鑿壁偸光 漢字検定一級抔

since 2006.6.11(漢検1級受験日) by 白魚一寸

意味がonlyな訓の1級漢字を探す

2007年09月17日 | 三点セット1 漢検漢字辞典

 19-1では、「辞典」の音訓索引の訓欄に複数の漢字があっても、意味がonlyな訓がいくつか出題されていました。 18-1でも搗つ(出題は「搗ち合う」)が出ました。

 意味がonlyな訓は、気づいたときに、音訓索引に仕切り線を入れていました。先日来、狭義のonlyな訓の1級漢字を列挙しましたので、今度は意味がonlyな訓を探そうと思い、1級で見出し語のある訓について、「辞典」の最初から、探しています。

 先ずは【婀やか】。「辞典」の音訓索引の「たおやか」の欄を見ると、嫋もあります。「辞典」の意味を引用しますと、

【婀やか】 姿形がしなやかで美しいさま。また、動作が優美なさま。
【嫋やか】 なよなよとして美しいさま。「―な柳の枝」

とあります。これだけ比べると、両者は意味が違うような気もします。婀の音符の阿には、曲がったところという意味があるので、姿形の曲がったところ=しなやかというところに重点があり、嫋の音符は弱いですから、弱々しい=なよなよとしたというところに重点があるのかもわかりません。「字通」に依ると、婀も嫋も、 「類聚名義抄」に、たおやかという訓があり、もしかしたら日本人は、両者を使い分けてきたのかもわかりません。

 しかし、婀と嫋の親字欄の意味には、孰れも、「たおやか。しなやかで美しいさま」とあり、「辞典」では、婀と嫋は同じ意味です。そもそも、たおやかという言葉すら最近では殆ど使われませんし、婀も嫋も同じでしょう。以前、さえず(囀・哢)るについて書いたときにも触れましたが、漢検は漢字の精妙な意味の違いを問うことはありません。大体同じ意味のときは、どちらでも正解だと思います。従って、婀も嫋も意味がonlyな漢字ではありません。

 一つ一つこんなに丁寧に検討していては全く進みませんので、大体同じ意味ならonlyではない、全く違った意味のときにonlyということにしています。でも、「辞典」の意味欄を比較していると結構手間です。

 これはなかなか見つかりません。瑩まで行きましたが、今のところ、見つかったのは、洟(はな)、饐(す)える、暈(かさ)9-1K 14-2Kです。逆に言うと、1級漢字の訓については、意味がonlyなものは少なく、いくつかの漢字で書くことができ、その中には常用漢字で書けるものも多くあります。従って、訓については、読めればよく、書けなくてもよいものがかなりありそうです



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