Naked Heart

その時々の関心事をざっくばらんに語ります

深刻な産科医不足

2006年06月09日 23時51分18秒 | 時事・社会
隠岐病院、11月から複数医師赴任
                        中国新聞ニュース '06/5/14

 ▽島内出産再開へ
 島根県隠岐の島町の隠岐病院が、常勤の産婦人科医師を確保できず
院内出産への対応を断念した問題で、同病院を運営する隠岐広域連合
(連合長・松田和久隠岐の島町長)は13日、11月から複数の常勤医師の
派遣を受けられるめどが立った、と発表した。島根県が新たに医師を確保
したためで、島内での出産が再開できる見通しとなった。
 県や同連合によると、赴任の内諾を得たのは県外の医師。離島での1人
体制では医師の負担が大きく、複数体制の構築が課題だったが、県が医
師を確保できたことで県立中央病院(出雲市)が支援体制を組めるように
なった。同病院からの派遣も加え、2人体制での常駐を想定している。
 12日夜、医師確保の見通しを県から伝えられた松田町長は13日、町役
場で会見。「島内で安全、安心な体制で出産できることになり、大変うれ
しい。島民に対し責任が果たせた」と話した。
 隠岐病院の後任の産婦人科医師をめぐっては、同町と島根大医学部と
の交渉で、安来市立病院の医師(62)が一時、赴任の意向を固めたが、
支援体制の在り方などをめぐって調整が難航していた。
 隠岐病院では、同大からの派遣医師が引き揚げられた後、県立中央病
院から臨時的な派遣を受けてきた。しかし、同病院でも医師不足が深刻
となり、4月15日以降の派遣を断念。島で出産を予定していた妊婦は、本
土での出産を余儀なくされた。今月12日までに19人が松江市などに渡り、
七人が出産している。(城戸収)

 ▽関係機関 欠かせぬ協調
 【解説】 隠岐病院(隠岐の島町)で常勤の産婦人科医師が不在となった
問題は、県が新たに県外の医師を確保したことで事態が打開する見通しと
なった。だが、これは「対症療法」でしかない。産婦人科に限らず、医師不
足という構造的な問題は今後、中山間地域などでもさらに深刻さを増す。
公立病院とそれを開設する自治体、県、県内唯一の医師養成機関の島根
大医学部。難局に立ち向かうには三者の役割分担を明確にし、真の協調
関係を構築する必要がある。(城戸収)
 県が隠岐病院の後任医師の確保に力を注いだのは、病院を運営する隠
岐広域連合に名を連ねていることや、離島という特殊性があったからだ。
 各地の病院が医師不足に悲鳴を上げる中で、すべてのニーズに応える
力は県にはない。そして、人材確保に一義的に責任を負うのは病院と自治
体であり、県は支援者との立場。しかし、県の「正論」がどこまで自治体に
理解されているだろうか。
 今回の後任探しの過程では、関係機関の対立が露呈した。隠岐の島町
側が島根大医学部産婦人科教授と交渉し、いったんは安来市立病院の
医師が赴任の意向を示したが、支援体制などについて「県への不信感」
から態度を保留したという。背景に、産婦人科医療体制や人事権などを
めぐって県側と教授側との意見の対立があった、と関係者は口をそろえる。
 ただ、県や同町は一貫して、「医局」人事ではなく、組織としての責任を
明確にする大学人事扱いでの派遣を求めた。地域医療機関への医師派
遣の役割を担う島根大医学部として内部調整できず、答えを出せなかった
ことは、町民や妊婦たちを振り回すことになってしまった。
 この先も間違いなく続く医師不足という現実を見据え、関係機関がいか
に歩調を合わせ、自らの役割と責任を果たせるか。隠岐病院問題が映し
出した課題である。


先日、'05年の合計特殊出生率が1.25にまで下がったことが報じられて
いました。政府の少子化対策も、「百年安心」の「改革」も全く効果を発揮
しなかったわけです。猪口少子化対策担当大臣は「結婚件数の増加は
明るい兆し」などとのたまってましたが、晩婚化も進んでいますし、少子化
は今に始まったことではなく、これから結婚適齢期を迎える人がどんどん
減っていくわけですから、子どもの数が劇的に増えることはまずありえま
せん。「第三次ベビーブーム」は起こらない、というのが専門家の一致した
見方です。
人口も1899年に統計を取り始めて以来初の自然減となり、この国の将来
が案じられるところです。
ところが、子どもを産もうにも産科医がいない地域があるというのですから
困った話です。少し前には、岩手県が中国人の研修医を受け入れたこと
で騒がれていましたが、産科医の不足は深刻化しているようです。

