正太 「そのとおり。あの世というのは、心の段階によって無数に分かれている世界なんだ。また、一番下の地獄でも、浅い地獄もあれば深い地獄もあるというように、その罪の深さによってこれもいろいろと分かれているんだね。
もう一度最初の「善悪」の問題に話を戻すと、善悪というのは、単に「行い」だけじゃなくて、「心の中で思っていること」にもあてはめられるし、そうした心の中の悪というのは、「嫉妬」とか「愚痴」「憎しみ」「足ることを知らない欲望」とか、一般に「執着」とよばれているものがそれにあたるんだね。地獄に堕ちる原因は、この「執着」にあるんだよ。だから、単に殺人とか強盗とかの犯罪行為をすることだけが悪というわけじゃなくて、神様の目から見た悪というのは、本当はとても範囲が広いんだね。
まあこのあたりのこと、つまり、善悪を含めて、この世にいたときに、どういう「心のあり方」で生きれば、あの世でどういう世界が待っているか、という対応関係を、実際のあの世の様相を紹介しながら、詳しく説明していこうと思うんだ」
勇二 「ふーむ。それは楽しみだね。ところで、今の話で、生きていたときの心の中身が重要だっていうことは、よくわかったんだけど、じゃあ、そうした心の中で思ったこと、考えたことっていうのは、何かに記録でもされているわけ? それこそ、エンマ様が一人ひとりのエンマ帳をつけてるなんて、昔から言うけど」
正太 「そうなんだよ。もっとも、エンマ様がエンマ帳をつけてるわけじゃないけどね。たとえば、君がオギャーと生まれてから、今この瞬間まで、心の中で思ったこと考えたこと、そして行ったことというのは、一つ残らず記録されているんだよ」
勇二 「えーっ! 参ったなー。そんな、全部録られてるなんて、全く考えずに生きてきちゃったよ」
正太 「うん、現代の人は信じていない人が多いけど、昔は「神様が全部見ているから、誰も見てないところでも悪いことをしちゃいけないよ」とか「あの世に還ったら自分の一生をみんなの前で見せられるよ」とかいう表現で、そうした事実を語っていたんだね。まあ、これは単なる表現じゃなくて、実際そのとおりなんだけど」
勇二 「えーーっ!、あの世に行ったら自分の一生をみんなの前で見せられるのかい?」
正太 「そうなんだよ。昔から「瑠璃玻(るりは)の鏡」とか「照魔の鏡」とかよばれているけど、そういうスクリーンみたいなものに、自分の一生がバーっと映し出されちゃうんだよ。それも行いだけじゃなくて、その人が何を考えていたかまで、全部わかっちゃうんだね。まあ、こんなことを話し出すとまた脱線するから、「三途の川を渡ってからの説明をお楽しみに」としか言えないんだけど」
勇二 「あーあ、ショックだなあ」
正太 「で、その記録なんだけど、人間の心には表面意識と潜在意識というのがあるんだけど、その間に「想念帯」という一つの記録装置があるんだね。この想念帯という部分は、一種の記憶テープあるいはCD盤のようになっていて、その人が過去から現在まで思ったこと行ったことのすべてが記録されているんだ」
もう一度最初の「善悪」の問題に話を戻すと、善悪というのは、単に「行い」だけじゃなくて、「心の中で思っていること」にもあてはめられるし、そうした心の中の悪というのは、「嫉妬」とか「愚痴」「憎しみ」「足ることを知らない欲望」とか、一般に「執着」とよばれているものがそれにあたるんだね。地獄に堕ちる原因は、この「執着」にあるんだよ。だから、単に殺人とか強盗とかの犯罪行為をすることだけが悪というわけじゃなくて、神様の目から見た悪というのは、本当はとても範囲が広いんだね。
まあこのあたりのこと、つまり、善悪を含めて、この世にいたときに、どういう「心のあり方」で生きれば、あの世でどういう世界が待っているか、という対応関係を、実際のあの世の様相を紹介しながら、詳しく説明していこうと思うんだ」
勇二 「ふーむ。それは楽しみだね。ところで、今の話で、生きていたときの心の中身が重要だっていうことは、よくわかったんだけど、じゃあ、そうした心の中で思ったこと、考えたことっていうのは、何かに記録でもされているわけ? それこそ、エンマ様が一人ひとりのエンマ帳をつけてるなんて、昔から言うけど」
正太 「そうなんだよ。もっとも、エンマ様がエンマ帳をつけてるわけじゃないけどね。たとえば、君がオギャーと生まれてから、今この瞬間まで、心の中で思ったこと考えたこと、そして行ったことというのは、一つ残らず記録されているんだよ」
勇二 「えーっ! 参ったなー。そんな、全部録られてるなんて、全く考えずに生きてきちゃったよ」
正太 「うん、現代の人は信じていない人が多いけど、昔は「神様が全部見ているから、誰も見てないところでも悪いことをしちゃいけないよ」とか「あの世に還ったら自分の一生をみんなの前で見せられるよ」とかいう表現で、そうした事実を語っていたんだね。まあ、これは単なる表現じゃなくて、実際そのとおりなんだけど」
勇二 「えーーっ!、あの世に行ったら自分の一生をみんなの前で見せられるのかい?」
正太 「そうなんだよ。昔から「瑠璃玻(るりは)の鏡」とか「照魔の鏡」とかよばれているけど、そういうスクリーンみたいなものに、自分の一生がバーっと映し出されちゃうんだよ。それも行いだけじゃなくて、その人が何を考えていたかまで、全部わかっちゃうんだね。まあ、こんなことを話し出すとまた脱線するから、「三途の川を渡ってからの説明をお楽しみに」としか言えないんだけど」
勇二 「あーあ、ショックだなあ」
正太 「で、その記録なんだけど、人間の心には表面意識と潜在意識というのがあるんだけど、その間に「想念帯」という一つの記録装置があるんだね。この想念帯という部分は、一種の記憶テープあるいはCD盤のようになっていて、その人が過去から現在まで思ったこと行ったことのすべてが記録されているんだ」