえ、全国から結集しよう。
 ④日帝・安倍の改憲・戦争に向けた排外主義の大攻撃を粉砕し、動労千葉と民主労総の団結を軸に、日韓国際連帯の強化・発展を。
 ※9・2~7旭非正規職支会第5次日本遠征闘争は、現情勢において決定的闘いであった。
 ⑤11・3労働者集会を階級的労働運動と改憲・戦争阻止決戦への労働者人民の総決起の場としてかちとろう。

■最後に
青年・学生の党を建設する これからの党の基本精神

「若い力が必要である。私だったら、人がいないなどとあえて言うような人間をその場で銃殺するよう、率直に忠告するだろう。ロシアにはいくらでも人がいる。ただ、青年をおそれることなく、もっとひろく大胆に、もっと大胆にひろく、もう一度ひろく、もう一度大胆に、青年をつのることが必要である。ときは戦時である。青年が、学生や、それ以上に労働者が、闘争全体の結末を決定するであろう。遅鈍、地位の尊重、等々のあらゆる古い習慣をすてよ。青年からフペリョード(ボリシェヴィキ機関紙『前進』)派の数百のサークルをつくり、彼らをはげまして力いっぱい働かせよ。青年を採用して委員会を3倍に拡大し、5ないし10の下級委員会をつくり、あらゆる誠実で精力的な人物を洩(も)れなく『自主補充せよ』。どの下級委員会にも、どういう長たらしい手続もなしにリーフレットを書き出版する権利をあたえよ(誤りをやっても、たいしたことはない。われわれはフペリョードで『おだやかに』訂正するであろう)。すべての革命的創意に富む人々を、猛烈な速さで統合し、うごきださせなければならない。彼らの訓練不足をおそれるな。彼らの未経験と未熟についてびくびくするな。第一に、もしあなた方が彼らを組織し、つきうごかすことができなければ、彼らはメンシェヴィキやガボンのような連中のあとにしたがい、同じその未経験によって5倍も多くの害をあたえるであろう。第二に、いまでは諸事件がわれわれの精神でおしえるであろう。諸事件はすでにほかならぬフペリョードの精神ですべての人々をおしえているのである。
 ただ、通例の委員会的(位階制的)な、もったいぶった愚劣さをまったく背面におしのけて、数百のサークルをぜひとも組織し、組織し、さらに組織しなければならない。ときは戦時である。あらゆる種類の、あらゆる形態の新しい、若い、新鮮な、精力的な軍事組織をいたるところにつくるか、それとも、あなた方は印章をもった『委員』の栄誉とともに滅亡するか、どちらかである」(レーニン A・A・ボグダーノフとS・I・グゼフへの手紙より 1905年11月11日)

 この1905年革命におけるレーニンの精神を、これからのわが党の基本精神とし、革共同を名実ともに青年・学生の党へと生まれ変わらせよう。そして、改憲阻止・日帝打倒のプロレタリア革命勝利へ突き進もう。


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