それにしても、最終的にはどうにか目途が立ったとはいえ、隠岐でも医師
の確保に苦労するようでは、竹島を実効支配したとしても、人が住むのは
到底無理だろうな、と思わずにはいられません。
「くれてやればいい」という朝日新聞の主張はどうかと思いますが、結局
のところ生活がかかっている地元の漁業関係者を除けば、シンボリックな
存在でしかないのかな。

オーラの泉

2006年06月07日 23時54分56秒 | 日記、雑感
私はこの手の番組は嫌いですが、伴侶が毎週ビデオに録ってて、たまたま
先週のゲストが元Winkの相田翔子だったので、一緒に見ることにしました。
久々に見た翔子ちゃん、全然変わってませんでした。私の兄と同い年の筈
ですが(早生まれだけど)・・・。というか、最近よくテレビに出る「元アイドル」
って、みんな変わってない気もします。
私もよく、昔の友人から「全然変わってないね」と言われて、「苦労してない
から」と答えてますが、あの人たちは随分苦労している筈なのに、何で?

話を戻しますが、この番組はかなりの人気のようですね。江原啓之の著書
も売れてるそうで。でも私は、この番組を支えてるのは、美輪明宏だと思い
ますが。あと、国分太一目当ての視聴者も少なくないかと。
ただ、レギュラー陣のバランスがよく、押し付けがましい内容でないのは、
好印象でした。ちゃんと眉につばを付けて見れば・・・あ、でもそれじゃ、何
も残らないかも。(笑)
映画の誕生と同時にトリック撮影が生まれたように、映像というものは嘘を
含んでいる可能性を、私たちは忘れてはならないと思います。生の人間と
の人格的な交わりには信頼が不可欠ですが、画面の向こうの人物までも
100%信じることは別問題です。そもそもオンエアできてるという時点で、
製作意図や公共放送のルールに合致したものが「つくられている」わけ
ですから。
個人的には、美輪明宏はまあまあ好きです。被爆体験とか、三島由紀夫
との因縁といった逸話にも、心惹かれます。不思議な魅力の持ち主である
ことは確かです。
一方の江原啓之は、何か胡散臭さが拭えません。テレビだから仕方のない
面もありますが、あんなおしゃべりは本当のカウンセラーではありません。
気の利いたことも言ってますが、従来の「霊媒師」と大差ありません。それ
がなぜ、こんなにもてはやされるのでしょう。日本人は忘れっぽいお人よし
なのか、それとも「癒されたい症候群」が深刻化しているのか・・・。

「素顔」の翔子ちゃんって、私のセルフイメージと重なる部分が結構あって、
ちょっぴり嬉しかったです。あくまで自分がそう思うだけで、客観的に見て
どうかは分かりませんが。
それで、「私の前世も(翔子ちゃんと同じ)フランスの高貴な家の娘だったの
かな」と伴侶に言ったら、「相田翔子はフランス人形って感じだけど、あなた
は全然フランスっぽくない」と返されてしまいました。ふん、どうせ。

替え歌

2006年06月06日 22時48分52秒 | 時事・社会
「君が代」替え歌流布 ネット上「慰安婦」主題?

 卒業式、入学式での国歌斉唱が浸透するなか、「君が代」の替え歌
がインターネット上などで流布されている。「従軍慰安婦」や「戦後補償
裁判」などをモチーフにした内容だが、本来の歌詞とそっくり同じ発音に
聞こえる英語の歌詞になっているのが特徴で、はた目には正しく歌って
いるかどうか見分けがつきにくい。既に国旗掲揚や国歌斉唱に反対する
グループの間で、新手のサボタージュの手段として広がっているようだ。
 替え歌の題名は「KISS ME(私にキスして)」。国旗国歌法の制定以降
に一部で流れ始め、いくつかの“改訂版”ができたが、今年二月の卒業
シーズンごろには一般のブログや掲示板にも転載されて、広く流布する
ようになった。
 全国規模で卒業式、入学式での国旗掲揚、国歌斉唱に反対する運動
を展開するグループのホームページなどでは、「君が代替え歌の傑作」
「心ならずも『君が代』を歌わざるを得ない状況に置かれた人々のため
に、この歌が心の中の抵抗を支える小さな柱となる」などと紹介されて
いる。
 歌詞は、本来の歌詞と発声が酷似した英語の体裁。例えば冒頭部分
は「キス・ミー・ガール・ユア・オールド・ワン」で、「キー(ス)・ミー・
ガー(ル)・ヨー・ワー(ン)」と聞こえ、口の動きも本来の歌詞と見分け
にくい。
 歌詞の意味は難解だが、政府に賠償請求の裁判を起こした元慰安
婦と出会った日本人少女が戦後補償裁判で歴史の真相が明らかに
されていくのを心にとどめ、既に亡くなった元慰安婦の無念に思いを
はせる-という設定だという。皇室に対する敬慕とはかけ離れた内容
で、「国家は殺人を強いるものだと伝えるための歌」と解説したホーム
ページもあった。
 ≪陰湿な運動≫
 高橋史朗・明星大教授(教育学)の話「国旗国歌法の制定後、正面
から抵抗できなくなった人たちが陰湿な形で展開する屈折した抵抗
運動だろう。表向き唱和しつつ心は正反対。面従腹背だ。国会審議
中の教基法改正論議で、教員は崇高な使命を自覚することが与野
党双方から提案されている。この歌が歌われる教育現場では、論議
の趣旨と全く反する教育が行われる恐れすらある」
     ◇
 ■「君が代」の替え歌 歌詞と訳
 【詞】
 Kiss me, girl, your old one.
 Till you're near, it is years till you're near.
 sounds of the dead will she know?
 She wants all told, now retained, for, cold caves know the moon's
seeing the mad and dead.
 【訳】
 私にキスしておくれ、少女よ、このおばあちゃんに。
 おまえがそばに来てくれるまで、何年もかかったよ、そばに来てくれ
るまで。
 死者たちの声を知ってくれるのかい。
 すべてが語られ、今、心にとどめておくことを望んでくれるんだね。
 だって、そうだよね。冷たい洞窟(どうくつ)は知っているんだからね。
 お月さまは、気がふれて死んでいった者たちのことをずっと見てる
ってことを。
                    (産経新聞 5月29日3時16分更新)


少し前にTakeさんのブログで紹介されていました。
一読して、不謹慎ながら、爆笑してしまいました。もちろん、この替え
歌が投げかけるものの重みは理解した上で、のつもりですが。
これを「陰湿」とか「屈折」としか理解できない人たちは、おしゃれで
スマートな言葉で「解説」はできても、実際に苦しんでいる人々と共感
しあったり、世の中を動かしたりすることはできないでしょう。
私が影響を受けた、田川健三や青野太潮の描くイエス像も、この替え
歌の世界と共通する部分があるような気がします。(どこがどう、とは
うまく説明できないので、考えがまとまったら、いつか改めて書きたい
と思います。)

何を誇るべきか 後編

2006年06月05日 23時51分24秒 | 時事・社会
16歳以上の来日外国人に指紋情報の提供を義務付け、入国審査だけ
でなく犯罪捜査にも利用するという出入国管理・難民認定法(入管法)
改正が5月17日に可決・成立しました。
共謀罪に関してはネット上では大いに盛り上がり、このブログでも何度
か取り上げました。教育基本法改正は、いまいち反応は鈍いものの、
自民党文教族が何十年も前から血道を上げ続けてきてるだけあって、
条文は知らなくても認知度は意外と高いように思います(その分、「よく
分からないけど賛成」派が多いという問題はありますが。)それに引き
換え、入管法改正はほとんどの人が審議されてることすら知らなかった
かも知れません。しかしこれは実のところ、共謀罪と並んで、「テロとの
戦い」のための最重要法案であったわけです。
米国が昨年、入国する外国人の指紋や顔写真などの提供を義務付け
たことは、日本でも大きく報じられました。そのような措置を採っている
のは、先進国では米国だけです。恐怖政治を敷いている「ならずもの
国家」でもそういう話は聞いたことがありません。
ところが、日本政府はものの見事に米国に追従して、「悪い見本」の
仲間入りをしてしまいました。指紋提供義務化がどれほどの大問題で、
反発を招くか、「在日」問題で痛感してる筈なのにね。
しかも、収集されたデータは、70年間も保存され、犯罪捜査にも流用
されること、要請があれば外国にも提供することが、審議の中で明らか
になっています。入管システムを担当するのは、米国の同システムも
受け持ったアクセンチュア社です。米企業が世界規模での個人情報
独占に乗り出していることも覗われます。
法改正は米中枢同時テロなどを受け、政府が'04年12月に策定した
「テロの未然防止に関する行動計画」を踏まえた内容で、法相がテロ
リストと認定した人物を退去させられる規定や、日本に入国する航空
機や船舶に対する乗員・乗客の名簿の事前提出義務も盛り込まれて
います。片やヨーロッパでは、欧州司法裁判所が先日、EUが航空機
の旅客情報を米国に提供することは違法との判断を下しました。この
違いはどこから来るのでしょうか。

いつもそうですが、この問題でも「別に悪いことしてなければ困らない
でしょ?」というおとぼけ発言が目につきました。指紋を採るなんて、
悪いことをした人がさせられることだと思うんですけど、こういう人は
指紋を採られる人の気持ちは分からないのでしょうか。
私の友人のミュージシャンMIXさんのブログには、こんなことが書いて
ありました。

ということを考えていた矢先にドイツで聞いた日本の入管法改正
のニュース。向こうのニュースでも外交欄のトップになってました。
ほぼ「鎖国時代に戻るのか」とか「アメリカの影響受けすぎじゃん」
っていう論調だったみたい。ちょうど友人に、「次はそっちが日本に
おいでよ」っていう 話しをしてた直後だったので、旦那さんと一緒に
かなりショックを受けてました。指紋とるって、やっぱりあなたは
外国人だからちょっと危ないんじゃないか疑ってますってことだもん
な…。私もびっくりしたし、法案があることすら知らなかった自分の
無知さも。
テロとか色々あるご時世、そりゃ爆弾とか薬とか銃を持ってたら
追い出されるのは当然だし、空港はそういうチェック機関でもある
わけで、そこは毅然としてればいいけど、それに加えて日本はもう
ちょっと胸はって「ようこそ」とも人を受け入れられる度量があって
もいいのでは。それを無くしてむやみに疑心暗鬼の塊だけで動く
ようになってくると、ちょっと怖い。
(すでにそういう傾向、政治レベルでも民間レベルでもだいぶある
気がする)
「この彼らが日本に来た時に指紋捺印させるのやだなー」っていう
感情の部分とはまた別に、社会の中でこういう人に対する疑念とか
警戒心が強まってくると、むしろ犯罪や紛争は増長するんじゃない
かっていう不安もあり、個人的にはタイミングもあいまってかなり
考えさせられたニュースでした。


海外在住の自分の友人が採られなきゃならないとしたら、あるいは
自分が外国に行って、同じ立場に置かれたら、どうでしょう。
もちろん、この問題の恐ろしいところはそれだけじゃなくて、集め
られた個人情報が悪用される懸念が払拭できない点にもあります。
警察や行政を本当に100%信用できますか?ということです。数々
の事件・不祥事に対する反応を見ていると、そういう人は皆無に
近いと思えてならないのですが。

ところで、前回取り上げた杉原千畝は、当時の盟友であったドイツ
('36年に防共協定を結んでおり、杉原がビザを発給していた頃に
はイタリアを含む三国軍事同盟が締結目前だった)の対ユダヤ人
政策とは相容れない行動を取っていました。それが通説通り杉原
の個人行動ならばもちろん、仮に日本政府の意向に沿ったもので
あったとしても、彼の取った行動はドイツとの関係を悪くし、国益を
損ないかねないものでした。
もしそのような行為が、後世評価され、誇るべきことになるのであれ
ば、今日、米国の「テロとの戦い」に全面協力し、米国政府の意向
に追従して、イスラムへの差別・偏見の増長にも加担している日本
政府・日本人はいかがなものなのでしょうか。アジアの人たちへの
態度はどうでしょうか。
杉原を誇りたいなら、大勢に流されること無く、人道主義を貫くべき
ではないのでしょうか。

何を誇るべきか 前編

2006年06月04日 00時43分15秒 | 時事・社会
小泉首相が、水俣病公式確認50年の慰霊祭には見向きもせずに外遊
に出かけ、アフリカで野口英世なんかを持ち上げてたのと同じ頃、ポスト
小泉の一人と目されている麻生外相もリトアニアを訪問し、杉原千畝を
持ち上げていました。他に伝えるべきことがあるでしょうに、各メディアは
こぞって報じていましたから、皆さんも目にされたことでしょう。

「先輩への評価は誇り」 麻生外相が杉原記念館訪問

 麻生太郎外相は6日午前(日本時間同日午後)、リトアニア中部の
カウナスにある元同国領事代理の故杉原千畝氏の記念館を訪問した。
 麻生氏は、第2次大戦中、ユダヤ人難民に日本通過査証(ビザ)を
発給し多くの命を救った杉原氏について「(外務省)本省の意向に
沿わずにビザ発給を続けることはなかなかできるものではない」と
指摘。「外務省の先輩として、こうした人が評価されていることを誇り
に思わなければいけない」とたたえた。
 同記念館は、2000年5月、旧日本領事館を一部利用して開設され
た。
                         (共同通信 05/07 02:20)


日経の記事によると、「外相は記者団に『本省の意向に沿わなかった
が先見性があった。後のソ連侵攻も見据えていた』と指摘、長期的
視点の決断を評価した。」のだそうです。
現職の閣僚が「本省の意向に沿わなかった」人物を評価するのは、
ある意味おかしな話です。その上当人は、信念を貫いて卒業式での
日の丸・君が代を拒否した教員らを擁護するでもなく、平気で靖国
神社にも参拝するような御仁ですし。あるいは、将来の南北朝鮮や
中国との戦争も見据えてのことかも知れませんが、長期的視点に
立っての物事を考えているようには到底見えません。

ところで、この記事をブログに書こうと思って検索してみたら、ネット
上には通説を否定する主張が溢れかえっていました。要約すれば、
「杉原のビザ発給は本国の意向に沿ってなされた」というもので、
その根拠は、
 ①ビザを発行するなという訓令は見付かっていない。
 ②杉原はその後も、いくつかの外交ポジションを歴任しており、
 叙勲も受け、年金も受領してる。
 ③1947年に解雇されているが、単にリストラに巻き込まれただけ
 で、懲戒処分ではない。1992年の衆議院予算委員会において、
 渡辺美智雄外相(当時)は「ビザ発給の件で処分されたり、退職
 させられたなどの、杉原にとって不名誉な記録は外務省に存在
 しない」と答弁している。
 ④政府もユダヤ人の入国・通過を認めており、当時の国策として
 ユダヤ人を保護していたことは明らか。
などとされています。
ここでは詳しく検証はしませんが、②については疑う余地の無い
事実でしょう。③も公式にはその通りでしょうが、本音の部分では
どうだったかを明らかにするのが歴史研究の筈ですが。④になる
と、かなり怪しくなってきます。杉原ビザで日本に渡航しようとした
ユダヤ人たちは、入国審査で発給条件を欠いていることを理由に
入国を拒否され、神戸ユダヤ人協会と駐日オランダ大使館の奔走
によってようやく入国できた、というのが真相です。対米関係改善
のためにユダヤ人を利用しただけ、とする説もあり、事実、対米
開戦後は「もう用無し」とばかりにユダヤ人政策は変更され、在留
ユダヤ人は上海のゲットーに送り込まれました。①については・・・
噴飯ものです。外務省の外交史料館には、ビザ発給を非難する
本省からの訓令電がしっかり保存されています。
興味がおありの方は、以下のリンク先をご参照下さい。
 杉原千畝の「政治利用」再び
 杉原千畝FAQ集

渡辺発言に先立つ1991年、外務省の鈴木宗男政務次官(当時)
が、幸子未亡人を招いて、日本政府の対応について「謝罪」して
います。2000年には河野洋平外相(当時)も、遺族に公式に謝罪
しました。
この点、麻生外相の発言だけを取り上げて「従来の公式見解を
覆した」と批判するのは当たらないと思います。

何だかすっかり長くなってしまいました。本論はこれからなのです
が・・・。続きはまた明日。


ミスった・・・

2006年06月03日 13時29分26秒 | 日記、雑感
仕事の指示書を1枚見落として、木曜日の訪問先を1ヵ所
すっ飛ばしてしまってました。
気づいたのは金曜日の朝・・・。
後始末は本社の事務の方がするので、私は「大変」では
ないのですが、申し訳ないやら、情けないやら、昨日は
一日中落ち込んでました。
あ、でも、ブログ更新しなかったのは、そのせいじゃなくて、
また娘と一緒に寝てしまっただけです。
夜中におなかを蹴られて目が覚めたけど、疲れてたので
また寝ました。今日は少し元気です。
木曜日に消えた記事、今夜にはUPします。